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津久井やまゆり園で初めて影絵に挑戦 共生社会の実現とは

  • 2023年2月20日

相模原市にある県立の知的障害者施設「津久井やまゆり園」。2016年7月26日、元職員が入所者19人を殺害しました。事件のあと建て直されたやまゆり園では、入所者の暮らしがより充実するよう、模索を続けています。初めて外部の劇団を招いて行った影絵の体験教室では、新たな発見がありました。

プロの劇団に教わって初めての影絵

津久井やまゆり園

津久井やまゆり園の建物は、事件のあとで建て直されました。
2021年8月から利用者が戻り、現在は重い知的障害があるおよそ60人が暮らしています。

影絵の体験教室

2022年9月からことし2月にかけて、横浜市にある影絵専門の劇団「かかし座」が、4回にわたってやまゆり園を訪れ、初めての体験教室を開きました。

手や指の動きで動物などを表現。
外部の人と一緒に創作活動に取り組むのは初めての経験でした。
影絵に一番夢中になったのが奥津ゆかりさんです。

奥津ゆかりさん

奥津さん
とても楽しかったです。もっと上手になりたいです。

新しいことへの挑戦が苦手でも

入所している人の多くは、人と話したり、新しいことに挑戦したりするのが苦手です。
普段は一緒に協力して何かをすることも、あまりありません。

職員の岸本美樹さん
決まったものを決まった通りにやることを、とても好むところがあるので、手先の運動などを、黙々としていらっしゃることが多いです。

奥津さんは体験教室のあとも、1人で練習を繰り返していました。
「富士山、トンネル、ウサギ。難しいです」。
私たちに練習の成果を見せてくれました。

みんなで協力 仲間を応援

2月6日に開かれた最後の体験教室。
ふだん協力が苦手な人たちが、みんなで力をあわせる姿がありました。

それぞれが力を合わせると・・・
バンダの顔が完成!

奥津さんも「ファイト」と声を出して応援し、完成すると大きな拍手を送っていました。

入所している人の中には、指を動かしたり、腕をあげたりするのが難しい人もいます。
せいいっぱい体を動かし、成功すると笑顔を浮かべていました。

奥津さん
1人1人個人差があって、やれるところとやれないところがあるのですが、そこのところを「こうやるんだよ、ああやるんだよ」って示してくれました。以前よりももっと、きょうはうまくできたなと思って、感動しています。

ことばなくても気持ち通じた

劇団の人たちは一緒に影絵をつくることで、ことばがなくても互いの気持ちが伝わったといいます。

「かかし座」飯田周一さん
影絵を自分が動かしてるというのが見えた瞬間に、ぱって目があいたり、笑顔になったりする瞬間がすごく見えてきました。僕がすごく楽しんでやれましたし、皆さんもそれに応えてすごく楽しんで下さっていたと思います。

みんなで協力して初めて作り上げた影絵。たくさんの笑顔が生まれました。
ふだん接している岸本さんも、見たことがない表情だったといいます。

岸本さん
日頃やっている活動の中では、「やったぞ」っていう達成感の表情はなかなか見られないので、そういう表情がいっぱい見られたのはとてもすてきでした。これからも積極的に外部の人たちと関わっていって、活動の幅を広げていきたい。困難なだけではなく、すてきなところもいっぱいあるんだっていうところが、皆さんに伝わっていけばいいなと思います。

  • 古賀さくら

    横浜放送局 記者

    古賀さくら

    横浜局、前橋局を経て、現在は横浜局で主に県政を担当。 新型コロナウイルスへの対策をはじめ、医療や介護福祉分野を精力的に取材。

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