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竜巻から身を守るには?

近年、日本でも「竜巻」による顕著な被害が報告されています。季節や場所を問わず起こる竜巻は、今やどこでも起こりうる現象です。自分の住む地域では起こるはずがないと侮らず、万一に備えて竜巻への防災意識を高めておくことが大切です。

竜巻は日本中どこでも起きる!

油断禁物! 各地で大きな被害が出ています。

竜巻は日本各地で発生しています。大きな被害が出たものとしては、2005年12月に山形県で発生した竜巻、2006年9月に宮崎県、11月に北海道で発生した竜巻などがあります。2012年5月には北関東でも複数の竜巻が発生しました。住宅が壊滅的な被害を受けただけでなく、死傷者が出るなど人的被害も多く出ています。

竜巻の威力と恐怖

竜巻が起こると、強い風で建物が壊されるだけでなく、壊された物が飛散して、次々に家屋を破壊していく負の連鎖が続きます。
竜巻が通った場所は跡形もなくなり、その通り道付近も屋根が吹き飛ばされたり、電柱が倒されるなど大きな被害が見られます。トタンや木片などが、家の壁を突き破るケースもあります。

2006年11月 北海道佐呂間町で発生した被害2012年5月 茨城県つくば市で発生した被害2008年7月 福井県敦賀市で発生した被害
写真:小林文明
写真:NHK
写真:西村宏昭

今まで日本で確認された竜巻の大部分は、風速が秒速50メートル未満(※F1以下)ですが、秒速70メートル以上(F3)の竜巻も発生しています。今後さらに強い竜巻が発生しないとはいえません。
では、実際に竜巻が迫ってきたらどうすればいいでしょうか。早めに竜巻を発見し、身を守るための方法をご紹介します。

※フジタ(F)スケール。被害の程度から竜巻の強さ(風速)を示す尺度。

竜巻の前兆現象とは?

いつもと違う雲を見たら、要注意!

竜巻の発生源は「積乱雲」です。
雲の変化に注意することで、危険を回避することができます。

こんな積乱雲には要注意

発達中の積乱雲 ガストフロントに伴う
アーククラウド
爆発的に広がるかなとこ雲
写真:小林文明
写真:小林文明
写真:小林文明

ひとつの積乱雲も無数の「雲の塊」から成り立ちます。目視でこれらの雲の塊の成長がわかる積乱雲は急速に成長中であり、要注意です。

積乱雲からの下降気流が地面にぶつかり、冷たい空気が地上付近で発散する時、その先端をガストフロント(突風前線)といいます。しばしば、ガストフロントでは、アーク雲、あるいはアーチ雲と呼ばれる特殊な雲(アーククラウド)が形成されます。

1999年7月、東京都練馬区で発生した豪雨(練馬豪雨)をもたらした積乱雲(かなとこ雲)

竜巻の発生原因は、温帯低気圧(寒冷前線を含む)、台風、冬型の気圧配置、梅雨前線などさまざま

事前に、気象情報や雷注意報、竜巻注意情報を確認して、自分の今後の行動を判断する習慣をつけましょう。

竜巻に早く気づくために…

竜巻が目の前に迫るまでには、いくつかの前兆現象があります。

竜巻が遠くにあるとき

・いつもと違う積乱雲
急発達する積乱雲、回転している積乱雲、かなとこ雲(※)などに要注意!
※かなとこ雲…上部が平らに広がっている積乱雲

・雷鳴が聞こえる
積乱雲が迫ってきているサインです。稲光や稲妻が見えることもあります。

・急に空が暗くなる
巨大な積乱雲が日差しを遮り、まるで夜のように暗くなることがあります。

竜巻が近づいているとき

・雹が降ってくる
積乱雲が発達し、雹(ひょう)を伴った冷たく強い下降気流が起きます。

・冷たい風が吹く
気温が急激に下がり、冷たく激しい突風を感じます。

・叢(くさむら)や土のにおいがする
草や土、アスファルトなどの「ムワっとした独特のにおい」や「雨のにおい」を感じることがあります。

竜巻が目の前に迫っているとき

・渦が見えて、ゴーッという音がする
物を巻き上げながら移動する渦と一緒に、ゴーッというジェット機のような轟音(ごうおん)が聞こえます。

・耳鳴りがする
急激な気圧の変化により、耳鳴りなど耳の異常を感じます。

・物が飛んでくる
飛散物(小石やガラス、木片など)が、竜巻渦から離れていても飛んでくることがあります。

★とにかく早めの避難を
竜巻との距離は自分の立っている位置や場所によっても変わってきますが、このようないつもと違う現象を感じたら、竜巻が近づいているサインです。早めに安全な場所へ逃げましょう。

身を守るための安全な場所とは?

目の前に竜巻が迫った場合、数分から数秒しか猶予はありません。
そのときに迷うことのないよう、身を守るための方法を覚えておきましょう。

自宅にいるとき

窓ガラスが割れたり風が吹き込んでこないように雨戸やカーテンを閉めましょう。日本の住宅は風通しを良くするように造られていることが多いので、逆に、家の中で風通しの悪い場所(トイレやバスタブ)に身を置きましょう。

会社や学校、公共施設や店舗などにいるとき

会社や学校では、日頃から防災頭巾を用意しておきましょう。病院や役所などの建物の中にいる場合は、地下室や風が吹き込まない屋内の非常階段、踊り場など、安全な場所へ避難しましょう。
プレハブなどの仮設構造物、窓やドアなど開口部の多い建物は、リスクの高い場所になります。

車で移動しているとき

交通の邪魔にならない場所に車を止め、ただちに鉄筋コンクリートなどでできた頑丈な建物内に逃げましょう。

屋外にいるとき

竜巻の速度は車並みに速いため、走って逃げ切れることはありません。また、簡単に吹き飛ばされてしまうので、なるべく頑丈な建物に入りましょう。たとえ建物自体が頑丈でも、飛散物で窓ガラスが割れてしまう可能性があるので、窓から離れるようにしてください。

★「絶対安全はありません」
家を粉々に壊すほどの大きな竜巻が発生する危険もあるため、「絶対に安全」という場所はありません。しかし、身を守るための方法を頭の隅にとどめておけば、被害を最小限に防ぐことができるかもしれません。

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