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さいたま芸術劇場リニューアル!近藤良平さんが記念公演に込める埼玉への思い

首都圏ネットワーク「ちかさとコレクション!」
  • 2024年03月15日

さいたま市にある「彩の国さいたま芸術劇場」が、この3月に、リニューアルオープン!
記念した公演に 近藤良平 芸術監督が込めた思いは?

「彩の国さいたま芸術劇場」

「彩の国さいたま芸術劇場」は、亡くなった蜷川幸雄さんが芸術監督を務めていたことで知られています。
おととし2022年から、蜷川さんの後任として、ダンサーの近藤良平さんが芸術監督に就任しています。

芸術監督 近藤良平さん

近藤さんが就任したのは、コロナ禍まっただ中。
そして、劇場も、耐震化やバリアフリーへの対応などで1年半休館してしまいます。
劇場が使えないなか、近藤さんは、逆転の発想をします。

2023年「埼玉回遊」

自らが県内を回って、埼玉県各地の伝統芸能や特色を再発見していこうとしたのです。

父親は埼玉県の出身ですが、近藤さんは埼玉県で育ったわけではありません。
昨年およそ1年をかけて、埼玉各地25か所を回ることで、埼玉の魅力と出会ってきました。
感じたのは芸能だけではなく、そこに住む人たち自身も大きな魅力を秘めているということでした。

「いろんな方がその地域で輝いている」

そうした魅力を埼玉の表現活動の中心地、「さいたま芸術劇場」で表現したいと考えてきました。

改修工事が終わって 3月にオープン

改修工事が終わり、今月(3月9日)、リニューアルを記念した公演が行われました。

 舞台挨拶
「さいたま芸術劇場は無事リニューアルオープンいたしました。
  ありがとうございます。」

今回の公演は「埼玉回遊 特大号!」と名付けられています。
サブタイトルは"風と土地のロマンス"です。
どんな舞台になるのでしょうか。

 近藤さんの狙いは?!

「埼玉のさいが「」=いろどり みたいなね、
埼玉っぽいなとか、いろんなこと感じられるような部分は
少しずつでも詰め込みたい」

こだわったのは、それぞれの文化が、舞台で引き立つことでした。

こちらは、三芳町の伝統芸能の「車人形」です。
全国で3か所にしか残っていない貴重な芸能で、人形つかいが車に乗って移動しながら演じます。

近藤さんは、繊細な芝居が広い劇場でも観客からよく見えるのか、心配しました。

「顔が低いですね、もったいないなという気がした。
もっと見たい瞬間があるなと」

車人形を演じる末吉豊隆さん「(演出が)斬新というか、楽しんでいます」

「(文化の)出会いが今まさしく起きているので、
 ちょうどミックスされるとき。
 僕も新鮮だし、出る人にとっても新鮮です」。

各地域の文化の特色を融合させながら、観客によく伝わるよう、稽古の日が続きました。

そして 公演の日

いよいよ公演の日です。
700あまりの客席はほぼ満席になりました。

およそ1時間半の公演では、近藤さんが訪ねた、埼玉県内各地が舞台となっています。

木彫りの彫刻も 藍染めの垂れ幕も 埼玉ゆかりのもの
ダンスと神楽の競演
客席いっぱいに きやりが響いた
緊張感のある演技
舞台の広さ・奥行きを使った近藤さんならではの演出です
ふだん舞台に立つことのないブルーベリー農家の人も出演

 いよいよ、車人形の演技です。

川を渡ろうとする姫が、船頭に邪魔されて、嫉妬のあまり鬼に変わっていく場面。
人形の位置を高くすることで、劇場の観客にもよく伝わる演技となりました。

伝統芸能をふんだんにいかしながら、演技やダンスが舞台いっぱいに繰り広げられ、あっという間の1時間半でした。
公演が終わると、会場からは拍手が大きく鳴り響きました。

浦和からの観客

「すごい楽しかったですよ。
 初めて観るわくわく感もありますし、こんな舞台もあるのかと新鮮でした」

大宮からの観客

"ダさいたま"といわれるけども、それほどじゃなくて、
 いろんな文化があることを再認識しました」

東京からの観客

埼玉の地域の皆様が舞台にのっていられる姿が感動的だった。
(近藤さんが)1年かけていろんなところで出会って集めてきてくださったものを観ることができてうれしかったです」

近藤さんが込めた、埼玉県への思いは、確かに伝わったようです。

近藤良平芸術監督
「昔のものも大事にするし、新しいものも、見て、感じて、文化的なものが身近にあればよりいいかな。埼玉にいて良かったな、埼玉って面白いところだなと感じられるとうれしいですね」

芸術劇場には大小あわせて4つのホールがあり、今後は、シェイクスピアの演目や近藤さんが主催する劇団の公演などが予定されています。
どんな文化が生まれてくるのか、今後も楽しみです!

  • 小早川康

    さいたま局カメラマン

    小早川康

    子育て熱心、番組大好き、2度目のさいたま局勤務の報道カメラマン。
    県内各地、行きます!

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