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能登半島地震「輪島朝市を見捨てないで」埼玉に一時避難の女性は

  • 2024年01月30日

能登半島地震から4週間。石川県では1万4000人余りが避難所に避難していて(1月29日現在)、被災した人の住まいやなりわいの再建を、どう進めていくかが課題です。
石川県輪島市で海産物の加工販売をしていた女性は、一時的に埼玉県内に避難していましたが生活再建を目指して地元へ戻りました。その思いを聞きました。

(さいたま局記者/平岡仁)

画像提供 南谷良枝商店

石川県輪島市の南谷良枝さん(48)です。
調味料にこだわった海産物の加工を行い、輪島朝市やインターネットなどで販売してきました。

南谷さんの自宅

南谷さんは石川県津幡町に家族と初詣に出かけた帰りに地震に遭い、翌日夕方に、自宅に帰り着きました。
自宅は倒壊を免れましたが室内は家財道具が散乱し、断水が続いています。
それでも家を失った親戚などが避難して来ました。

困難な在宅避難の生活が続く中で全員がインフルエンザに感染し、次々と発熱したということです。

避難先の埼玉県内のホテルで

南谷良枝さん
「雨水をためてトイレに使ったり、湧き水をくんで外で髪を洗ったりしました。お風呂には10日以上入れませんでした」

南谷さんのことを心配した埼玉県に住む知人がホテルを手配してくれたため、1月13日から高齢の親戚などを連れて、あわせて6人で埼玉県内に一時避難しました。

南谷さん
「トイレを流せることに感動したし、水を流すときに『もったいないな』とも思いました。埼玉に来て1日目に温かいごはんをいただいて、みんな黙って泣いていました。みんなつらいとか苦しいとかを一言も言っていなかったけど、胸の中では苦しかったんだなと思いました。ごはんやお風呂、人の温かさがありがたいとひとつひとつ感動していて、時にこれからどうしようという不安だらけで、常に胸が締めつけられているのかなとも思います」

加工場の周辺

南谷さんの加工場は自宅近くにありましたが、周囲の地盤が崩れて危険な状態になっていました。加工場の中も物が散乱して足の踏み場もない状態で、断水が続いています。

加工場の中

それでも、まずは金沢市内で場所を借りて商売を再開しようと、一時的な住まいも確保し、1月20日に石川県に戻りました。

南谷さん
「輪島はやっぱり私のすべてです。商売を今までさせてもらった大事なところ、ふるさとなんです。できれば輪島に帰りたい」

南谷さんは21日には輪島市に帰り、改めて加工場を確認しました。地盤の崩れはさらにひどくなっているということです。
それでも南谷さんは将来は輪島で商売を再開する決意です。

南谷良枝さん
「全国のお客様から復活してほしいというメールをたくさんいただき、もう一度、頑張るぞという思いで前に進もうと思います。金沢で朝市を開こうという話も出ているので、輪島朝市を見捨てないでほしいです」

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