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地震への備え “家具の固定”をしっかりと! 防災士に聞いたポイント

  • 2021年10月27日

10月7日の夜、東京と埼玉で最大震度5強を観測する地震が発生しました。この地震で、住宅の家具が倒れる被害も相次ぎました。いざという時のために大事なのは“家具の固定”です。具体的にどのような場所を固定すればいいのか?防災士のアドバイスをもとに、きょうからできる地震への備えです。
(首都圏局/記者 戸叶直宏)

実感した“家具固定”の大切さ

埼玉県草加市のマンションの15階に住む浅葉健介さんです。地震の時、浅葉さんは部屋でくつろいでいました。埼玉県草加市は震度5弱を観測しました。

浅葉健介さん
「いきなり後ろにガチャンって飛ばされた感じでした。1メートルくらい飛ばされたのではないかって思うくらいで、『わ~っ!』と声をあげてしまいました。ついに首都直下地震が来たのだなと思いました」

地震直後、浅葉さんがとっさに撮影した部屋の様子です。台所は食器などが散乱し、本棚からも、大量の本が崩れ落ちました。

さらに、カウンターに置いていた重さ約30キロのウォーターサーバーが落ちました。浅葉さんは、落下を防ぐための固定はしていませんでした。

浅葉健介さん
「もし私がここで後ろにひっくり返ってウォーターサーバーが倒れて来たら、命の危険があっただろうなと思いました。こないだは震度5弱ですから、震度6とか7とか想像もつかないですね。今は、ウォーターサーバーは床に置いて使うようにしています。重いものは高いところに置いたらダメですね」

家具の固定のポイント 防災士に聞きました

地震の被害を減らすために大切なのが「家具の固定」です。具体的にどのようにしたらよいのか。防災士として活動する菊池顕太郎さんにポイントを聞きました。

菊池さんは、まず「重いものを最優先に固定すること」を勧めています。
そのひとつが冷蔵庫です。「上下2か所の固定」が大切だといいます。

このように、上を壁と固定しているほか、下もゴムマットを挟んで滑りにくいようにしています。

防災士:菊池顕太郎さん

下を固定することによって家具の前面の滑り出しが防ぐことができるようになります。

こちらの画像は、震度6強の激しい揺れを想定した実験の様子です。上や下を1か所に固定した家具の場合、倒れてしまいます。

そしてこちらが、家具の上下に対策をしたものです。転倒しないケースがありました。

賃貸住宅の場合はどうしたらいいの?

家具の固定は大切だと分かっていても、賃貸住宅の場合、壁に穴をあけていいのか、傷つけてしまうのではないかと、ためらう人はいると思います。

防災士:菊池顕太郎さん

賃貸に住んでいるかた、新築のかたは壁に穴を開けることを非常に気にされると思いますが、この穴は補修材で簡単に補修できます。

それでも気になる人は両面テープで固定するタイプも販売されていて、こちらをすすめています。
首都直下地震では今回の地震を大きく上回るような揺れが想定されます。
菊池さんは、今回の地震をきっかけに、自分の家の安全を見直してほしいといいます。

防災士 菊池顕太郎さん
「震度6強の揺れがきた時は、戸建て住宅・マンションに関わらず、家具の固定が必要になります。特に寝室、子ども部屋、子どもが寝てる頭の上に物が落ちてこないようにどかしてください。細かいことの積み重ねがみなさんの生命と安全を守ることにつながります」

  • 戸叶直宏

    首都圏局 記者

    戸叶直宏

    2010年入局。福岡局 横浜局で事件を担当したあと、現在は首都圏局で貧困や地域の問題、コロナ禍の教育現場を継続して取材。

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