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相模原・銀河の森プレイパーク 不登校の子にも居場所を

シリーズ「学校以外の居場所(4)」
  • 2021年09月06日
画像提供:相模原市

「学校に行ける気がしない、でも、行かないのも苦しい」
不安な気持ちを抱える子どもたちが安心して過ごすことができる居場所を紹介する「#学校ムリでもここあるよ」キャンペーンが、子どもの居場所作りに取り組むNPOなどで作る団体によって全国で行われています。(2021年8月19日から9月30日まで)NHK横浜放送局では、神奈川県内の学校以外の子どもたちの居場所などを取材して紹介します。

相模原市 銀河の森プレイパーク

自然の中の遊び場

広い森の中に、ベンチ、あずまや、工具入れ、そしてたき火の道具。遊び道具は、木にかかったターザンロープと、ブランコだけ。ここには公園の遊具はありません。いったいどんな場所なのか、プレイリーダーの高子未乃梨さんに話を聞きました。

画像提供:高子未乃梨さん

土を盛って山を作り、山から水を流して川を作り、最後にはそれを壊す。ひたすら泥だらけになって感触を楽しむ。枝やロープを使って森の中に秘密基地を作り、手作りの机を持ち込む。ここは、子どもの発想でどんどん遊びが広がっていく場所です。銀河の森プレイパークには、乳幼児から高校生までの子どもを中心に一日およそ100人が遊びに来ます。学校に通っている子もそうでない子もいて、年齢に関係なく一緒に遊ぶことが多いそうです。

画像提供:相模原市

子どもが主役

ふだんの生活で、子どもたちはたくさんの「してはいけない」に囲まれています。ものを壊してはいけない、危ないことをしてはいけない、水を出しっぱなしにしてはいけないなど。しかし銀河の森プレイパークは子どもがやりたいことができる環境だと、高子さんは言います。たとえばプレイパークで大人気のたき火。年長から小学生くらいの子どもたちが、自分でブロックを積み上げ、かまどを作り、枝などを燃やして火を絶やさないようにするそうです。高子さんは「家で火を触らせてもらえない子が多いので、かまどは大人気です。火を消さないように保つのは大人でも難しいんですよ。子どもたちが生きる力を学んでいると感じます」と話しています。

画像提供:高子未乃梨さん

こうした環境を実現する上で欠かせないのは、高子さんはじめ「プレイリーダー」と呼ばれる大人たちの存在です。プレイリーダーは子どもの代弁者だと高子さんは言います。どんなことでも子どもの目線で考え、たとえばいたずらした子がいても頭ごなしに叱ったりせず、まずその子どもの考えを聞きます。けんかをしても止めません。子どもたち自身に解決してもらうためです。子どものうちにいろいろな経験をして、そこで何を感じるかというのは大切なことだと高子さんは話します。プレイリーダーは、子どもがやりたいことを安全にできるように、子どもの力では予想できない危険を取り除いているそうです。たとえばプレイパークが始まる前に、子どもがはだしで遊べるように釘やガラス片など危ないものが落ちていないか調べて回ったり、折れそうな木や枝がないかを調べたりしているということです。

学校に通えない子どもの親の相談も

高子さんは、学校に行くのがつらいなどの理由で、学校に通えていない子どもの親たちからの相談を受けることもあるそうです。こうした悩みを打ち明けた親を、銀河の森プレイパークに来ていた放課後デイサービスの先生につないだこともあるということです。高子さんは「子育てやお子さんの発達障害の悩みの相談を受けることも多いです。森の中でたき火を見ながら話していると自然に心が解放されて、いろいろなことが話せるんでしょうね」と話していました。

銀河の森プレイパークプレイリーダーの高子未乃梨さんから子どもたちへ
「命を削るほどの無理をしてまで学校に行かなくていいと思います。ここに来るのに理由がないといけないとか、大きな子は来てはいけないとかそういうことはありません。寄るだけで良いですし、いつでもふらっとのぞきに来てください」

銀河の森プレイパーク(相模原市による冒険遊び場事業)
相模原市中央区弥栄3丁目 キャンプ淵野留保地
連絡先 NPO法人KIDS事務局 070-4497-4588
日・月・水の10時から17時まで

  • 佐藤美月

    横浜放送局 記者

    佐藤美月

    2010年入局。甲府局、経理局を経てことし7月から横浜放送局。児童福祉や子どもの学習支援などをテーマに取材。

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