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神奈川県知事選挙 現職と新人が立候補表明 それぞれの政策は

  • 2023年03月16日
左から黒岩氏、岸氏、大津氏

2023年4月に行われる神奈川県知事選挙に、現職で自民党と公明党、国民民主党の県組織が推薦する黒岩祐治氏と、新人で共産党が推薦する岸牧子氏、それに政治家女子48党党首の大津綾香氏が立候補の意向を表明しました。それぞれが主張する政策をまとめました。
(※告示前の主張です)

黒岩氏「県民目線のデジタル改革を推進」

3月13日 県庁

黒岩祐治氏は68歳。
フジテレビのニュースキャスターなどを務めたあと、2011年の県知事選挙で初当選し、現在3期目です。
自民党神奈川県連と、公明党神奈川県本部、国民民主党神奈川県連の推薦を受けています。
3月13日に県庁で記者会見し、政策を発表しました。

▼3期目を振り返って

黒岩氏

この3年間は新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船、ダイヤモンドプリンセス号が横浜港にやってきたことに始まり、コロナ対策に追われる日々だった。外部の専門家と一体となって、在宅で検査からすべてが終わるような、神奈川モデルの医療体制を提供できた。
津久井やまゆり園事件という非常に悲惨な事件を受けて、障害者福祉のあり方を見直し、当事者目線の障害者福祉推進条例を作り上げることができた。

▼政策のテーマは

黒岩氏

「県民目線のデジタル行政で優しい社会を実現」を4期目のテーマにする。皆さんのいろいろな悩み事や困り事、不安な事を1人1人の目線に立って解決する道具がデジタルだ。デジタル革命を進めることで、優しい社会を目指したい。

▼具体的な政策は

●少子化対策・子ども政策
少子化に歯止めがきかない背景にあるのは不安。経済的な不安のほか、核家族化が進む中で「自分たちだけでそだてられるのか」という不安もある。LINEを使って、子育ての悩みなどにきめ細かく対応していきたい。
●危機管理
デジタルを活用して、水害時の逃げ遅れをゼロにする。例えば浸水予測図と移動が困難な人のデータを掛け合わせ、このエリアの人はどの時点で、誰が助けに行ってどこに避難するのか、プッシュ型でお伝えできるようにする。
●産業・地域活性化
さがみロボット産業特区を勝ち取り、企業を全国から誘致してきた。近くにはJAXA=宇宙航空研究開発機構がある。これからは宇宙の時代。宇宙関連産業クラスターの形成を強化していく。
●共生社会政策
当事者目線の障害者福祉を進め、共生社会を実現する。虐待が明らかになった県立の障害者施設「中井やまゆり園」の改革を進める。老朽化して住民も高齢化している県営団地で、合唱などを活用しながらコミュニティーを再生させる活動も全県に広げていきたい。
医療介護政策
デジタルの力で未病(みびょう=病気と健康の間の状態)改善を進める。マイME-BYOカルテ、未病アプリなどを活用していく。認知症にも特別なプロジェクトを組んで取り組む。

岸氏 「再生エネルギー100%を実現」

3月15日 県庁

岸牧子氏は66歳。
中学校教諭を経て、神奈川県横須賀市で再生可能エネルギーの普及や、憲法9条を守るための市民活動などを行っています。
共産党の推薦を受けています。
3月15日に県庁で記者会見し、政策を発表しました。

▼現県政への評価は

岸氏

気候危機に対する対応が実効性、規模、スピードとも不十分。横須賀市の石炭火力発電所の稼働に対して、反対や中止を求めないのは本気度がない証だ。
神奈川県は財政力が3位の県なのに、教育や社会保障、医療に関しては全国で最下位クラスを放置している。人権の分野でもヘイトスピーチやLGBTQなど、多様な生き方に関わる施策も遅れている。全国第2の基地県なのに、政府の軍拡や敵基地攻撃能力の保有も容認している。知事は平和、暮らし、人権、気候といった喫緊の課題に向き合っていない。

▼政策のテーマは

岸氏

「『再エネ100%宣言』 People Powerでつくる、未来にわたり命と暮らしを守る神奈川」をテーマに掲げる。安保3文書が閣議決定され、戦争か平和かの分岐点に立っている。人々の力で憲法に基づき、地方自治の力を十分に発揮する県政に転換していく。

▼具体的な政策は

●再生エネルギー100%
横須賀市の石炭火力発電所の稼働を止めるとともに、排出量の多い企業や事業者に削減計画を出してもらって、指導や助成を行っていく。再エネと省エネを組み合わせて実現を目指す。エネルギーの自給率を高めて富を地域に循環させるとともに、新しい雇用も増やす。
●子どもの成長支援
親の財力に関係なく子どもが学べる社会がとても大事だ。神奈川では財源が許す限り、医療費と教育費を無償に近づけることを柱にする。学校給食も無償に。県内の学生への給付金制度も創設する。
同性パートナップ条例を制定、ジェンダー平等のため、男女の賃金格差の是正に取り組む。
●医療健康・物価高騰対策
新型コロナや新たな感染症から県民の命と健康を守るため、県内の医療・保健所体制を抜本的に強化する。県立病院の医師・看護師を増員する。公共交通機関の利用実態を調査し、高齢者の望む交通権を確保するほか、補聴器の購入に2万円を補助する制度を創設する。
最低賃金を全国一律で1500円に上げることを要望していく。
●憲法9条で平和を
大軍拡や大増税にきっぱりと反対し、ほかの都道府県とも連携して神奈川独自の平和外交を広げる。アメリカ軍横須賀基地の原子力空母の母港化の撤回や、オスプレイの飛行・配備の中止、有機フッ素化合物に対する調査などを求めていく。基地の縮小・撤去を求める。

大津氏 「女性の政治参加を進める」

3月16日 県庁

大津綾香氏は横須賀市出身の30歳。
建築デザイナーとして働くかたわら、ことし1月に政治活動を始め、3月に政治家女子48党の党首に就きました。
3月16日に県庁で記者会見し、立候補を表明しました。

▼現県政への評価は

大津氏

高校生まで横須賀市や逗子市で育った。神奈川は自然が豊かで大好きだ。いまは都内に住んでいて、神奈川のことは調べていないのでよく分からない。黒岩知事が何をしていたか、それについてどう思うか聞かれても私には答えられない。黒岩知事を打ち倒してやろうという気持ちで出てきておらず、党の宣伝をしたいと考えている。

▼知事として実現したいことは

大津氏

ガーシー元参議院議員のことでもそうだが、オンライン化を進めれば女性も働きやすくなる。知事になったら改革を進めていきたい。当選すると思っている方は誰もいないと思っているのでそこまで考えていないが、周囲に優秀な人がいるので助けてもらいながら答えを見つけたい。

▼訴えたいことは

政治家女子48党は、50名近くの女性が全国で立候補を予定している。シングルマザーやバリバリのキャリア女性、インフルエンサーなど、いろいろな問題意識を持った女性が集まって、サークルのように楽しく活動している。目的は女性をどんどん政治の世界に送り込むこと。難しいことや国政の事が分からなくてもいいと思う。地方選に出るので、地方のことを訴えていきたい。
女性同士であっても、私にはシングルマザーの気持ちや苦労は分からない。おじいさんにはもっと分かるはずがないと思っている。若い女性がどんどん立候補するべきだ。政治のハードルを下げて、私を見て「自分でも出られるんじゃないか」と思ってくれる人を増やしたい。
NHKの被害者を救うための活動は今後も続けていくので、これまでNHK党を支持していただいた方にも安心してほしい。

県知事選挙にはこのほか、無所属の新人で医師の加藤健一郎氏(73)も立候補の意向を表明しています。

神奈川県の課題は

神奈川県庁

神奈川県は、人口920万人あまり。
橫浜、川崎、相模原と全国で唯一、3つの政令指定都市があります。
一方で箱根や鎌倉といった観光地や、工業や農業が盛んな地域もあります。
東京のベッドタウンとして人口は増加し続けてきましたが、2021年には1958年の調査開始以来、初めて減少しました。
少子高齢化が今後急速に進む見通しで、人口減少が続く地域の活性化などが課題になっています。

投票は4月9日

神奈川県知事選挙は、統一地方選前半の4月9日に投票が行われる予定です。

選挙の情報は特設サイトでも

NHK横浜放送局では、統一地方選挙の情報を特設サイトでも発信しています。
神奈川県知事選挙や相模原市長選挙、県議選や横浜・川崎・相模原の市議会議員選挙など、随時アップしていきますので、ぜひご覧下さい。

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