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熱中症対策

第4回  命を守る! 熱中症対策

執筆者

三宅 康史
昭和大学医学部救急医学教授 昭和大学病院救命救急センター長
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熱中症のメカニズムを知る

昨年(2013年)、熱中症については3回のコラムで詳しくお話してきました。4回目となる今回はその原因・予防・対処法に焦点を絞り、“命を守る”ための熱中症対策を図にまとめました。梅雨前の猛暑により、すでに全国で熱中症が発生しています。梅雨が明けると夏本番。今のうちから正しい熱中症対策を身につけておきましょう!

まず熱中症には大きく分けて2種類あることを知っておきましょう。筋肉運動を伴う労作性熱中症と筋肉運動を伴わない非労作性(古典的)熱中症とでは、熱中症になる状況や対象者が大きく異なります。熱中症と疑わしい人を見たとき、また自分が熱中症にかかったと思うときには、どちらに当てはまるかを見極めて対応する必要があります。

熱中症にならないための予防

高齢者の居る世帯、特に同居していない場合や同居していても老人同士の世帯では、熱中症に対しての正しい知識を伝え、夏を迎える前に生活環境(日当たりや風通し・エアコンの調子・寝具や下着の着替え・居室への温度計の設置など)をチェックしてあげたり、暑さに慣れるために早朝や夕方の散歩を勧めてみては? そして何より重要なのが、毎日コミュニケーションを取り合って元気なことを確認できる関係を作っておきましょう。熱中症は、周りの人の注意で予防できるのです。

目の前の人が倒れたら ~知っておきたい熱中症対処法~

家の中で家族が、あるいは日中屋外で目の前の人が倒れたら……。暑い環境に居た、またはその後に気分が悪くなったなど体の不調を訴える場合は、まず熱中症を疑い、直ちに対処しなければなりません。周囲で熱中症になってしまった人がいたら、あなたができる対処法を頭に入れておきましょう。

熱中症と夏の低体温症

熱中症は、地球温暖化や急速に進む高齢化により今後も増えることは確実……だからこそ、正しく知ることで自衛できます。知識をしっかり身につければ、自分だけでなく、家族・同僚・離れて住む親、そして街中でも他人を助けることができます。

一方で、近年、真夏の低体温症の患者が増えていることをご存じですか?
最近、特に都心で頻発するゲリラ豪雨と呼ばれる突然の気温低下と強風、それに続く激しい雷雨などに出遭うと、急速に体温を奪われて低体温症に陥ります。花火大会やスポーツ観戦など、大勢の人々が前を塞いで身動きの取れない場所で、薄着で風雨に打たれ、雨宿りしようにも人であふれて逃げ込めない。うまく逃げ込んだ先も冷房が効いているコンビニや駅ビル……。

今までは夏山などで遭難した人などに限られた症状でした。ゲリラ豪雨は、直前に空が急に暗くなり、気温が下がってきた直後にやってきます。予想できないからこそ「ゲリラ」という名が付いているのも納得です。その時にはまずぬれないことが肝心。100円のビニールガッパを一つバッグに忍ばせておきましょう。危険を察知したときには、すぐに着込んでぬれる前に防備しましょう。ビニール製なら風もシャットアウト、体温を奪われずにすみます。近くに自動販売機があれば、暖かいココアなど糖分のたっぷり入った飲み物で体を中から温めます。

周りの人が低体温に陥った場合も同じです。意識がしっかりしているうちに、同じような対処をしてあげてください。ぬれた衣服は乾いたものに着替えさせ(無い場合が多いので大抵は毛布でくるむ)ます。都会では救助の手がすぐに届くので、それまで何とか応急処置でしのぎます。

(2014年6月30日 更新)