今回のゲスト:     クエンティン・タランティーノQuentin Tarantino  アメリカ出身の映画監督主な作品パルプ・フィクションキル・ビルイングロリアス・バスターズジャンゴ 繋がれざる者
Eテレ 2019年9月27日(金)の放送内容アンコール

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〜K's Interview〜

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
今回のゲスト
guest
クエンティン・タランティーノQuentin Tarantino
アメリカ出身の映画監督
主な作品
パルプ・フィクション
キル・ビル
イングロリアス・バスターズ
ジャンゴ 繋がれざる者
舞台は1969年、カウンターカルチャー最盛期のロサンゼルス。レオナルド・ディカプリオが演じるのは、ハリウッド映画への出演チャンスに恵まれず、焦る日々を過ごす落ち目の俳優リック・ダルトン。彼の親友であり、長年タッグを組むスタントマンのクリフ・ブースをブラッド・ピットが演じます。映画業界に大きな変化が起きつつある中、なんとかチャンスをつかもうとする2人。そんなある日、リックの家の隣に引っ越してきた新進の女優シャロン・テートとその夫が殺害されてしまい…
このシャロン・テート殺害事件は実際に起きたもの。ハリウッドに暗い影を落としたこの事件をモチーフにした新作について、タランティーノ監督が語ってくれました。
Kazuo:
Could you tell us about the significance of this time and place: 1969, Hollywood?
1969年のハリウッドを舞台に選んだ意義を教えてください。
Quentin Tarantino:
Well, you know, it's interesting because ... the movie deals with Hollywood as an industry and Hollywood as a town – a town that people live in. And both the industry and the town were facing tidal wave-like changes, basically because both the industry and the town, and the public embraced the counterculture. And what I thought was interesting was that observing that counterculture, but not from members of the culture, but from a couple of characters trapped on the outside looking in.
興味深いのは…この映画は「ハリウッド業界」と、人々が暮らす「ハリウッドという街」を題材にしています。(1969年のハリウッドは)業界と街の両方が大きな変化の波に直面していて、人々は「カウンターカルチャー(対抗文化)」を受け入れていました。そして、カウンターカルチャーの中心にいる人物の視点ではなく、文化の外側にいる2人の視点から描くことが面白いと思ったのです。
We worked really hard on the script, but at the same time, there was this aspect – those two actors were gonna have to commit to doing the movie. And then once they did, and once we started doing the movie, we knew we would find things that wouldn't be on the page — that would be deeper inside of the characters.
脚本にはとても力を入れましたが、それと同時に、もうひとつの側面として、2人の役者がこの映画に専念してくれることが重要でした。彼らが決心して制作が始まれば、脚本にはない、登場人物の内面にあるいろいろな発見があると確信していたからです。
And, like, in particular, a lot of things that Leonardo did, they were in the script, but they weren't as emphasized as it became. Like, he always had those emotional swings, but he made that bigger. He had a drinking problem before, but he wasn't ... but it wasn't that bad, all right? Leonardo doubled down on that.
特にレオナルドが演じたことの多くは脚本にはあったものの、もともと感情的な演技を、より極端に表現してくれました。アルコール依存症という役でしたが、そこまでひどいものではなかった。けれどレオナルドは、そこをより強調してくれたんです。
Kazuo:
I was wondering, as a filmmaker, or for aspiring filmmakers, what would be the most important lesson you could give them or tell them?
映画監督として、映画を作る人に向けてアドバイスはありますか?
Quentin Tarantino:
Ah ... hard question.
I think a lot of people, when they shoot movies now — like, most people, frankly — they have a monitor on the set. And so... and sometimes the director is not even in the same room where the actors are. They are in the room with monitors, in "Chair Town," or something, or "Video Village." I completely disagree with that.
難しい質問だね。
現在、映画を撮影する人の多く、実のところほとんどの人は、現場にモニターを置いています。場合によっては、監督は役者とは別の部屋にいることもあります。監督はモニターの部屋、いわゆる「イスの町」とか「ビデオの村」といった場所だね。私は、それには大反対です。
Because in a situation like that, then that TV screen — that monitor — is directing the movie. You are not directing the movie. My feeling is that you should be right next to the camera. You should be right next to the camera, and, OK, if they're filming ... if this camera here is filming us talking, then I should be right next to it. And so I have the exact same vantage point, and I'm in the room with you.
なぜなら、そういった状況では、あなたが監督しているのではなく、テレビ画面やモニターが監督しているからです。僕の考えでは、監督はカメラの真横にいるべきです。監督はカメラの真横にいるべきなんです。このカメラが僕らを撮っているとしたら、監督はその真横にいるべきです。同じ視点を持ち、役者と同じ場にいるべきです。
When the director is by the camera, and the actors can feel him there as they act, it's like they're acting only for him. It's not in the void, it's like you are their audience.
監督がカメラの真横にいて、役者もその存在を感じながら演じることができれば、それは監督に向けて演じているようになる。役者は無の空間で見えない誰かに向けて演じるのではなく、監督自身が観客になるんです。

※収録したインタビューから抜粋し、内容に適した日本語訳とともに記載しています。また、テレビで放送された日本語訳とは言い回しが異なる場合もあります。

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