今年2月に川崎市立御幸小学校で「u&i」ステージワークショップが開催されました。イベントにあわせて「ツバメ」ミュージックビデオの収録も行いました。イベントやミュージックビデオ収録の様子をお伝えします!
「u&i」は発達障害などの困難がある子どもたちの特性を知ることで、多様性への理解を深めるEテレの子ども番組です。
番組の公開イベントとして、川崎市立御幸小学校で「u&i」ステージワークショップが開催されました。ワークショップでは「u&i」のキャラクターたちが繰り広げる物語を楽しみながら、出演者たちと一緒になって悩みを抱えている子どもの特性を知り、自ら考え学ぶことを目的としています。
今回のテーマは「聴覚障害」。イベントでは、聴覚障害のある友達の“ココロの声”に耳を傾けながら、子どもたちがその悩みや特性を知り、どうしていくのがいいかを考えます。
まずスクリーン映し出されたのは「u&i」の番組の映像。聴覚障害のあるユウさんと健常者のアイちゃんの二人のやり取りから始まり、ユウさんが耳が聞こえないことを知らないアイちゃんはユウさんに無視されたと勘違いをしてしまいます。
アイちゃんは心の声が聞こえる不思議な電話でユウさんが耳が聴こえないこと、そして聴覚障害のあるユウさんの日常生活を知ることに・・・。
続いて登場したキーロンとミドリンが耳が聞こえない子ども達と出会った時のために、声を使わないでコミュニケーションをしてみよう!と呼びかけます。
声を使わずにコミュニケーション・・・そんなこと出来るの?子ども達の疑問をよそにキーロンとミドリンから提案されたのは「声を使わずに伝えよう ゲーム」。お題①~④を30秒間で覚えて、隣の友達にジェスチャーのみで伝えます。ジェスチャーで伝える時間はなんとたったの1分間。
バナナを食べているおじいさんがバナナを全部ゴリラに奪われるというあまり目にすることのないシチュエーションに子ども達の目にも焦りの色が。一生懸命ジェスチャーしても伝わらず、声を出せないもどかしさを感じているようでした。
しかし、クイズの回数を重ねることで少しずつジェスチャーが伝わり出した様子。友達の回答に一喜一憂しながら、正答率は少しずつ上がってきました。
クイズの最後にキーロンは子ども達に「声を使わなくても気持ちは伝えることが出来る」ということを伝えます。
「そうだよー!自分の気持ちや想いは、声が無くても伝えられるんだよー」元気な声がステージから聞こえてきました。
ステージには「u&i」の番組VTRにも出演していたユウさんと手話通訳のお二人が登場。
その後のアイちゃんとの交流も教えてくれました。アイちゃんは少しづつ手話を覚えてくれているようで、最近は二人でダンスをして遊んでいるそうです。ステージではキレッキレな踊りも披露してくれました。
続いて行われた手話のクイズでは、「牛乳」や苗字の「井上」などが問題として出されました。一体この手話はどんな意味なんだろう、と会場は大盛り上がり。
10分間の休憩をはさんでイベント後半の部がスタート!後半は「ユウさんと話そうタイム」。
開始早々、たくさん手が挙がります。
子ども達からは「手話を教えてくれて嬉しかったし、もっと手話のことを知りたい」「声が聴こえない人とも友達になりたい」「手話でもっと会話をしてみたい」など多くのメッセージが寄せられました。
イベント最後には「こんな時どうする!?人生で使える!とっておき手話」のコーナー。急にトイレに行きたい場合、どうやったら手話で伝えられるかを考えるコーナーです。
子ども達からは色んな“トイレに行きたい!”が挙げられました。正解はアルファベットの「w」と「c」と表す手話がトイレを表すようです。手話が気になる方は是非、調べてみてくださいね。
今回、イベントには御幸小学校の4年生と特別学級のみなさん約150名が参加。クイズを通じて、楽しみながら聴覚障害のある友達の特性を知り、積極的に手話を学んでくれました。
「u&i」の番組内でこんなフレーズがあります。
「もっと知ったら広がるよ。もっと知ったら変われるよ。」
悩みや障害がある友達が身近にいることを知り、共に助け合いながら生きていく。
イベントに参加してくれた子どもたちがこれからもいろんな個性を尊重し、みんなで助け合いながら楽しい学校生活を過ごしてくれると嬉しいです。
SDGsこどもユニットとしてテレビやイベントで活躍中のミドリーズ。
「u&i」ステージワークショップにあわせて、ミドリーズの3人が川崎市内4か所を地域の皆さんと訪れました。
最初の会場は「u&i」ステージワークショップが開かれた御幸小学校。
続いて訪れたのは、川崎区の川崎ブレイブサンダースコート。ツバメミュージックビデオの収録には川崎ブレイブサンダースよりチアリーダーのIRISとキッズチア、サンダースキッズの皆さんとマスコットのロウル君が出演してくれました。
多摩区の川崎市岡本太郎美術館での撮影に出演してくれたのは、”ダンスを通して、障がいという垣根をなくしたい”ということを目標に川崎市で活動するダンスラボラトリーの皆さん、そして専修大学のブレイキンサークルの皆さんです。
最後の収録場所は川崎市役所。川崎市は「かわさきパラムーブメント」を掲げ、一人ひとりの個性を尊重し誰もが暮らしやすい社会、共生社会の実現を目指す取り組みを推進しています。
出演はSaori Artの皆さんと川崎市職員の皆さん。今回は特別にSaori織りをお借りして、市役所1階をSaori織りで彩りました。
実はこのSaori織り、元々は布の廃材です。障害のある方、そうでない方が思い思いに織るSaori織り。さまざまなバックグラウンドを持つ方たちが一つのアート作品を作ります。
以上、川崎市内4カ所で収録しました。
ご出演いただいた皆さん、ありがとうございました。
川崎市で収録した「ツバメ」ミュージックビデオは放送でもご覧いただけます。是非、ご覧ください!
放送予定
あおきいろ ツバメ川崎バージョン
3月11日(土)17時24分~25分 Eテレ
3月18日(土)17時24分~25分 Eテレ
3月25日(土)17時24分~25分 Eテレ
「u&i」はNHK for schoolでもご覧いただけます。
https://www.nhk.or.jp/school/tokushi/ui/