海外旅行でおなじみのガイドブック「地球の歩き方」と特別コラボして地域の魅力を再発見する旅を紹介するシリーズです。最終回は「千葉県」です。
千葉県で生まれ育った編集者に同行して、千葉県の観光スポットの中に眠る、知られざる魅力を探ってきました。
(首都圏局/ディレクター 佐々木雄大)
「地球の歩き方」と特別コラボして地域の魅力を再発見するシリーズも最終回です。
最終回に訪れたのは、千葉の房総半島です。山に海、自然がいっぱいの千葉は、ゆったりとした時間が流れていました。
そんな千葉のディープな魅力を探すのは、編集者の清水裕里子さんです。
清水さんが最初に訪れたのは、南房総市のインスタ映えする観光スポットです。
注目したのは…
「関東の富士見百景」にも選ばれている海岸の桟橋です。全国でも数少ない木製の桟橋は、かつては地元の漁師さんたちの船着き場でした。快晴なら富士山も一望できます。
そんな桟橋の近くに、清水さんがディープな魅力を発見しました。
地元の人たちが旅の思い出を書いてもらおうと、設置した「らくがき板」です。
なかには、“プロポーズされました”とか、素敵な思い出が書き記されています。
口コミでも、なかなかこういった部分は載らなかったりします。
現地に来たからこそ見つかる情報です。
ディープな房総半島を目で楽しんだあとは、地元ならではの海の幸はないかと、グルメにまつわる情報もとことん深掘りします。
そこで見つけたのが、鮮度が命のイワシの刺身です。提供するのは、鋸南町の漁協の直営店です。
ウルメイワシの刺身です。イワシの刺身は新鮮でないと食べられないので珍しいです。
さらに、房総半島ならではのグルメはないかとたどり着いたのは、水揚げした魚を選別している漁港です。そこで、漁協関係者から有力情報をゲットしました。
忙しい漁の合間でも“まごまごせず”サッと食べられる「まご茶」の存在です。ご飯の上に、お刺身や薬味などをのせて、お茶などをかける、漁師飯です。
地域の方からお話を伺って自分が取材するまで知らなかった
新しい発見や情報などを得られたときは、すごくうれしいです。
房総半島ならではのグルメを見つけた清水さんが、次に訪れたのは東京湾を一望する鋸南町のカフェです。吉永小百合さんが出演した映画の舞台にもなりました。
店主の玉木節子さんです。44年前に店をオープン。地元では「せっちゃん」の愛称で親しまれています。
節子さんのカフェは、実は11年前に火事で全焼しています。その再建を支えたのは、店に集う人たちでした。
椅子とか、テラスとか全部作ってくれた。お客さんでも助けてくれる方が本当に多い。
みなさんの愛を感じますよね。何歳まで続けるんですか。
何も考えていないわたしは、その日その日を生きることができればいいと思っています。出来るかぎりがんばってやります。
岬からの撮影が毎日の楽しみの節子さん。この日も、黄金色に染まった夕日をカメラに収めていました。
豊かな自然と人情味あふれる千葉県の旅。そこには地元の人の笑顔と愛があふれていました。
編集者 清水裕里子さん
「ディープがひとりよがりになってはいけないと思っています。県外の人も楽しめるし千葉県の方には一家に1冊置いていただけるように、愛情をたくさん入れて作りたい」
清水さんは、1つのスポットで写真は40枚以上撮影しています。足で集めた情報を選び抜いて、原稿の執筆にあたっているということです。
これまでに紹介した千葉版と神奈川版、それに埼玉版のガイドブックは、秋以降に順次出版される予定です。