本当に「ダさいたま」？ 埼玉県が40年ぶりに紙上討論会 800件超える意見が！
- 2023年11月15日
『ダさいたま』。およそ40年前、流行語にもなったこの言葉、今でも使われることがあります。実は今、なぜか「ダサい」とイメージが持たれることがある埼玉について、県が意見を募集しました。集まった数は800件！
なぜ、そんなことを始めたのか。どんな反響があったのでしょうか。
県民の日 来場者過去最多！県の魅力PR
11月14日は、「埼玉県民の日」です。
県内の公立学校は休みとなり埼玉県庁で行われたイベントには多くの親子連れなどが訪れました。訪れた人は、14日1日で過去最多のおよそ2万1000人にのぼりました。
また埼玉を徹底的にこきおろして話題になった映画、「翔んで埼玉」で主演を務める二階堂ふみさんと、GACKTさんが県庁を訪れ、大野知事とのトークショーも開かれました。
「今後は埼玉をディスらないようお願いします」
「埼玉県のどこにいい場所があるのか教えてほしいですね」
「川越市」
「行田市」
GACKTさんは、「行田市には何もないですね」などと精いっぱいこきおろし、会場は大きな笑い声に包まれていました。
また、二階堂さんは埼玉県の魅力的な場所として秩父市をあげました。
二階堂さん
「日帰りで行ったこともありますし母と一緒に旅行に行ったこともあります。秩父市にたたずんでいるわたしに出会うことができるかもしれません」
最後に会場に集まった人たちと一緒に県の鳥「シラコバト」などを表す「埼玉ポーズ」をして埼玉の魅力をPRしていました。
今回の「本当に『ダさいたま』！？」という冗談のような意見募集は、この映画の公開に合わせて行われました。
「ダさいたま」80年代に流行語に
1980年代、「ダサい」と「さいたま」をかけあわせた「ダさいたま」がテレビで発信されると流行語となりました。
1983年（昭和58年）、県の広報紙では「なぜダサイ玉」と題した紙上討論会が繰り広げられました。
知事や有識者、タレントなども含めて自虐的なエピソードが披露されつつ、地元愛を感じる文言が並んでいました。
“ダサイ”が魅力という題で投稿の男性
『ダサイでしょう？』というとその人は『埼玉からダサイを取れば魅力がありませんよ。第一に温かい感じ、第二に、憎めない感じ、なんとなく人気の的になる感じで、うらやましいといいました。
20代男性の投稿
埼玉から来たというと2人で顔を見合わせて『あの、さいたまんぞうの？』と言って笑った。やはり神戸の女の子たちには埼玉のシティーボーイなんか、ダサかったのかもしれない。
このほか、紙面には「田舎者とわきまえていればダサくない」というタイトルで辛口でコメントしつつ、「子どもを育てるにはいいところ」と評価するタレントの所ジョージさんの談話が紹介されています。
寄せられた意見は60件あまり。ほとんどが「埼玉県はダサい」というものだったといいます。
当時の畑 和（はた・やわら）知事
「最近、ダサい埼玉なんてよく言われるでしょ。どうもそれがよく真意を理解しかねているんですがね」
今の市民の受け止めは？
「確かにダサい」という声が多かった紙上討論会から40年。
改めてさいたま市浦和区で聞いてみると「ダさくない」という意見が目立ったほか、「住みやすい」という実感が聞かれました。
「確かに埼玉には海はないし有名な温泉地や観光地はないかもしれないけど住みやすいし満足している」
「目を引く観光地がないから『ダさいたま』なんて言われちゃうんですかね。大宮がありますから、東京よりも東北に行くには便利ですよ」
「ダサいなんて言わせません！パルコで買い物もできますし、混まないし、東京よりも居心地いいです」
「確かに横浜とか、みなとみらいなど、おしゃれなイメージがあって、そういうのはありませんが、保育園も周りにいっぱいあって困らないし、気に入ってます」
当初予想の12倍 804件の意見！
40年ぶりの意見募集となった今回、募集は11月10日に締め切られました。
その結果、当初の予想を12倍上回る804件の意見が寄せられたということです。
埼玉県広報課の桜田詩織主査
「予想をはるかに上回る反響でうれしいかぎりです。ダサい、ダサくない、どちらも拮抗していて、埼玉愛にあふれた意見も数多くあります」
寄せられた意見の一部は12月の県の広報紙に掲載される予定です。
また、掲載された人には映画とコラボした銘菓もプレゼントされる予定です。
