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危険な通学路の安全対策どうする? 八街の事故が残した課題は

  • 2021年9月22日

ことし6月28日、千葉県八街市で下校途中の小学生の列にトラックが突っ込んだいたましい事故では小学3年生と2年生の男子児童2人が死亡するなど児童5人が死傷しました。この事故は、飲酒運転の根絶とともに、危険な通学路をいかに改善するかという再発防止に向けた課題を残しました。
事故を受けて、国は危険な箇所を抽出して安全対策を講じるよう自治体などに通知。全国の通学路で点検と対策の検討が進められています。今後、点検や対策はどのように進められるのか、まとめました。

どのような点検・対策が行われる?

◯点検の対象は?
今回の通学路の点検で対象となっているのは小学校の通学路です。小学校以外の学校についても地域の実情に応じて点検を行うことになっています。

千葉 佐倉市で行われた安全点検(8月)

◯スケジュールは?
通学路の点検は以下のような流れで進められることになっています。

(1)学校による危険箇所のリストアップ
児童や保護者、自治体などの協力を得て、学校が危険箇所をリストアップし、教育委員会に報告。

(2)点検の実施  
学校、PTA、道路を管理する自治体、地元警察署などと合同点検を実施。

(3)対策が必要な場所の抽出(~9月めど)
点検をもとに関係機関が対策の必要な場所を抽出。

(4)対策案の検討・作成(~10月めど)
教育委員会や学校はPTAの協力も得て、道路を管理する自治体、警察の助言を受けながら対策案を検討・作成。

(5)対策を自治体、警察に要望(~10月めど)
対策案について地元住民の理解を得たうえで、道路を管理する自治体、警察署に要望を行う。

(6)対策の実施
教育委員会、学校、道路を管理する自治体、警察が対策案に従って対策を実施。対策はソフト対策(取り締まりなど)も含めて可能なものから速やかに実施。 

八街の事故現場で行われた可搬式オービスでの取り締まり

今回の点検・対策の特徴は

八街の事故現場は小学校のPTAや保護者から改善してほしいという要望があった現場でしたが、事故を防ぐ対策が十分とられてきませんでした。こうしたことを踏まえて、今回の通学路の点検では、以下のような場所についても点検・対策をとるよう通知されています。

八街の事故現場では速度制限と道幅を狭める「狭さく」を設置

▼見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など、車のスピードが上がりやすい場所や大型車の進入が多い場所。
▼過去に事故に至らなくても「ヒヤリ・ハット」の事例があった場所。
▼保護者や地域住民から改善要望があった場所。

 
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