番組で引用した「古事記」について
原文は14世紀に書き写された現存最古の写本、大須観音(おおすかんのん)・真福寺宝生院(しんぷくじ ほうしょういん)蔵の国宝「古事記」を使用しています。
「古事記」に登場する用語の「漢字表記」と「読み方」について
「漢字表記」については上記の、真福寺本「古事記」の表記に基づいています。
「読み方(訓読・仮名遣い)」については、「新編日本古典文学全集1 古事記」(小学館1997年)に基づいています。「古事記」研究の最新の成果が反映された校注・訳本で、多くの学術書でも参照されています。
以下が番組で紹介した、主な用語とその読み方です。※に、他の表記・読み方を併記しております。
神名の略称(例「天照大御神」→「アマテラス」など)については、学術の分野で一般的に使用されている呼び方に準じております。
「高天原」・・・「たかあまのはら」 ※「たかまがはら」「たかまのはら」等
「天石屋」・・・「あめのいわや」(「天岩戸」「天岩屋戸」「天岩屋」等の漢字表記)
※「あめ(あめ)のいわと」「あめ(あま)のいわやと」「あめ(あま)のいわや」
「伊耶那岐」・・・「いざなき」 ※「いざなぎ」の読み方。
「伊耶那美」・・・「いざなみ」
「須佐之男命」・・・「すさのおのみこと」
「八俣遠呂智」・・・「やまたのおろち」
「稲羽之素菟」・・・「いなばのしろうさぎ」
「天照大御神」・・・「あまてらすおおみかみ」
「邇々芸命」・・・「ににぎのみこと」
天孫降臨(てんそんこうりん)の場面で登場する「猿田彦(さるたひこ)」の神名(しんめい)について
上記の「漢字表記」「読み方」の方針に基づけば、「猿田毘古(さるたびこ)」との表記になります。
しかし、今回番組に登場する猿田彦神社では、神名を「猿田彦(さるたひこ)」としていることから「猿田彦(さるたひこ)」としました。
今回の「その時」について
「古事記」の成立に関して記述した史料は、「古事記」上巻に付された序の文章のほかにありません。
番組ではこの序文に拠り、「古事記」が天皇に献上された和銅五年正月廿八日を「その時」としました。
なお、正月廿八日という表記は分かりやすさを考慮して、1月28日と表記しています。
番組で使用した映画について
1959年公開「日本誕生」(東宝製作)
監督:稲垣浩 脚本:八住利雄 菊島隆三 特撮:円谷英二
出演:三船敏郎(スサノオ) 原節子(アマテラスオオミカミ) 乙羽信子(アメノウズメ)
脇田博行(イザナキ) 村松恵子(イザナミ)ほか
※「日本誕生」は、東宝よりDVDが販売されています。
番組で使用した日本画について
天孫降臨の場面が描かれた日本画:国史絵画「天孫降臨」(狩野探道画)
天照大御神が描かれた日本画:勧農絵画「斎庭の稲穂」(今野可啓画)
ともに神宮徴古館農業館蔵。
上記2点の絵画について、番組中でCG加工している場面がありますが、所蔵先の許可を得て行っています。
※猿田彦を描いた日本画は、猿田彦神社の所蔵です。
「古事記」の概略説明について
スタジオで「古事記」上・中・下巻の概略を説明する際、天皇名を「神武天皇」「推古天皇」など、現在広く一般に使われている形で表記しています。
「古事記」本文では神武天皇を「神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)」、推古天皇を「豊御食炊屋比売命(とよみけかしきやひめのみこと)」などと表記していますが、現在は馴染みの薄い名称のため、今回は概略の説明に重点を置き、一般的な天皇名を用いました。
国宝「古事記」について
番組で使用した「古事記」は、14世紀に書き写された現存する最古の写本で、昭和26年に国宝指定されています。
名古屋市の大須観音(おおすかんのん)・真福寺宝生院(しんぷくじ ほうしょういん)が所蔵、現在は名古屋市博物館で保管されています。常設展示はされていません。
「古事記」序文の天武天皇の言葉について
以下の二つの言葉を意訳して紹介しています。
(1)原 文「撰録帝記討竅旧辞削偽定実欲流後葉」
訓読文「帝紀を撰ひ録し、旧辞を討ね竅め、偽を削り実を定めて、後葉に流へむと欲ふ」
意 訳「これまでの歴史書の偽りを削り、真実を選び、それを後世に伝えようと思う」
(2)原 文「朕聞諸家齎帝紀及本辞既違正実多加虚偽」
訓読文「朕聞く、諸の家の齎てる帝紀と本辞と、既に正実に違ひ、多く虚偽を加へたり」
意 訳「私が聞くところによると諸家の帝紀と本辞には、真実と違い、偽りを多く加えているという」
「帝紀(ていき)」「本辞(ほんじ)」について
「古事記」序文には、同じ意味の言葉として、「帝皇日継(ていおうひつぎ)」「旧辞(きゅうじ)」などの記述があります。これらは、「古事記」の成立以前に、天皇や豪族の事績、神話などを記した歴史書だと考えられています。現存はしていません。
中国少数民族・イ族の映像について
VTRにご出演の大東文化大学教授、工藤隆さんの撮影によるものです。
撮影された映像の一部は「四川省大涼山イ族創世神話調査記録」のタイトルで大修館書店より販売されています。
歴史書が作られる経緯の説明、CGについて
VTRにご出演の大東文化大学教授、工藤隆さんほか、研究者への取材にもとづいてコメント、作成しました。
「古事記」冒頭部分の読み方について
原文は「天地初発之時於高天原成神名天之御中主神」
読み方に関しては諸説ありますが、今回は「新編日本古典文学全集1 古事記」(小学館1997年)に基づきました。
訓読文「天地(あめつち)初めて発(あらは)れし時に、高天原(たかあまのはら)に成りし神の名は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)」
意 訳「天地が初めてあらわれ動きはじめた時に、高天原に成った神の名は、天之御中主神」
日本各地の高天原の伝承地について
奈良県御所(ごせ)市高天(たかま)地区は、古代、大和政権の有力豪族だった葛城氏の本拠地だった地域だと考えられています。
高天原の伝承地として、地区内にある高天彦神社が知られています。
熊本県山都町(やまとちょう)は、番組で紹介した幣立(へいたて)神宮が、高天原の伝承地として知られています。
宮崎県高千穂町には、番組で紹介した高天原の遙拝所(ようはいじょ)のほかに、「古事記」に関わる伝承地が点在しています。
「天(あめ)の石屋(いわや)」の場面で使用した映像について
1959年公開「日本誕生」(東宝製作)
監督:稲垣浩 脚本:八住利雄 菊島隆三 特撮:円谷英二
出演:三船敏郎(スサノオノ) 原節子(アマテラスオオミカミ) 乙羽信子(アメノウズメ)ほか
※「日本誕生」はDVDで販売されています。
天孫降臨(てんそんこうりん)の場面で登場する「猿田彦(さるたひこ)」の神名(しんめい)ついて
「古事記」では「猿田毘古(さるたびこ)」と表記されていますが、番組に登場する猿田彦神社の神名にならい「猿田彦(さるたひこ)」としました。
猿田彦の子孫が現在の伊勢神宮の場所を献上したとする根拠について
鎌倉時代の神道書「倭姫命世記(やまとひめのみことせいき)」の記述のほか、伊勢神宮、猿田彦神社への取材に拠っています。
「太安萬侶(おおのやすまろ)」の漢字表記について
ほかに「安万侶」「安麻侶」の表記もありますが、今回は「古事記」原文や昭和54年に発見された墓誌の記述に従い、「安萬侶」としました。
稗田阿礼(ひえだのあれ)の「誦習(しょうしゅう)」について
「誦習」とは、文章を繰り返し声に出して読み、その読み方を覚える意味。
「古事記」序文には「勅語阿礼令誦習(・・)帝皇日継及先代旧辞(稗田阿礼に帝皇日継(ていおうひつぎ)と先代旧辞(せんだいきゅうじ)とを誦(よ)み習わせた)」と記述されています。
CGによる「ワレハ キミヲ オモフ」の漢字表記の説明について
「我想你」「我想君」「我君想」「和礼波岐美袁意母布」の4種類の漢字表記の方法について、VTRにご出演の甲南大学教授、小谷博泰さんへの取材をもとに作成しました。分かりやすくするために、一部、簡易な漢字を用いて説明しています。
「古事記」が完成した8世紀前半には、上記の表記方法のほかに、宣命体(せんみょうたい)による表記もあったと考えられていますが、日本語学の研究では、「古事記」のもととなる史料が書かれたとされる天武天皇の時代以前には、主に上記の4種類の方法によって表記されていたと考えられています。そのため、番組でも上記の4種類の説明をしています。
明治時代の教科書について
明治36年・文部省発行の国定教科書「小學日本歴史一」です。
番組で紹介した「天照大神はわが天皇陛下の御先祖にてまします」の一文は、本文の冒頭の記述です。
神話(イザナキ・イザナミの国生みの場面)が描かれた絵本について
赤羽末吉・絵 舟崎克彦・文「日本の神話」(あかね書房)。第1巻から第6巻まで出版されています。
番組で子供が見ている絵本は、第1巻「くにのはじまり」です。
高千穂峰(たかちほのみね)について
霧島連峰に位置し、「古事記」に描かれた天孫降臨の地と伝えられている場所の一つです。
高千穂峰付近は鹿児島と宮崎の県境に位置していますが、国土地理院の見解に従って宮崎県と表記しています。
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