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相模原市議会議員選挙 各会派の主張や争点まとめ 現市政評価は

  • 2023年03月22日

4月9日投開票の相模原市議会議員選挙。
46人の定員に対して、これまでのところ64人が立候補の意向を示しています。
相模原市議会に5つある会派ごとの主張をまとめました。
※3月20日現在の情報です。今後変わる可能性があります。

人口は増加傾向も進む高齢化

人口はおよそ72万人。増加傾向が続く一方、高齢者が占める割合は2022年1月時点で26.6%と、県全体の25.8%を上回っています。
財源の余裕度を示す「財政力指数」は、0.88と県内33市町村の平均0.92を下回り、11番目に低くなっています。
リニア中央新幹線の県内唯一の駅が設置される予定です。

3区すべてで選挙戦の見通し

相模原市役所

今回の相模原市議会選挙には、定員46人を18人上回る64人が立候補の意向を示しています。
(※3月20日現在)
区ごとに分かれている3つの選挙区では、そのすべてで定員よりも多くの候補者が立候補の意向を示していて、選挙戦となる見通しです。

相模原市議会には5つの会派

市議会には、議会で活動を共にする「会派」という議員のグループがあります。
同じ主義・主張や理念を持った議員が集まって結成するもので、同じ政党に所属する議員で構成されるのが一般的です。
一方で政党に所属していない議員同士で会派を組んだり、複数の政党で1つの会派を構成したりすることもあります。
相模原市議会では現在、会派の結成に2人以上の所属議員が必要だとしていて、5つの会派があります。

各会派の主張は

この「会派」ごとに、選挙を通じて訴えたい主張を聞きました。
質問項目は4つです。
①今回の選挙戦で訴えたいことは
②今回の選挙における争点は
③会派としての目標は(獲得議席数など)
④本村市政をどのように評価しているか

▼自由民主党相模原市議団 14人

①今回の選挙戦で訴えたいことは
・“稼ぐ力”の強化に向け、産業力強化・人材育成への取組み。
・地域活力の創生に向け、都市機能の集積と交通利便性向上への取組み。
・教育環境・子育て支援の強化(放課後児童クラブの拡充、子育てのワンストップサービス化等)
・デジタルの活用による業務の効率化を進め、「未来への投資」を考慮に入れた行財政構造改革。

②今回の選挙における争点は
・人口減少、高齢化・少子化が進む中、どのように地域の活力を維持・向上させるか。
・首都圏に位置する政令市として、相模原市の位置付け・魅力をどのように発信していくか。
・地域間格差(高齢化、子供の学力、交通手段等)をいかに解消するか。
・DX、GXなどの“社会の要請”に対して、どのような取組みを進めるか。

③会派としての目標は(獲得議席数など)
・相模原市議会において、第1会派(最大会派)の確保(自民党公認・推薦候補の全員当選)
・行政に対するチェック機能を果たすのみならず、市民生活の将来を見据えた条例づくり・施策提示を積極的にできる議会のリーダーとしての役割を果たす。

④本村市政をどのように評価しているか
就任当初にあって、豪雨被害に見舞われ災害対応に注力しなければならなかった。その後、コロナ対応に従事せざるを得ず、独自のカラーを発揮することができなかっただけに、その評価を与えることは難しい。災害対応、コロナ対応がひと段落した今、10年先、20年先の「将来の相模原像」を示す必要があるのではないか。

▼市民民主クラブ 13人

①今回の選挙戦で訴えたいことは
これまで子育て支援、教育の問題に注力してきた。例えば、小児医療費助成の拡充と所得制限撤廃、中学校の完全給食等、様々な政策を提言し、実現してきた。市民目線で、かつ弱き側に立つという姿勢で、各自各々の問題意識を元に訴えていく。

②今回の選挙における争点は
本村市政の継続か否か。

③会派としての目標は(獲得議席数など)
現在13人会派を組んでいるが、同じ方向を向いていける仲間が15人立候補予定である。全員当選を目指し、第一会派を目指していく。

④本村市政をどのように評価しているか
市長が変わったことで、今までの市政の不透明な部分が明るみになった。本村市長の最大の功績だ。行財政改革等、先送りできない課題への取り組みも評価している。災害やコロナ対応に追われていたが、4年間の補正予算の上程数からも、迅速な対応が素晴らしい。

▼公明党相模原市議団 8人

①今回の選挙戦で訴えたいことは
下記の政策を確実に推進してまいります。
・高校3年生までの医療費助成の早期拡大と完全無料化
・学校給食の無料化
・行政の効率化による住民サービスの向上
・リモート診療の充実など、保健医療対策の充実
・自然災害に強い街づくりの推進
・物価高から、暮らしを守る対策
・最低賃金の更なる引き上げ
・がん・うつ・認知症対策

②今回の選挙における争点は
長いコロナ禍によって、市内経済への影響や、地域コミュニティの希薄化、物価高騰による生活への影響、激甚化する自然災害など課題が山積している。また、急速に進む少子高齢化の中、持続可能な都市運営が求められているこれらの課題に対して、市・県・国のネットワークによる実現力、実行力が問われている。

③会派としての目標は(獲得議席数など)
市民の皆様のお声をしっかりとお聴きし、状況を把握し、市政に届け、実現していくため、今回の選挙では、現有議席の8議席を死守してまいりたい。

④本村市政をどのように評価しているか
就任一年目に、本市は東日本台風により甚大な被害を受け、その後3年間にわたり新型コロナウイルス感染症の対策に追われ、行財政構造改革の期間に重なったこともあり、独自の政策については、なかなか手が付けられなかった感はある。その間の市民の生命と健康を守る対応、市民との対話を地道に進められたことは評価できる。

▼日本共産党相模原市議団 4人

①今回の選挙戦で訴えたいことは
子育て応援・くらし応援・しごと応援の「3つの応援」を実現し、いのち・くらし優先の相模原を目指すことを訴える。また、市民の利益に反することには、異議ありの声を上げる存在として、党議員の必要性を訴える。また、岸田政権が進める大軍拡は、米軍基地がある相模原市の脅威となることから、反対の声を共に上げていく。

②今回の選挙における争点は
市は、リニア駅設置に伴う橋本駅整備推進事業などの大規模事業を進める一方、行財政構造改革プランに基づく行政サービスの削減や、公共施設使用料の値上げ等を行い、市民に負担を押し付けている。大型開発推進か、それとも、物価高騰で苦しくなっている市民の生活に寄り添い、福祉の向上や教育等の充実を図るかが問われる。

③会派としての目標は(獲得議席数など)
現有4議席から、1議席増の5議席を目指す。日本共産党は、市長提案に是々非々の立場で臨み、市民の利益にならない提案には反対してきた。また、いわゆるオール与党体制の議会の中で、大型開発優先の予算・決算には、唯一反対してきた。引き続き、市政のチェック機能として、市政の様々な問題をチェックし、追及していく。

④本村市政をどのように評価しているか
台風被害や新型コロナ拡大があり、行政運営上、極めて大変な1期目だったと思う。そういった中で本村市長は、市民との「対話」を重視すると言っていたが、行財政構造改革プランや公共施設の廃止、リニア駅建設に伴う(仮称)大西大通り線計画等では、市民の声を無視して推進しており、この点については評価できない。

▼颯爽の会 3人

①今回の選挙戦で訴えたいことは
政党に所属せず、しがらみのない無所属の立場で活動する女性3人の会派。議会のチェック機能を果たすべく、市長には是々非々で臨んでいる。市民に開かれた市政、エビデンスに基づく政策づくり、市民等との対話による課題解決とクリエイティブなまちづくり、市民に寄り添った市政の実現をめざし、積極的な提言を行っていく。

②今回の選挙における争点は
少子化や高齢化が進み、格差社会が広がっている。気候危機への取組も待ったなしである。市民に身近な自治体として、子どもの権利と人権を保障し、安心が感じられる市政と未来志向のまちづくりを実現できる選択となるか。また、議会が二元代表制としてのチェック機能を果たし、多様な意見を反映できる議員構成になるか。

③会派としての目標は(獲得議席数など)
3人全員当選。無所属で立候補しながら、当選後、政党に所属する方もいるが、無所属を貫き、市長に対して是々非々で臨むわが会派の姿勢に共感する方が当選された場合は、ともに活動できればと思う。

④本村市政をどのように評価しているか
前市長時代の数々の大型事業を選択と集中の考え方のもと見直した点、大量の産廃の発出で暗礁に乗り上げていたA&A事業の課題を整理し、事業推進の目処をつけた点、積極的に情報を公開し、市政の透明性を高めた点等は評価する。一方で、行財政構造改革プランや橋本駅南口のまちづくりには懸念を覚える。注視していきたい。

投票は4月9日

相模原市長選挙は統一地方選挙の前半、4月9日に投票が行われ、即日開票されます。
神奈川県知事選挙、相模原市長選挙、県議会議員選挙、横浜市と川崎市の市議会議員選挙も同じ日に行われます。

選挙の情報は特設サイトでも

NHK横浜放送局では、統一地方選の情報を特設サイトでも発信しています。
神奈川県知事選や相模原市長選、県議選や横浜、川崎の市議選などの情報も順次アップしていきますので、ぜひご覧下さい。

  • 高橋哉至

    横浜放送局 厚木支局記者

    高橋哉至

    2018年(中途採用で)入局。 初任地の宇都宮放送局では 警察や司法、支局取材を担当。 2021年11月からは厚木支局で地域の課題やスポーツ関連の話題を取材。

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