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バスケ・Bリーグ 川崎ブレイブサンダース 司令塔の2人に聞く

  • 2023年03月20日

男子プロバスケットボールリーグのBリーグ。中地区では、神奈川県の2チームが首位争いを繰り広げており、1位・川崎ブレイブサンダース、2位・横浜ビー・コルセアーズ。どちらも成績は26勝16敗と勝率では並んでいます。(3/20時点)
シーズンもいよいよ終盤戦に突入。両者の直接対決もまだ控えていて、目が離せない戦いが続いていきます。川崎ブレイブサンダースのチームの顔ともいえる、司令塔の藤井選手&篠山選手に今シーズンのこれまでの戦いやこれからの意気込みなどを聞きました。

川崎と横浜の今季の直接対決は、互いに1勝1敗。川崎98-60横浜(2022/11/30)、横浜81-78川崎(2023/3/15)。

藤井選手に聞く

藤井 祐眞(ふじい・ゆうま)
島根県出身・31歳(1991年生)。身長178センチ。ポジションポイントガード兼シューティングガード。高い得点能力と守備力に加えて、豊富な運動量を持ち合わせ、闘志あふれるプレーでチームを引っ張る。昨シーズンのレギュラーシーズン最優秀選手賞(MVP)。

苦しかった前半戦

今シーズンは前半戦、すごくシュートが入らないことがあったりして、個人としてすごく苦しかったです。今まで練習してきて何本も何本も打ち続けてきたものなので、いつかは入るとそう思いながら打ち続けて、今はシュートの確率も上がっています。その時は自信がなくなるぐらいだったのですが、チームメイトが、「打て!」って言ってくれていて、そういう仲間の声掛けが助けになりました。
チームとしても、なかなか同一カードの連勝がなかったり、勝ち星を重ねられない中でけが人もいたりして、前半戦すごく苦しんだのですが、着実にチームは成長していっています。
チームスポーツなのでうまくいかないこともありますし、コミュニケーションのエラーやミスも起きるスポーツですけれども、そういう時に、誰かのせいにするのは簡単ですが、それをしっかり自分と仲間で向き合っていくのが大切だと思いますし、仲間でたすけあって、しっかりコミュニケーション取り合っていくことがチームだと思います。
これから同一カードの連勝が、チャンピオンシップにむけて大事になってきます。一つも落とさないぐらいの気持ちを持っておかないといけないと思っています。

--横浜との首位争いへの意識はありますか?

横浜ビー・コルセアーズはいいチームだなと思います。河村選手(横浜ビー・コルセアーズのポイントガード・河村勇輝選手 記事はこちら)がチームを引っ張っていてあれだけ活躍しているのは本当にすごいなと思うので、やっぱり負けたくないですし、特に順位の争いをしているので、直接対決は絶対に負けない気持ちで戦います。
もちろん、マッチアップしたときなんかは、河村選手にやられない、チームとしても河村選手を止めることが勝利に直結する、そんな選手なので、そう意味では意識はします。

序盤からアグレッシブにプレーすることが大切

日々の試合やプレーの中で意識していることは、試合の入りからアグレッシブに行くことです。そこでシュートを決めて、ガンガンいって、自分のリズムが取れたときは、何本打っても入るんじゃないかというメンタルになっていくので、試合の入りで、アグレッシブにいって、そこでリズムをつかむようにしています。

--試合ではどんなところに注目してほしいですか?

コートの中で一番身長サイズのないポジションのポイントガードは、運動量も多いポジションなので、どこにでも顔を出して、どこにでもいる、そんな運動量やバスケットの激しさを見てほしいです。

篠山選手に聞く

篠山 竜青(しのやま・りゅうせい)
横浜市出身の34歳(1988年生)。身長178センチ。ポジションはポイントガード。抜群のリーダーシップと味方を生かす的確なゲームコントロールが魅力。2019年には日本代表キャプテンとしてワールドカップ出場に導いた。チームの顔としての露出やファンサービスなども積極的に行っており、チームの社会貢献プロジェクトのアンバサダーも務める。

--チームの状況はいかがですか?

勝ったり負けたり、いい試合も悪い試合もありながらのシーズンです。なかなか波に乗り切れない、連勝を伸ばしきれない部分もある中で、地区の1位2位を争うところに何とかいられていることはすごく幸運なことだと思いますし、これまで出た課題を一つ一つつぶしていけば、必ず優勝のチャンスはある、そういう力はあるチームだと思うので、これからは、これまでの課題だったり、伸びしろをどこまでチームで伸ばしていけるかがカギになると思います。

バスケのストレスはバスケでしか発散できない

長いシーズンなので、どんな勝ち方や負け方であろうと、次の試合はやってきますので、次の準備をしないといけなくて、本当に目まぐるしいです。そこで一つのことにとらわれすぎないこともすごく重要です。
だからといって、すべてをなあなあにすると成長につながらない。気持ちの切り替えとか、今自分たちに必要なことは何なのか、それはどういうコミュニケーションが必要で、何に取り組むべきかの整理整頓で、そういう部分は、感情とは違う部分で冷静に向き合わないといけないです。そういう一喜一憂しすぎないということは意識しています。
持論ですが、カラオケに逃げようが、お酒に逃げようが、仕事のストレスは仕事でしか発散できないと思っています。結局は、仕事上で抱えるストレスなので、バスケットボールで抱えるストレスはバスケットボールでしか発散できないです。
とにかく毎回毎回改善していくという気持ちで、次の試合や練習に臨むしかないし、そうすると、真っ向勝負といいか、前向きに取り組むという気持や、逃げない気持ちが大切になるかなと思いますし、そういう考え方が、自分には合っていると思っています。

横浜との直接対決は重要な試合になる

お互いにここから残っている試合の中で対戦相手の上位チーム下位チームのバランスもそれぞれ違うので、いまの首位争いを過度に意識していることはないですが、間違いなく言えるのは横浜ビー・コルセアーズさんとの直接対決は重要な試合になるということです。

日本を引っ張ってきた篠山選手ならではの河村選手への思い

河村選手はすごい成長曲線を描いている中で、ビーコルさんだけでなく、リーグもスターとして、顔として、これから彼をマネジメントしていきたいだろうし、それに値するプレーヤーだと思います。Bリーグ自体も未来は明るいと思いますね。それに刺激を受けて、彼以外の若い世代の選手が、スタンダードを上げてほしいと思います。
ただ試合に出て、お金もらって、試合に出られなくなったらまた移籍して、高い給料のもらえるところに行くだけじゃなくて、若い世代で、Bリーグをレベルアップさせていく気概をもってほしいし、そうなるように河村選手を筆頭にその世代を上手にマネジメントしていってほしいし、バスケット界全体が盛り上がっていけるようにしてほしいです。河村選手自身はすごくたいへんな立場になるでしょうけど、楽しんでやってほしいなと思います。

バスケ界の盛り上げや地域貢献活動を大切にしている篠山選手、その原動力についても聞きました。

バスケットボールというコンテンツを使って自分の価値を高めたいというのが根っこにあるのだと思います。僕らが若いころは実業団リーグしかなかったですし、いくらマイケル・ジョーダンが来たって、スラムダンクが流行ったって、国内のバスケが波に乗れない歯がゆいところも見てきました。
いまはプロリーグができて、少しずつ露出が増えて、子どものころから自分が持ってきた、「もっとバスケって面白いのに」っていう思いを爆発させられている状況です。
その中で川崎ブレイブサンダースの認知度、価値が上がれば、そこに所属している選手、僕の価値が上がるでしょうし、Bリーグの価値が上がれば、Bリーガーとして僕の価値も上がるでしょうし、日本でのバスケットボール選手の価値も上がると思うので、そういうふうに考えていろいろ楽しませたいですし、盛り上げたいです。

川崎ブレイブサンダースはクラブとしてSDGsに取り組むプロジェクト「&ONE 」(アンドワン)を発足していて、篠山選手はそのアンバサダーを努めています。

「&ONE 」プロジェクト
川崎ブレイブサンダースが2020年9月より推進するSDGsプロジェクト。ホームゲームでのフードドライブ、ウォーキングラリーの開催、ハーフタイムを活用したパフォーマンスの場の提供など様々な活動を行っている。3月18・19日には「&ONE days」と題したSDGsについて学び体験するイベントが開催された(とどろきアリーナ/催し物広場)。

社会貢献活動も自己実現、価値を高めるということでは同じです。社会貢献活動をしていくことで、スポーツがそんなに好きでなくても、SDGsなどの角度から自分たちのことを知ってくれる人も絶対にいますし、SDGsを掲げることでスポンサーになってくださる方や企業もいると思うので、そういった意味でも当然のことです。
リーグ自体も地域密着を大事にしていますし、「応援してください」「試合見に来てください」というだけではなく、自分たちから地域に出ていくことで、地域に密着していけると思うので、プロとして当然やらなくてはいけないことだと思います。
川崎には、川崎フロンターレというお手本の先輩クラブがあるので、いい意味で真似をしたり、一緒にアクションを起こしていくことで、地域への貢献につながると思っています。

試合での注目ポイントと意気込みを聞きました

本音で言えば全部を注目してほしい。僕が出場しているときに僕が何をしているかを見てほしいです。僕が出ているときにはボールがよく動くとか、オフェンスもディフェンスも流動的になるとかそういった部分を見る余裕がもしあれば、見てもらえると嬉しいです。
チャンピオンシップにはいくけど、ファイナルまでの壁が厚いという経験をここ数年してきて、なんとかその壁を打ち破れるように、ここまで出た課題をしっかり意識して、戦っていきますので、とどろきアリーナに来ていただいて、一緒に戦っていければいいなと思います。それができなくてもバスケットライブ(配信)などでも見ていただいて力を送っていただければなと思います。

神奈川県の2チームが地区の首位争いを繰り広げるBリーグ。地区の上位2チームはチャンピオンシップ(プレーオフ)に進むことができます。終盤戦もまだまだ目が離せません。

  • 髙見彰良

    NHK横浜放送局 経営管理企画センター

    髙見彰良

    2014年入局。2020年から横浜放送局勤務。2021年5月からはデジタルを中心に地域の課題や魅力の発信に取り組む。

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