現在放送中のNHK大河ドラマ「どうする家康」。神奈川県平塚市では、大河ドラマを通じて地域を盛り上げようという動きが広がっています。4月中旬、家康と平塚との関係を解き明かすツアーが開催されたので同行してきました!
取材:佐々木美佳キャスター
平塚市が家康ゆかりの地であることを知ってもらおうと、観光協会が開催したツアーには、
市内外からおよそ20人が参加しました。
平塚市観光協会 松山明彦さん
「家康がどうして平塚?」という事は、みなさんおっしゃっていたので、
平塚と家康の関係というのを、みなさんに知っていただこうと開催しました。
中原小学校のあたりにかつてあったのが「中原御殿」
家康が鷹狩りの拠点とし、宿泊施設として造ったと言われています。
現在も、このあたりの地名には、この「御殿」が使われています。
絵馬?すごーい
家康が鷹狩りをしている様子を描いた絵馬が飾られています。
およそ20年前から平塚市で開催されている「鷹狩り行列」を記念して、神社の氏子さんによって描かれたものです。
地域の人にとって、家康は身近な存在で愛されているのを感じます!
別名 「おちゃやでら」とも呼ばれています。
家康が、境内にある井戸の水で入れたお茶を気に入り、度々訪れていたと伝わっています。
ツアーの昼食に出てきたのは『家康弁当』!
メニューには、鷹狩りをイメージした鶏肉、それに天ぷらなど、家康が好きだったとされる
具材が詰め込まれています。
観光協会の呼びかけで始まった弁当づくり。
江戸料理研究家の柳原尚之さんのアドバイスも得て、 市内の8つの飲食店が、
独自の「家康弁当」を創作しています。
鳥があったり、茄子があったり、おいしく食べています。
すごく食べやすくて、おいしいです。家康は美食家だったのかな。
家康弁当を創作した 水嶋一耀さん
そっくり再現すると、おいしくないってことが多いので、
おいしい弁当を作ろうと!
家康が食べたであろうと思うような食材をなるべく使って、
ほんのり、戦国の頃を思い出しながら食べてもらえればいいなと思います。
かつて、この地域で作られていた酢を、家康が気に入っていたと伝わっています。
観光協会では、この酢を、なんとか現代に再現できないかと、 東京農業大学の穂坂賢教授に、
製造の協力を依頼。穂坂教授は、江戸料理研究家の柳原尚之さんなどとも協力して、
古い文献を参考にしながら、去年11月から、研究室で製造を行いました。
東京農業大学 穂坂賢教授
時代が違うし、もしかしたら、今のお酢と違うのは、ツンとくるような酢酸の酢ではなくて、お酒に近いようなところのものがお酢としてあったのではないかと推測しながら、再現にトライしました。
繰り返し繰り返しやっていけば再現性も高くなって、伸びしろは十分あると思います。酢が1つの平塚の新たな起爆剤になれば嬉しいです。
家康弁当と酢の再現に携わった 江戸料理研究家の柳原尚之さん
料理の再現は、家康の時代の資料も乏しいため、料理人さんに江戸時代の料理の考え方や調味料の違い、使ってよい食材・わるい食材などの情報を共有して進めました。お弁当には、何か、いわれを必ずどこかにいれることを取り決めとして、お弁当を作ってもらいました。
江戸時代に好まれた酢は、現代には残っていないため、新しい食酢としてこれから広がっていけば良いなとも思っています。
ツンと来なくて飲みやすい
まろやか
大河ドラマ「どうする家康」を通して、盛り上げようと思っておりますので、ぜひ、1度、平塚にお越しいただいて、良さを知っていただけたらなというふうに思っています。今後もツアーは、開催していく予定です。