海外旅行でおなじみのガイドブック「地球の歩き方」と特別コラボして地域の魅力を再発見する旅を紹介するシリーズ。第2弾は「神奈川県」です。
海外の旅を知り尽すエキスパートが注目したのは、県中央北部に位置し、約3000人の外国人が暮らす愛川町です。出版に向け、地域の取材を進める編集部に密着し、町の魅力を探ってきました。
(首都圏局/ディレクター 山口憲生)
都心から車で約1時間の神奈川県愛川町。山々に囲まれて自然にあふれています。
そんな町の観光の呼び物の1つが「宮ヶ瀬ダム」の観光放流です。放流量は1秒間に30トン。
晴れた日には、ごう音と共に流れ落ちる大量の水から舞い上がる水しぶきに太陽の光が差し込み、幻想的な光景が楽しめます。
また、町を貫くように流れる中津川では、子どもたちが川遊びを楽しむなど、のどかな景色が広がっています。
今回、取材に同行するのは“地球の歩き方”編集部プロデューサー、今井歩さんです。20年にわたって、世界中の町を取材してきたエキスパートです。
豊かな自然だけではない愛川町の魅力をたっぷりと紹介します。
最初に向かったのは、ペルー料理店です。現地から取り寄せた食材も販売していて、今井さんが、さっそく気になるものを発見しました。
これはなに?
黄色いトウガラシです
ペルーでは、どんな料理にも黄色トウガラシを使った“アヒ”という調味料をかけて食べるのが定番だということです。
その味は…
(辛いので)かけ過ぎ注意です。パンにすごくマッチしていて味付けがシンプルなので食べやすい。
さっそく日本人にも食べやすいメニューを探そうと、砂肝とフライドポテトの盛り合わせを注文しました。肉が豪快に盛り付けられ、ボリューム満点。味もスパイシーだが辛すぎず、料金も550円とお手ごろでした。
ペルー出身のオーナー ミドリさん
日本人のお客さんが来ると本当にうれしい。もっと日本人に来てもらえるようがんばります。
すごくおいしかったです。ペルー料理を食べることは都内でもできると思うがペルーの人たちの雰囲気やおもてなしをここまで感じられるところは珍しいぜひお勧めしたい。
次に訪れたのは、南米の食材を取り扱うお店です。商品の表示は、6つの言語で記載されています。アルゼンチンやタイなどさまざまな国の人がやってくるからです。
アルゼンチン出身オーナー ルイスさん
最初はブラジル人向け、あとペルー人やアジア系の人も来る。
フィリピン、ベトナムと少しずつ追加しました。
異国の雰囲気にひかれて、最近では、日本人の客も増えているといいます。
“お肉探しています”って写真を見せてきて“この肉です”って、それでつながるとおもしろい。
食べ物で国際交流ですね。
取材を進める今井さんは、あることに気づきました。
それは、愛川町には誰でも気軽に受け入れる懐の深さがあることです。そんな町が形成されたのは、いまから61年前の1961年。旧日本軍の飛行場の土地を工業団地として造成し、100社以上の企業が進出しました。
そして、多くの外国人が働き始め、今ではおよそ50の国と地域の約3000人が暮らしています。
国際色豊かな町の食と文化を見つけた今井さんが、次に探したものが旅のつきものでもある「体験」です。
そこで訪れたのは、ベトナム式の仏教寺院です。ここには毎週日曜日に、仏教を信仰する外国人たちが集まりますが、信者以外の人も見学は自由で、しきたりや作法を教わることができるのです。
ふるさとから遠く離れて暮らす外国人たちにとっては大切な場所で互いの近況を伝え合う情報交換の場にもなっています。
ベトナムでは、山と川に囲まれた場所に、寺院を建てることが多いそうです。
愛川町もまさに同じ風景が広がり「どこかベトナムを感じさせる」と教えてくれました。
みなさんが来る。一緒にお祈りできます。
地球の歩き方編集部 今井歩さん
愛川町は、異国の文化を体験できる場所です。町に住む外国の人と話してほっとしたり、ずっと癒やされたりしていた。実際に町を歩いてみると、人の優しさや、自然がせまってくるのを感じた。(皆さんにも)たくさん歩いて、町の魅力をダイレクトに感じてもらいたい。
今井さんは、町内をまわるには路線バスや町の循環バスを使うと便利だと話していました。また、紹介したスポットをまわる場合は、1日はみてほしいとのことです。