その昔、夜中に、手ぬぐいを被ったネコたちが踊っていた!?。そんなネコ伝説にちなんで「踊場駅」という名前になった駅が、横浜市にあります。駅舎の外も中も、ネコのデザイン。切符もネコ柄です。「猫の日」で盛り上がる様子を取材しました。
横浜市などを走る横浜市営地下鉄ブルーライン。
横浜市泉区にある「踊場駅」は、ネコに特化しています。
まず、駅の名前。
その昔、横浜市の泉区と戸塚区の地域では、真夜中に手ぬぐいを被ったネコたちが踊っていたという伝説があることから「踊場駅」になりました。
「関東の駅百選」に選ばれているこの駅。
駅舎の外も中も、ネコのデザインがあちらこちらに施されています。
駅の入口にあたる地上出口は、ネコの耳を模した三角形の明かり取りがあり、出口全体がまるでネコのようです。(1番出口と3番出口)
4番出口には、出口の上部に踊るネコの装飾がついているほか、階段のまさに踊り場の天井に3匹の踊るネコがあしらわれています。
改札前の通路には、つぶらな大きな目。
通行する人たちをじーっと見つめています。
さらに、通路の床や壁には足跡も。
駅全体でネコ探しを楽しめるようになっています。
ネコ愛は、駅舎だけで終わりません。
なんと、切符もネコ柄なのです。
踊るネコたちが小さく全体にちりばめられていて、市営地下鉄の中でもこの踊場駅限定の特別なデザインです。
こうした「ネコスポット」を紹介しようと、駅の係員が手書きのマップを作りました。
利用者から多くの問い合わせがあるためです。
希望する人は、改札で申し出るとこのマップをもらうことができるということです。
2月22日の「猫の日」にあわせて、近くの飲食店などの主催で、一般から寄せられたネコの写真が駅の掲示板に展示されていて、愛くるしい姿を楽しむことができます。(写真の展示は2月29日まで)。
横浜市営地下鉄 北沢英明 湘南台管区駅長
「駅やその周辺にはネコを感じられるデザインやしかけがたくさんあります。市営地下鉄で駅を訪れて、ネコを感じてほしい」
駅の名前の由来にもなったネコ伝説は、どんな内容なのでしょうか。
「猫の日」にあわせて、駅近くで、ネコ伝説を紹介するイベントが開かれました。
腹話術の活動をしている男性が、ネコの人形を片手にお年寄りや子どもたちを前に、昔々、この地域で起きたという、不可解な“事件”について語りました。
~講演より~
醤油屋の「水本屋」では、毎晩、干してある手ぬぐいがなくなります。
店の人が調べても、理由は分かりません。
ある月夜の晩、醤油屋の主人が歩いていたら、手ぬぐいを被ったネコたちが踊っていました。
「ネコじゃ、ネコじゃ、わしゃネコじゃ、トラじゃ」という声が聞こえます。
ん、トラ? よく見ると、踊っているネコの1匹は、醤油屋の飼い猫・トラだったのです。
トラが毎晩干してある手ぬぐいを持ち出し、ほかのネコたちに渡していたのでした。
それで、村人たちが、このあたりの丘を「踊場」と呼ぶようになりました。
途中、ネコに関するクイズも織り交ぜながら、ネコ伝説を紹介した腹話術師の渡邉勉さん。
渡邉さんは、地域にいるノラネコの保護活動をしている愛猫家でもあります。
集まった人たちに、この伝説をみなさんも広めていってほしい、などと呼びかけました。
腹話術を披露した渡邉勉さん
「たくさんの人が聞きに来てくれてよかった。伝説は地元でも知らない人がいるので、講演を今後も続け、子どもたちに語り継いでいきたい」