この冬は東日本や西日本を中心に寒気が流れ込みやすく日本海側では雪の量も多くなる見込みです。気象庁は、寒気が流れ込みやすいのは、南米・ペルー沖の海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」で、偏西風が南に蛇行することが影響しているとしています。
局地的な大雪で大規模な立往生や都市部での混乱が相次ぐなか、降る雪の量や積雪の深さの見通しを6時間先まで地図上で確認できる新たな予報も始まっています。
気象庁が24日発表した向こう3か月の予報では、東日本や西日本でも雪の量が多くなるおそれがあるとしています。
日本海側での12月以降、3か月の降雪量は次の通りです。
北日本は「ほぼ平年並み」
東日本は「平年並みか多い」
西日本は「多い」と見込まれています。
また、向こう3か月の平均気温は、
北日本は「平年並みか高い」と見込まれる一方、
東日本では「平年並みか低い」、
西日本と沖縄・奄美で「低い」と予想されています。
特に12月は東日本より西で寒気の影響を受けやすい傾向が明らかだとしています。
気象庁は、東日本や西日本に寒気が流れ込みやすいのは南米・ペルー沖の海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」で、偏西風が南に蛇行することが大きく影響しているとしています。
同様にラニーニャ現象だった昨シーズンは大規模な立往生が相次ぐ大雪となりました。
気象庁異常気象情報センター 竹川元章所長
「12月の段階でも大雪になる可能性が高いと考えている。気象情報を確認し早め早めの対策を心がけていただきたい」
局地的な大雪による長期間の立往生や都市部の混乱が相次ぐ中、新たな予報も始まりました。
去年12月、北陸で記録的な大雪となって大規模な立往生が発生したほか、関東でも3年前の1月、大雪が降って交通機関に大きな影響が出ました。
気象庁はこれまでも降雪量などの予報は発表してきましたが、ドライバーなどがルートを検討する際に参考にできるよう、降雪量と積雪の深さの推移を1時間ごとに予報し、地図上に表示する取り組みを新たに開始することになりました。
予報は11月10日から始まり、気象庁のウェブサイトで「今後の雪」を選択すると、1時間ごとの降雪量や積雪の深さの予報を6時間先まで確認することができます。
降雪量と積雪の深さそれぞれの予報は地図上に5キロ四方で表示されますが、実際より少なめに予報されることもあるため、気象情報で予想されている降雪量も参考にしてほしいとしています。
気象庁業務課 長屋幸一技術主任
「道路管理者が通行規制や除雪の判断をするときにも活用できる。雪が予想される場合は確認してほしい」
去年12月、新潟県内の関越自動車道で最大でおよそ2100台の車が立往生し、解消するまでに2日以上かかりました。
これを受けて、東日本高速道路は新たな対策を進めていくことになりました。
具体的には、警報級の大雪が予想される場合、通行止めの予測区間などをこれまでよりも早めに公表するほか、実際に大雪になった場合は、除雪作業のため応援要員も含めて500人規模の態勢をとります。
また、交通事故を防ぐため、大雪が予想される区間と時間帯では、インターチェンジを計画的に閉鎖するほか、実際に事故が起きた際には広い範囲を通行止めにして、集中的に除雪作業を行うことにしています。
東日本高速道路 久保竜志道路事業部長
「立往生を防ぐ一番の解決策は車両をいかに減らすかだ。外出をなるべく控えてもらえるような広報を積極的にしていきたい」