自宅で大地震に遭遇したら?
大きな揺れにから身を守るために、自宅の中でできる備えを紹介します。
まず行うべきなのが家具の固定ですが、間違いがちなのがつっぱり棒の使い方。正しい固定方法を映像で解説します。滑り止めシートやヘアゴムを使ったキッチンの安全対策も紹介します。
ナレーション:林田理沙アナウンサー
自宅にいるときに大地震が起きたら、どう身を守ればいいのでしょうか?
家の中の備えで、なによりも大切なのが家具の固定です。それがいかに重要かを示す実験を行いました。
人の上にタンスが倒れてきたとき、どのくらいの衝撃があるのかを調べる実験です。
中身の入ったタンスの重さは、およそ150キロ。そのそばにセンサーをとりつけた人体模型を置きます。
タンスが倒れてきた時に受ける衝撃を測ってみると…その衝撃の威力は4トン以上にもなりました。
大阪市立大学 宮野 道雄 特任教授
「まずは身を守ることが大事です。倒れてくる家具を押さえにいくのは絶対にやめてほしいと思います」
家具の転倒を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?
最も強力なアイテムが、L型金具です。壁に十分な強度があることを確認して取り付けます。
壁に穴を開けるのが難しければ、つっぱり棒を使います。このとき、つける位置も大事です。正しい位置は、家具の奥の方です。
つっぱり棒を家具の奥につける理由は、タンスが倒れる時、下の図の黄色い点が支点になるからです。
手前につっぱり棒をつけた場合、揺れがきた時、天井とつっぱり棒の間にスペースができ、外れてしまうのです。
つっぱり棒は、天井板の裏に木材がある所など、強度の高い部分に取り付けてください。
わからない場合は、天井に大きめの板をあてることで、強度を補うことができます。
家具の下に入れるストッパーを併用すると、さらに倒れにくくなります。
様々な対策をしても、家具が転倒する可能性はあるので、人の上に倒れてこない場所に配置しましょう。
家具の転倒対策以外にも、やっておきたい家の中での備えがあります。
危機管理アドバイザー 国崎 信江さん
「地震のとき、私自身は、キッチンは家の中で一番危険な場所だと思っているんです。細心の注意を払わなくてはいけない場所です」
例えば電子レンジは、重さが20キロ近いものもあるので、がっちり固定します。足元に市販の粘着マットをつけるだけで、動きにくくなります。
食器棚の棚板にはすべり止めシートを敷きます。違う食器同士が重なる部分にもシートをはさんでおくと、食器が飛び出しにくくなります。
さらに、扉の取っ手には、ヘアゴムをねじってつければ、飛び出し防止グッズに早変わり!
100円ショップなどでも揃えられます。
地震はいつ起きるかわかりません。今できることからコツコツと、家庭の安全を積み重ねていきましょう。
あなたの初期消火が地震後の大規模火災を防ぐ力に。あきらめて逃げるタイミングも解説
あなたの避難を阻む同時多発火災。命を守るポイントとは?
過去の震災では電気が原因で多くの火災が発生。いますぐできる備えとは?
家の中で地震が起きたら?突っ張り棒の正しい使い方など解説
商店街やスーパーなど外出先で地震が起きたら?身を守るポイントを解説
大都市で大地震が起きたら危惧されるのは人が折り重なって倒れる群集雪崩。対策は?
期限切れを防ぐ「使いながら備蓄(ローリングストック)」とおすすめの防災レシピを紹介
大地震の後、トイレは使えなくなる恐れが。携帯トイレの使い方から必要な数まで解説
地域のリスクを知り、どこに避難すればいいか、地図の見方を知りましょう