ページの本文へ

  1. 首都圏ナビ
  2. かながわ情報羅針盤
  3. 新型コロナとアマビエ 上空400キロの宇宙から見守り続けて

新型コロナとアマビエ 上空400キロの宇宙から見守り続けて

  • 2023年05月18日

9か月の間、宇宙から私たちを見守っていた。
新型コロナウイルスの終息を願う人々の思いを背負って。

終息の願いを込めて

国内の新型コロナウイルスの新たな感染者が1万6700人ほどだった2021年9月3日。
この日、都内の宇宙関連企業によってあるプレートが作られた。

縦6センチメートル、横3センチメートル、厚さ0.5ミリメートルのアルミ製。
描かれているのはアマビエだ。

一見すると、かわいらしいキーホルダーのような何の変哲もないこのプレートだが、ある文字も彫られた。

「疫病退散」

新型コロナの終息を願う人々の思いが込められた。

上空400キロから見守って

都内の宇宙関連企業が、さまざまな材質や写真などを宇宙空間にさらす実験を行っていた。
その場所は上空400キロの宇宙空間にある「国際宇宙ステーション」。

「新型コロナが終息するよう、宇宙から見守ってほしい」

そんな思いから、アマビエのプレートを打ち上げる計画が進められた。

そして宇宙へ

2022年2月。
アマビエのプレートは、木材や接着剤などと一緒にNASA(アメリカ航空宇宙局)のロケットで国際宇宙ステーションへと打ち上げられた。

その後、プレートは、国際宇宙ステーションの船外にある実験用の装置に取り付けられ、紫外線などを浴びながら、およそ90分で地球を1周する速さで宇宙空間を飛んでいた。

船外実験プラットフォーム(画像提供:JAXA/NASA)

見守り続けて9か月

2023年1月。
宇宙飛行を終え、無事に地上に戻ってきた。

アマビエのプレートを打ち上げた宇宙関連企業によると、宇宙飛行士の若田光一さんが船外に取り付けられていたプレートを取り外したという。

若田光一さん(画像提供:JAXA/NASA)

江島神社に奉納

2023年4月7日。
天をつかさどるとされる龍神にちなむ伝説が残る藤沢市の江島神社。
ここに、宇宙飛行を無事に終えたアマビエのプレートが奉納された。
4月26日から境内の奉安殿(有料)で一般公開されている。

奉納されたアマビエのプレート 色が変化している

5月に「5類」に移行した新型コロナウイルス。
感染が拡大したこの3年あまり、私たちは多くの影響を受けた。
しかし、コロナはまだ完全に終息したわけではない。
神社によると、アマビエのプレートの拝観に訪れる参拝客も少なくないという。

江島神社 相原圀彦宮司
「プレートは午前8時半から午後5時まで拝観することができます。宇宙から帰還したアマビエ像にあやかって、新型コロナが1日も早く終息するよう願っています」

問い合わせは江島神社(0466-22-4020)まで。

  • 中村早紀

    鎌倉支局 通報員

    中村早紀

    2015年、湘南エリアのニュースや話題を担当する通報員になる。ケーブルテレビや雑誌なども合わせると鎌倉の取材歴は約17年。「カメラを手に取材に駆け回っています。気軽に声をかけてください」

ページトップに戻る