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火山噴火の怖さを知って命を守ろう

2015年10月現在、日本では24時間体制で観測している火山が47ありますが、今年度中に50に増える予定です。昨年の御嶽山の噴火から1年余りが経ちましたが、2015年も5月に口永良部島、6月に箱根山、9月には桜島と阿蘇山で噴火が確認されました。火山の噴火は日本人にとって身近な災害です。万一に備え、火山の噴火についてのさまざまな情報を身につけておきましょう。

火山噴火による災害とは

御岳山噴火は「戦後最悪の火山災害」

2014年9月27日の御嶽山噴火は死者58人、行方不明者5人にものぼりました(2015年10月末現在)。日本の火山観測史上では、144人の犠牲者を出した1926年の十勝岳火山災害に次ぐ大惨事で、戦後最悪の火山災害です。
噴出物量は50万t程度で、飛散した大きな噴石も火口から1.5kmの範囲内に収まるなど、爆発力も大きなものではありませんでした。しかし火山噴火としての規模は小さくても、噴火の現場近くにいることで被害は大きくなりました。

火山噴火による災害

噴石

気象庁が用語として使う「噴石」とは、大きさが直径2mm以上の岩石片(火山れき、火山岩塊)を言いますが、中には数十cm以上にも達するものもあります。火口から弾道を描いて飛んでくる大きな噴石は2~4kmに達しますし、風に流されるような小さな噴石は時には10km以上離れた地点に落下することもあり、自動車のガラスや家の屋根などが砕かれて、二次災害につながる恐れがあります。

火山灰

火山灰の直径は2mm以下で、時には数十kmから数百km先の地点まで到達することもあります。
数mm程度降り積もっただけでも、坂道では車のスリップ事故が多発し、鉄道・航空等の交通網もマヒします。また、火山灰を吸いこむと、せきや息苦しさ、喉が痛くなるなど健康への被害も出てきます。

火災流

高温の溶岩片、火山灰、火山ガスなどが一体となり、斜面を高速で駆け下る現象。その速度は時に時速100kmを超え、温度も数百度と非常に高温になります。火砕流から身を守ることは困難なため、事前の避難が必要です。

溶岩流

溶岩流は、マグマが冷え固まらない状態で地表を流れていきます。1000度以上の高温なので、鉄筋の建物も破壊し、火災を起こします。
ただし、粘性が低い玄武岩マグマの場合でも、通常は人の歩く速さよりもゆっくり流れるため、近づかない限り危険はありません。

融雪火山泥流

積雪期に火山が噴火した際、熱によって雪がとけ、その水が周辺の土砂や岩石を巻き込みながら高速で流れ下る現象。
冬季には、積雪で覆われる中部地方より北の火山では融雪泥流の被害が起こる可能性があります。

ひとたび火山が噴火すると、こういったさまざまな現象が発生し、甚大かつ深刻な被害がもたらされます。全ての現象が同時に見られることはめったにありませんが、このうちのいくつかが同時に起こる場合や、順次移り変わっていく場合もあるため注意が必要です。

噴火警報に注意し、迅速な対応をとる

噴火警戒レベル5は避難、4は避難準備と覚えておく!

噴火警戒レベルとは

噴火警報が発表されたら、速やかに身を守る準備をする

「特別警報」が発表されたときは、直ちに行動しましょう。火山付近の住民や登山者は、何らかの異常がないかどうか「噴火警報」や「警戒が必要な範囲」、「噴火警戒レベル」などの情報を十分に調べておくことが大切です。

★ただし、警戒レベルは絶対ではありません!火山活動の高まりを把握して噴火を予知し、タイミングよく警戒レベルが上げられることもありますが、御嶽山噴火のように予知ができない場合もあります。警戒レベルが低いままだからといって安心してはいけません。

万一へのシミュレーションが大切

登山の前や登山中でも「備え」は万全に!

噴火速報を活用しましょう!

気象庁が常時観測している活火山で、今までとは違う“大きな噴火”が起きた場合には、2015年8月から新たに「噴火速報」が発表されるようになりました。
テレビやラジオ、携帯端末などで知ることができます。なお噴火速報が発表されたら、直ちに下山する、シェルターや避難小屋に退避する、入山を控え山から離れる、などの身を守る行動をとってください。

登山の際は、ヘルメットやマスクなどを用意しましょう!

登山中に噴火が起きた場合、噴石に当たらないように注意し、速やかに火口から遠ざかって、岩陰などに逃げてください。避難の際に熱い空気や煙などを吸い込んでしまうと息苦しくなったり、咳き込んだりすることがあるため、可能であれば湿ったタオルなどで口を覆いましょう。

活火山への登山の際は、避難場所などを事前に把握しておくことが重要です。

ハザードマップを確認しよう!

火山噴火が起きたことを想定し、ハザードマップを活用した避難訓練を行うことは大切です。ただし、次の噴火で起こる現象がハザードマップどおりに起こるわけではありませんので、ハザードマップは避難訓練を行うためのドリルマップだと考えてください。
ハザードマップを活用した避難訓練などを通じて、防災担当者や住民が火山災害についての正しい知識を身につけ、いざという時に臨機応変に身を守る行動をとれるようになることこそが重要です。

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