NHKスペシャル「新・映像の世紀」

映像は、人間の罪と勇気を照らしだす。

ムービーカメラの発明から100年余り。映像は、人類が蓄積した膨大な「記憶」である。

「映像の世紀」の番外編がBSプレミアムに登場します。

新旧シリーズを合体、さらに発掘映像も加えて、90分・全4回シリーズで放送。ナレーションを担当するのは、新シリーズで新境地を切り開いた山田孝之さん、そして旧シリーズの山根基世さん。新旧2つのシリーズでは映像が誕生してから100年余りの歴史を編年体で描いたが、今回の「映像の世紀プレミアム」シリーズでは、芸術・女性・兵器などのテーマ毎につづっていく。

映像の世紀コンサート

12月4日(日)午後1:00~2:29(BSプレミアム)
加古隆(ピアノ)、日本フィルハーモニー交響楽団、岩村力(指揮)

NHKスペシャル「映像の世紀」の貴重な映像を生のオーケストラサウンドとともにお届けする。2016年9月に東京・オーチャードホールで行われた「映像の世紀コンサート」の模様を放送する。テーマ音楽「パリは燃えているか」をはじめ、加古隆氏の作曲したNHKスペシャル「映像の世紀」の数々の音楽は、映像に新たな命を吹き込んでいる。今回、番組の映像を音楽に合わせて再編集、巨大スクリーンに投影しながら、映像と音楽の圧倒的なコラボレーションで激動の100年を振り返る。壮大な音楽と歴史的映像が織りなす、息をつかせぬ緊迫の90分である。

映像の世紀プレミアム Chapter 01

世界を震わせた芸術家たち

5月28日(土)午後7:30~9時(BSプレミアム)
語り 山田孝之 山根基世

第1集は、世界を変えた芸術家たちを取り上げる。芸術家たちは作品によって人類が進むべき道を示し、社会の問題をあぶり出し、世界を変える力を人々にもたらした。動く映像として初めて記録された巨匠・ロシアの文豪トルストイに始まり、1920年代のアメリカで花開いたジャズエイジ、ユダヤ移民が築き上げた映画の都ハリウッド、ナチスに抵抗を続けたピカソ、チャップリン、そして戦後のベビーブーム世代を熱狂の渦に巻き込んだビートルズ、ボブ・ディラン、さらにはベルリンの壁の前のデビッド・ボウイの伝説のライブの映像などで20世紀をたどっていく。

映像の世紀プレミアム Chapter 02

戦争 科学者たちの罪と勇気

8月13日(土)午後7:30~9時(BSプレミアム)
語り 山田孝之 山根基世

20世紀、科学は戦争のあり方を一変させ、戦争もまた、科学を進歩させた。アメリカの発明家ガトリングは、「1台で100人分の働きを出来る機械を発明できたら戦争に投入される兵士の数は激減し、戦死者も減るだろう」と考え、機関銃を作った。しかし、機関銃によって近代戦争は一変し、戦死者は急増した。ライト兄弟は世界初の軍用機を作り、ノーベル賞を受賞した化学者フリッツ・ハーバーは毒ガス兵器を生み、第一次世界大戦は科学の実験場となっていく。さらに、第二次世界大戦では、国家は兵器開発に天文学的な予算を投入した。気象観測機関の研究者だったワットは、連合軍のためにレーダーを発明、ロケット開発を目指した天才科学者フォン・ブラウンは、ヒトラーのために弾道ミサイルを開発する。ブラックホールの研究に没頭していた物理学者オッペンハイマーは、マンハッタン計画の責任者に選ばれ、原爆を開発した。
そして戦後、アインシュタインなどの科学者が米ソの核開発競争を食い止めようとするも、2000回を超える核実験が行われた。ベトナム戦争でゲリラたちが超大国アメリカとの戦いに使った自動小銃カラシニコフは、テロリストたちの「貧者の兵器」となって、今も世界をテロの恐怖に陥れている。
科学者たちの罪と勇気の物語である。

映像の世紀プレミアム Chapter 03

第3回 世界を変えた女たち

放送 12月3日(土)午後7:30~8:59 (BSプレミアム)

激動の世紀を動かした女性たちを貴重映像でたどっていく。第一次世界大戦中のパリで斬新なファッションによって女性たちをコルセットから解放したココ・シャネル。女性参政権運動などで活躍してFBIに監視されたヘレン・ケラー。ヒトラーの愛人とうわさされた天才映画監督レニ・リーフェンシュタール。ナチスドイツと日本の架け橋となった女優・原節子。英国王女でありながら第二次世界大戦に志願したエリザベス2世。米軍の指令を帯びて日本へ新婚旅行に訪れたマリリン・モンロー。夫の血が染まったスーツで次期大統領の宣誓に立ち会ったジャクリーン・ケネディ。大企業と一人で戦って環境破壊問題を訴えたレイチェル・カーソン。歴史の転換点には、いつも女性たちがいた。

Chapter 01

百年の悲劇はここから始まった

第一次世界大戦
10月25日(日)午後9:00(総合)
[再] 12月18日(金)午前0:10(17日深夜)

発明されたばかりのムービーカメラが初めて本格的に活躍した戦争が第一次世界大戦だった。バルカン半島でおきたテロ事件を契機に戦火は瞬く間に広がり、今も世界を覆う不幸の種子をばらまいた。ドイツの天才科学者、フリッツ・ハーバー博士。空気中から窒素を取り出す研究でノーベル賞を受賞した博士は、史上初めての化学兵器・毒ガスを発明した。ロシア革命を成し遂げ、世界で初めての共産主義国家を樹立したレーニンは、恐怖政治の創始者でもあった。砂漠の英雄・アラビアのロレンスは、新たなエネルギー・石油を狙ったイギリスの情報将校としてアラブ社会に食い込み、裏切った。わたしたちの生きている世界自体が、第一次世界大戦の産物なのである。

Chapter 02

グレートファミリー 新たな支配者

超大国アメリカの出現
11月29日(日)午後9:00(総合)
[再] 12月18日(金)午前1:25(17日深夜)

第一次大戦後の1920年代、未曽有の好景気に沸いたアメリカは欧州列強に取って代わり、世界のリーダーに躍り出た。その頃現れたのが、巨大財閥“グレートファミリー”だ。石油に目をつけ、資本主義の悪魔とも呼ばれながら人類史上最大の富豪となったロックフェラー家。大統領よりも強い発言力を持ち、金融界を牛耳ったモルガン家。大量生産を軌道に乗せ、車を大衆の乗り物とした自動車王フォード。アメリカのふりまく富の匂いは、世界中の移民も引き寄せ、超大国アメリカの基盤を形作った。しかし世界はやがて大恐慌に見舞われる…。グレートファミリー一族のプライベート映像を駆使しながら、その野望を描き、資本主義というモンスターを生んだ欲望の時代を見つめる。

Chapter 03

時代は独裁者を求めた

第二次世界大戦
12月20日(日)午後9:00(総合)
[再] 1月8日(金) 午前1:30(7日深夜)

ミュンヘン近郊の山荘で、くつろぐ柔和な表情のヒトラー。その傍らには、23歳年下の愛人エヴァ・ブラウン…。物語はヒトラーと心中したエヴァの遺品から発見されたプライベートフィルムから始まる。5000万を越える人々が犠牲となった第二次世界大戦の惨劇は一人の独裁者の狂気だけが生み出したものではない。大恐慌で資本主義に幻滅した人々はファシズムを支持し、世界中の企業がナチスを支援した。自動車王ヘンリー・フォードはナチスに資金援助したと言われ、フォード社は、ドイツ軍の4分の1のトラックを生産。アウシュビッツ収容所の大量の囚人管理を可能にしたのは、アメリカ企業のパンチカードだった。独裁者に未来を託し、世界を地獄に追い込んでしまった人々の物語。

Chapter 04

世界は秘密と嘘に覆われた

冷戦
1月24日(日)午後9:00(総合)
[再] 2月5日(金) 午前1:30(4日深夜)

資本主義のアメリカ、社会主義のソビエト。冷戦時代、両国は激しいスパイ合戦を繰り広げた。アメリカの諜報機関CIA、ソビエトの秘密警察KGB。新たに発掘された映像から闇に閉ざされていた冷戦を見つめる。冷戦時代に東独の秘密警察シュタージが行った諜報活動の映像が公開された。夫婦がお互いに監視し合ったり、親しい隣人を盗撮するなど、人間性破壊のおぞましい映像である。一方、アメリカもCIAの秘密工作によって外国の政権を次々に転覆させた。冷戦終結から25年、情報公開が進み、舞台裏の全貌がみえてきた。CIAとKGB、FBIやシュタージ。世界を秘密と嘘が覆った。第三次世界大戦という破局に怯えた狂気の時代を、スパイ戦という視点から描く。

Chapter 05

若者の反乱が世界に連鎖した

激動の1960年代
2月21日(日)午後9:00(総合)
[再] 2月24日(水) 午前0:10(23日深夜)

1960年代末、若者たちの反乱が、世界で同時多発的に巻き起こった。アメリカ、フランスなど西側で巻き起こったのは、ベトナム戦争反対の声だった。そして東側でも、自由と民主化を求める声が沸き上がった。チェコスロバキアでは、プラハの春という民主化を求める動きが起こっていたが、急激な民主化を警戒するソビエトが弾圧した。若者たちを団結させたのは、テレビだった。衛星中継が実用化され、あらゆる出来事が世界に瞬時に伝わるようになっていた。もうひとつ、若者たちを突き動かした力がある。キューバ革命を起こしたチェ・ゲバラ、中国を建国した毛沢東、若者たちは、ふたりの革命家の肖像を掲げた。1960年代の若者たちの反乱の時代を見つめる。

Chapter 06

あなたのワンカットが世界を変える

21世紀の潮流
3月20日(日)午後9:00(総合)
[再] 4月5日(火)午前0:10(4日深夜)

誰もが撮影者となり、世界のあらゆる出来事が映像化される時代。スマートフォン、監視カメラ、そしてYouTubeには1分間に400時間を越える映像がアップされ続ける。21世紀こそ真の「映像の世紀」なのかもしれない。激動の21世紀を発掘映像で追う。その最初の年、悪夢の記憶として刻まれたのは、アメリカで起こった同時多発テロだった。その時から、映像は人々の憎悪を増幅させる装置ともなった。一方映像は国境を越え人々の心をつなぐこともある。誰もが発信者となる時代、人生のささやかな一場面を世界が記憶する。「アラブの春」では携帯動画が人々の勇気の源泉となった。世界を引き裂き、世界をつなぐ。映像の巨大なパワーを描く。