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藤沢市の2歳児虐待で死亡 児童相談所の会見詳報

  • 2023年02月22日
神奈川県と児童相談所の会見(2月21日)

2022年4月神奈川県藤沢市で、2歳の男の子に暴行を加えて死亡させたとして、27歳の母親が逮捕された事件について、神奈川県と児童相談所が21日に記者会見を開き、施設に入所していた男の子を自宅に帰した翌月に、事件が起きていたことを明らかにしました。会見の詳しい中身を伝えます。

児童相談所対応の経緯

県や児童相談所によりますと、男児が生まれたのは2019年の5月。
当時は神奈川県平塚市に住んでいました。
男児が生まれた当日、医療機関が児童相談所に対し「おむつなど、必要なものを準備しようとせず、新生児を迎える用意ができていない」としてネグレクトを通告しました。
そこから児童相談所の関与が始まったといいます。
以下、時系列でまとめました。

▼2019年5月28日
男児出生。
平塚市の医療機関から平塚児童相談所にネグレクトの通告

▼2019年6月3日
男児を乳児院で一時保護

▼2020年1月1日
一時保護から施設入所措置に切り替え

▼2020年8月
平塚市から藤沢市に転居

▼2021年4月
母親が男児を引き取る意向。引き取りに向けた支援プログラム始まる。

▼2022年3月31日
施設への入所措置を解除

▼2022年4月1日
家庭訪問

▼2022年4月23日
男児死亡

▼2023年2月21日
警察が母親を傷害致死の疑いで逮捕

自宅に戻った経緯は

施設入所の措置をとってから、母親とは連絡が十分に取れない状態が続きましたが、2021年4月には継続して連絡できるようになりました。
母親が男児を自宅に引き取りたいという意向を示したため、藤沢市や保育所、乳児院と連携しながら支援プログラムを始めました。

▼面会、外出、外泊と段階踏んで

まずは週1回の面会から始まり、一緒に外出したり、外泊したりと、段階的に一緒にいる時間を増やしていきました。
2021年11月には初めて自宅に外出しました。
男児は出発の時に泣くことはあったものの、施設に帰ってきたときには楽しそうだったといいます。
母親は子どもの気持ちに沿って対応していた様子だったということです。
大晦日には初めて1泊の外泊をしました。
その後外泊の期間を延ばし、家庭訪問をして様子をみたところ、困った様子はなかったということです。
1年の支援を経て、自宅に戻すことができると判断したと説明しました。

施設入所解除の翌日、ほおにあざ

施設入所を解除した翌日の2022年4月1日、乳児院の職員が家庭訪問しました。
左のほほに小さなあざを見つけましたが、母親は「どこかにぶつけてできた」と話したということです。
翌日以降は母親と連絡は取れるものの、発熱といった体調不良を理由に、面会の約束を何度もキャンセルされたということです。
4月15日には関係機関の会議を開催し、早期に母子と接触することを確認しました。
しかし、面会することはできず、児童相談所は自宅を訪問することもしませんでした。
男児は4月23日に死亡しました。

課題あったと考えている

県と児童相談所は今回の事案について、「非常に重く受け止めているし、とても残念なことと考えている」としています。

自宅に返してから男児が亡くなるまで、1回しか面会できなかったことについては「母親と子どもの体調を考慮していたが、安全確認の方法に課題があったのではないかと考えている。発熱があったとしても新型コロナ対応のマスクをして家庭訪問して会うべきだったという考えもある。反省点や課題があったと考えている。今後第三者の検証を予定しているのでしっかりと検証いただきたい」と述べました。

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