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大手町で中古オフィス家具の新ビジネス たった1人で始めました

  • 2021年11月26日

「まだまだ使えるのにもったいない!」
今年4月、大手不動産会社の社員がたった1人で始めたのは中古オフィス家具の新ビジネス。様々な理由で廃棄されてしまうオフィス家具を再利用する仕組みを作れないか。日本有数のオフィス街、東京・大手町で新しいビジネスが始まりました。
(アナウンス室/比田美仁)

東京駅前のビルでオフィス家具販売

東京駅の目の前にあるビルの一室…並んでいるのは大手町周辺のオフィスで使われていた中古の家具です。もっとも多いのはイスで、私が取材した際は、およそ200脚ありました。

再開発が続く大手町では、オフィスの入居や退去が繰り返されています。
しかし、退去の際、まだまだ使えるオフィス家具を廃棄せざるを得ない会社も少なくないのです。
理由は様々です。

「土日の2日間で引っ越しを完了させなければならず、本当に必要な備品だけしか運び出せない」
「広いオフィスに引っ越すので、オフィス家具を買い足すとこれまでのオフィス家具と統一感がなくなってしまう」

数々の会社の入退去の現場に立ち会ってきた大手不動産会社の本田宗洋さん。こうした状況に、新たなビジネスチャンスがあると感じました。

本田宗洋さん
「オフィス用の家具は、まだまだ使えるのに多くが廃棄されていてもったいない。再利用するビジネスにはニーズがあるのではないか」

そこで、今年4月、中古のオフィス家具をリユースするビジネスを始めました。

本田さんは、退去する会社から不要になったオフィス家具を下取りして、傷などがないか検品。
清掃、消毒を行って中古品として販売するビジネスを会社に提案し、たった1人で試行錯誤を重ねてきました。

事業を始めてみると、「中古品とは思えないほど状態がいい」など予想を上回る反応がありました。
これまで気付かなかったニーズをうまく掘り起こしたこのビジネス、12月からは正式な事業として本格的に動き出すことが決まりました。

売る側も買う側もメリット

売る側(オフィスを退去する会社)にとっては、退去するときに下取りしてもらえば廃棄コストを大幅に削減することができます。オフィス家具は丈夫にできているので廃棄コストが大きくなってしまうのです。

買う側にとってのメリットはもちろん価格です。
状態のいいものが多いのに、新品相場の4分の1から、中には10分の1という商品も。

こちらは、会社の応接室で使われていたソファーなどの家具。
使われる頻度が少ないため、応接室で使われていたオフィス家具は程度のいいものが残っているといいます。

中古のオフィス家具は、資金力のないスタートアップ企業のほか、「1年だけオフィスを使いたいので新品でなくてもじゅうぶん」という会社からの引き合いもあるそうです。入荷してすぐに”売約済み”となる例も少なくないといいます。

立地も大きなメリットです。
この新ビジネスの”事務所”があるのは東京駅直結のビル。大手町周辺の「オフィス家具を見てみたい」という企業の担当者はすぐに見に行くことができます。購入を決めた後もすぐに手元に届くのです。

ハンガー、ごみ箱まで…

オフィス家具以外に、さまざまな商品もありました。

冷蔵庫に、壁掛け用の装飾、ハンガーにゴミ箱に、新聞ラックまで…。

まだまだ使えるのにもったいない…。

ニーズがありそうなものはすべて本田さんの事業の対象です。特に、ごみ箱は人気で入荷するとすぐに買い手がつくそうです。

不動産会社ならではの提案も

大手不動産会社ならではの提案も行っています。
中古オフィス家具をセットした状態で貸し出す”セットアップオフィス”です。
スタートアップ企業などからの引き合いがあるそうです。

“もったいない”から始まったオフィス街での新ビジネス。本田さんは今後の展望を次のように話しています。

大手不動産会社新事業創造部 本田宗洋さん
「たくさんのオフィス家具が廃棄される現場を目の当たりにしてこのビジネスを始めました。最近はサステナビリティ(持続可能性)をテーマに、環境に配慮してオフィスを構築するお客様も少なくありません。特に若い方を中心に、中古オフィス家具への抵抗感もないと聞いています。オフィス街の中心の便利な場所で、たくさんの家具を揃えて、環境に配慮した新しい働き方を支えていきたいです」

  • 比田美仁

    アナウンス室

    比田美仁

    2003年入局。名古屋局などで経済を中心に取材。趣味は野球観戦と昆虫採集。

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