片田 敏孝先生の
いのちを守る特別授業 第一回

2012年8月22日(水曜)【Eテレ】午後6時55分〜7時45分 再放送

釜石小学校の子どもたちに学ぶ

釜石では約3千人の小中学生が素早い避難を行い、大津波を生き抜きました。"釜石の奇跡"です。その中で、地震が発生したときには、放課後のため、ほとんどの子どもが下校していたのが釜石小学校です。学校にいないので先生の指示も受けられません。家に一人でいる子どももいました。しかし、子どもたちは大人顔負けの的確な判断で、全校生徒184人全員が一人も命を落とすことなく無事に避難したのです。釜石小学校の子どもたちの言葉に学びました。

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「自分の身は自分で守るようにずっと言われてきたので、お母さんやお父さんのことを考えないで まず自分一人でも生き延びろって言われてたんで、一人で逃げました」

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「避難訓練で何回も練習してるから「釜石の奇跡」ではなく、実力を発揮しただけ」

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「津波がギリギリで止まったとかを奇跡っていうけど 今回はちゃんと実力で逃げたのだから「釜石の奇跡」よりは「釜石の実績」の方が言葉があってる」

自分の命は自分で守る 釜石の防災教育

釜石は過去に何度も大きな津波に襲われました。明治三陸津波では当時の人口6500人のうち4000人が亡くなるという悲惨な経験もしました。これまでも様々な防災対策に取り組んできましたが、中でも力を入れているのが「防災教育」です。片田先生も参加し、現場の先生と試行錯誤をしながら教育プログラムを練り上げてきました。そして平成22年に出来上がったのが「釜石市津波防災教育のための手引き」です。目標は「自分の命は自分で守る力」を育むこと。小学1年生から中学3年生まで、防災授業の内容が学年別にわかりやすくまとめられています。算数、理科、社会などの普通の教科の中に防災授業を盛り込んでいるのが特徴です。手引き書は釜石市教育委員会のホームページからダウンロードすることが出来ます。ぜひ参考にしてください。

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犠牲者ゼロの地域を目指して

「災害ごときで人は死んではならない」片田先生の信念です。防災の専門家として「犠牲者ゼロの地域づくり」を目指して全国各地で取り組みを続けてきました。片田先生が釜石市の防災・危機管理アドバイザーに就任し、釜石の津波防災対策に取り組み始めたのは8年前のことです。まず行ったのが地域の人を対象とした講習会です。しかし、すぐに壁にぶつかりました。聞きにくるのは、もともと防災に関心のある人ばかりだったのです。そこで注目したのが子どもたちでした。学校の授業なら、釜石市のすべての子どもたちに防災教育を行うことも可能だ。子どもは地域の宝、親や地域住民も積極的に参加してくれるだとう考えたのです。ようやく、すべての小中学校で防災授業が行われるまでになり、これから大人たちに広めていこうとしていた矢先の大津波でした。釜石の死者・行方不明者は1047人に上りました。子どもたちが言うように「釜石の奇跡」が「奇跡」ではなく、当たり前に行われる世の中を目指して、釜石の経験を伝えることが課せられた使命だと片田先生は考えています。

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