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時代を創造する者は誰か!岡本太郎現代芸術賞

  • 2024年3月28日

「ベラボーな」作品が大集結!「川崎市岡本太郎美術館」で、「第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」展が開かれています。現代美術の登竜門ともいわれるTARO賞。情熱的な作品の数々に、思わず「なんだ、これは!」とこぼれます。

時代を創造する者は誰か!

「太陽の塔」などで知られる芸術家、岡本太郎。「芸術は、爆発だ!」などの多くの名言があることでも知られています。「時代を創造する者は誰か」もその一つ。1954年に出版された『今日の芸術』のサブタイトルでした。

岡本太郎没後すぐに創設されたのが、今の岡本太郎現代芸術賞、通称「TARO賞」。彼の遺志を継ぎ、まさに「時代を創造する者は誰か」を問うための賞です。

22点の「ベラボーな」作品たち

迫力に圧倒されます!

今年は、国内外の作家が応募した絵画や立体作品など621点のうち、入選した22点が展示されています。

学芸員の喜多春月さんは、今年は特に熱意のある作品が集まっていると言います。

川崎市岡本太郎美術館 学芸員 喜多春月さん
喜多さん

昨年は出せなかった太郎賞、敏子賞も、今年は出すことができました。審査委員の先生方も、審査をするために会場に入った瞬間からテンションが高かったです。例年、特別賞は3、4人ほどなのですが、今年は10人という異例の数でした。

岡本太郎賞、岡本敏子賞は、これだ!

左から 岡本太郎賞 岡本敏子賞 に選ばれた作品

大賞の「岡本太郎賞」に選ばれたのは、つんさんが制作した『今日も「あなぐまち」で生きていく』。高さ4メートルを超える作品です。
「あなぐまち」とは頭の中の具体的な街という意味を込めたことばなのだそう。段ボールで作られた「団地」がいくつも重ねられ、作家自身の幼少期からのさまざまな時期が表現されているとのことです。

喜多さん

小さい時から物の声が聞こえるアニミズム的(動植物や無生物も霊魂を持っているという観念)な思考で、ご本人としては本当に聞こえているようなんです。そういった“物”たちを団地の住人にして、下から春、夏、秋、冬・・・と、つんさん自身の幼少期からのさまざまな時期が表現されています。なので、上の方はまだ空き家です。

団地には住人がずらり!
「え、本当に?」と、つい二度見してしまう立て看板

そう、各部屋にずらりと並ぶ住民たちの光景だけでも圧巻なのですが、なんと、それぞれの部屋に「ちいさなえほん」が入っていて、取り出して読むことができます!
その名の通り、絵本になっていて、1つ1つじっくり読むことができますよ。

ぞうきんの絵本
感動のお話でした
喜多さん

手に取って1つ1つ読むことができるので、お子さんに読んであげている家族の方も多く見かけます。

・岡本敏子賞の作品
「岡本敏子賞」に選ばれたのは、三角瞳さんが制作した『This is a life. This is our life.』。無数の顔が光沢感のある半透明の布に刺繍されています。

表は黒、裏は赤で刺繍されています

赤い糸は遺伝子や体を表しているとのこと。普遍的で抗いようのない「生まれながらに遺伝子に束ねられた存在である」ということを、布に絡みつく糸で表現しています。

喜多さん

おもしろいのは、後ろの方は無表情で刺繍の目が詰まっているんですけど、途中から叫んでいて、縫い方も粗々しくなるんです。とても完成度の高い作品だと思います。

無表情の刺繍は目が詰まっています
叫んでいる顔は縫い目が粗いです

特別賞からも目が離せない!

特別賞には10点が選ばれました。

『Space X』池田 武史
『三月、常陸國にて鮟鱇を食ふ』小山 久美子

・今年は国際色豊か

喜多さん

今回は、入選作品に外国の方も結構入られていて、特別賞を取った方だと3人、全体だと4人選ばれています。皆さん日本在住ではありますが、例年に比べて国際色豊かな結果となりました。

『Anomalies poétiques/詩的異常』/フロリアン・ガデン
喜多さん

フロリアン・ガデンさんはフランスの方です。日本で過ごすうちに「日本のここっておもしろい」とか、「日本の緑化政策なんかおかしいよね」など、感じられた事をユーモラスに描いています。

遊び心ある表現に、ついじっくり見てしまいます
妖怪を発見!

・老若男女楽しめる

喜多さん

TARO賞は、現代社会に鋭いメッセージを突きつける作家を表彰し、広くお伝えするべく設立されています。今の時代感を反映した作品が多く、老若男女楽しめる展示となっていると思います。ぜひ多くの方に見てほしいです!

『POT PLANTS!』クレメンタイン・ナット 
靴を脱いで「作品の穴」を歩くことができます

川崎市岡本太郎美術館

川崎市多摩区枡形7-1-5 生田緑地内 電話 044-900-9898
9:30-17:00(入館16:30まで) 月曜休館
『第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)』~2024年4月14日(日)

【取材後記】
展示室に入った瞬間から、作品の迫力に思わず気分が高揚しました。作風も多種多様で、きっとお気に入りの作品が見つかるはず。周辺の生田緑地の緑にも癒されます。春のお出かけにぜひ、訪れてみてください。
今年はアートの祭典『第8回横浜トリエンナーレ』も開催中。横浜放送局でも「びじゅチューン!×横浜トリエンナーレ なりきり美術館」を開催しています。こちらもぜひお立ち寄りください。

市川 苺子

【イベント情報】
「びじゅチューン!✖横浜トリエンナーレ なりきり美術館」
会期:2024年3月15日(金)~4月7日(日)
開館時間:午前10時~午後6時(最終入場は午後5時30分)
会場:NHK横浜放送局 (横浜市中区山下町281) 
※入場自由・無料

第8回横浜トリエンナーレ
「野草:いま、ここで生きてる」
会期:2024年3月15日(金)~6月9日(日)
会場:横浜美術館、旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKO、
クイーンズスクエア横浜、元町・中華街駅連絡通路
開館時間:午前10時~午後6時(入場は閉場の30分前まで)
休場日:毎週木曜日(4/4、5/2、6/6を除く)
お問合せ:ハローダイヤル 050-5541-8600(受付時間・午前9時~午後8時)

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