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移住者に人気の埼玉県小川町 東武東上線がある暮らし

首都圏ネットワーク 東武東上線ウイーク
  • 2024年5月17日

「今よりもっと広い家で子育てしたい」「休日を自然のなかでゆっくり過ごしたい」。
そんな願いを移住先でかなえた人たちがいます。場所は埼玉県小川町。実は県内で突出して移住相談が多い自治体です。その背景には、理想の暮らしを支える東武東上線の存在がありました。

さいたま局記者/藤井美沙紀

池袋まで最短60分余 確実に座って通勤

午前6時すぎの東武東上線小川町駅。
およそ10分から15分おきに出発する池袋行き電車の始発駅です。

池袋まで、もっとも速い電車で60分余り。駅には都内に通勤する人たちが次々と訪れます。
そのうちの1人が、都内のIT企業に勤める藤川省吾さん。アクセスの良さにひかれ、1年ほど前に小川町に移住してきました。

藤川省吾さん
「都内にすっと通えるのが条件でした。落ち着いて座っていられるというのが大きいですね。東上線1本で都内まで行けて、そのあとの乗り換えも楽なので、東上線がなかったらたぶん移住していないですね」

県内最多の移住相談 人気の秘密は?

小川町は埼玉県北西部に位置し、緑豊かな山々に囲まれています。
和紙の産地として知られ、古くからの町並みが残っています。

その小川町は、埼玉県内でもっとも移住に関する相談が多い自治体です。2022年度に県や市町村の窓口などで受け付けた移住相談の件数のうち、小川町については926件。2位の秩父市の2倍近くにのぼります。

小川町役場

なぜ移住者に人気が高いのか。
町では、自然豊かな環境や、駅前に観光案内所を併設する移住サポートセンターを置いて、町の魅力の発信に取り組んでいることを理由にあげています。

移住者支援策 東上線で楽に通勤を

もうひとつ、大きな理由としてあげられるのが東武東上線です。
都心からのアクセスの良さが大きな魅力になっていると言います。

そこで町は、東上線の「TJライナー」を利用する移住者への支援に力を入れています。
TJライナーは通勤時間帯を中心に運転される全席指定の有料列車で、池袋発の下りの料金は370円。平日の下りは午後5時以降に10本以上運転されています。
町は都内に通勤する移住者を対象に、TJライナーの料金を月7500円を上限に3年間補助しています。月20日分になり、行きも帰りも確実に座れるようにしています。

小川町都市政策課 齊藤愛子 主査
「仕事で疲れたあとに満員電車で立って帰るのはとてもつらいので、通勤支援も移住を決める魅力のひとつとして、皆さんに興味を持っていただけるのかなと思います」

移住者支援策 快適なテレワークや交流の場を

移住者への支援は通勤する人だけに限りません。
小川町駅から徒歩5分ほどの場所にあるのは、町が3年前にオープンさせた「石蔵コワーキングロビー NESTo(ネスト)」。
約100年前に大谷石で建てられた蔵を改修した、落ち着いた空間です。

利用者登録をすれば、テレワークや会議などに利用できて、電源やWi-Fiも用意されています。
カフェもあって利用者どうしや移住者どうしの交流を深めることもできて、その場で商談が始まることもあるそうです。

東上線で両立 小川町での暮らしと都内での仕事

このコワーキングスペースの常連、岩崎勇樹さんは去年、さいたま市から移住しました。

岩崎さんは、1歳から中学生までの子ども7人がいる9人家族。さいたま市で暮らしていた4LDKの家から、子どもたちをのびのびと育てられる場所を求めて小川町に移り住みました。築50年ですが7DKの中古住宅を700万円で購入してリフォームしました。

岩崎勇樹さん
「以前は家が狭くて、6~7畳の部屋に8人ぐらいで寝てたんですよ。ここでは寝返りしてもあまり人に当たらない。それがすごくいいですね」

岩崎さんは以前、介護施設でマネージャーをしていましたが現在は独立して、企業の人事や経理などの業務を請け負い、自宅で仕事をしています。
そのかたわら週に2回は都内の福祉施設に出向いて、リハビリの仕事も行っています。
東上線を使うことで、小川町での暮らしと都内での仕事を両立させています。

岩崎勇樹さん
「メールを返したり本読んだりしながら1時間くらい過ごせます。ここが始発だからできるので便利です。東京でちゃんと仕事を作って、そこで稼いで、こっちでは自分の好きなことをする。それができるのが二拠点のいいところだと思います」

自然とぬくもりを求めて 休日だけ小川町での生活

日曜日朝7時すぎの小川町駅。池袋から到着した東上線の電車を降りてきたのは、ありすさんです。休日だけを小川町で過ごす生活をしています。

ありすさんの店

ありすさんは、東京・歌舞伎町でスナックを営んでいて、早朝まで働いたあとは友人の家に泊まっています。
しかし、休みになると恋しくなるのは小川町の自然と人のぬくもりだといいます。朝の澄んだ空気と見頃を迎えた桜の花を堪能しながら、ゆっくりと自宅に向かいました。

ありすさん
「小川町は季節の香りがすると思います。まだネオンが明るく光っている街から帰ってくるんで、だいぶ変わります。1時間ぐらいで、そこまで変化があるのはすごいなと」

ありすさんが住むのはシェアハウスです。以前、小川町に移住してスナックを開きましたが、その後、店は都内に移転しました。それでも生活の拠点は小川町に置いています。

ありすさん
「気持ちや体が休まるなっていうのがありますね。小川町でリフレッシュというか、自分を濾過する時間がほしいなって。帰ってきたいと思える」

東上線で行ったり来たり 移住者がつなげる交流の輪

ありすさんが住んでいるシェアハウス、実は住む人も運営する人も移住者です。
小川町に7年前に移住してカレー店を開業した代々木原シゲルさんが、ほかの移住者も呼び込みたいと店の2階で開きました。5部屋あり、家賃は光熱費などを含めて2万5000円です。

シェアハウスとカレー店を営む代々木原シゲルさん
「東京で働いて週末だけ小川町に帰りたいという人だったり、新しくラーメン屋を開くまでの準備の間、住む場所もないので一時的にここに住むとか、いろんな方がいます。以前はユーチューバーの人もいたりしましたね」

1階のカレー店では、移住者などが集まって定期的に交流イベントが開かれています。
この日、ありすさんは自分のスナックの常連客を誘いました。

ありすさんの常連客

いろんな人がいて、野菜を持ち寄ったりして、みんなで食べてコミュニケーションして、いい意味で距離が近いというか、面白いと思いました。

イベントには地元の人たちも参加していて、町の外から来た人たちとの交流の輪が広がっています。

地元の男性

43年ずっと住んでいますが、小川町の良さなんてまったく気づかなくて、移住者の方に『いいところがこんなにあるんですよ』と教わっています。いろんな発見がある。小川町が活性化する、外の空気が入ることで、いい雰囲気になっていると思います。

ありすさん
「交流の場として私はつなげられる役目も担いたいと思いますし、東上線に乗って1時間で来られるのも便利だと思う。これからも行ったり来たりしながら生活できたらいいなと思います」

取材後記

取材では、町の特産品の有機野菜にひかれた人や、飲食店の開業を目指す人など、さまざまな理由で小川町に移住してきた人たちに出会いました。小川町を選んだ理由で共通していたのが「都会からほどよい近さで、気軽に行き来できる」ということ。

豊かな自然と移住者を支えるコミュニティー、そして適度な距離感をつなぐ東武東上線。こうしたことが小川町の移住先としての魅力を高めていると感じました。

首都圏局とさいたま放送局では、5月6月に東武東上線沿線地域の魅力や課題について番組やシリーズ特集でお伝えします。関連情報はこちらから↓

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