11月14日埼玉県民の日がビジネス化!？埼玉版ブラックフライデーに

学校が休みだ！埼玉県民の日

11月14日の埼玉県民の日は、公立の小中学校や県立高校は休みになり、県民にはなじみ深い日です。
せっかく学校が休みなら、家族でお出かけを検討する人も多いのでは？とお出かけ情報の取材を始めた私（藤井）は、この日に無料にしたり、割引きしたりする施設が多いことに驚きました。
県民の皆さんには、「こうした情報を活用して埼玉県民の日を楽しんでほしい」と思ったのと同時に、”県民の日ビジネス”ともいえるさまざまな思惑を感じ取りました。

把握は不可能！？底知れぬ『県民の日ビジネス』

例えば、埼玉県のホームページに掲載されている協賛事業だけでも、その数は60近く。
内容も、「関東ウイーク」と称して千葉や神奈川など他県在住者も対象にしたものから、福島のリゾート施設など遠方で開催されるものなど、多岐にわたります。

しかし、埼玉県によると、実はこれ以外にもさまざまな「県民の日ビジネス」が存在するというのです。（実際、私も飲食店や温泉施設などで割引きを確認しています）

“県民の日は休み”実は少数派だった！

そもそも、埼玉県民の日は、いつ、どのように誕生したのでしょうか？

埼玉県によると、明治4年（1871年）に廃藩置県が行われ、11月14日に「埼玉県」が誕生。そして、昭和46年（1971年）に、誕生からちょうど100年を記念して、11月14日を「埼玉県民の日」にしたそうです。

さらに、翌年、県教育委員会の規則改正で、県立高校の休業日となり、徐々に市町村立学校でも、県民の日を休業日とする動きが広がりました。

盛り上がりの背景には、学校が休みになる貴重なビジネスチャンスに、人口の多い埼玉県の親子連れを呼び込みたいという企業側の狙いも透けてみえます。

さらに、2016年まで埼玉県民だった専門家は、以下のように分析しています。

“埼玉から学びたい！”全国から続々と

県民の日が盛り上がる埼玉県。
埼玉県には、他の自治体や経済団体からも、県民の日に関する視察や相談が相次いでいます。

このうち、大分経済同友会は、ことし8月に埼玉県庁を訪れ、職員から県民の日のイベントや学校の休みについて、説明を受けました。

大分も、埼玉県と同じく11月14日が県民の日。しかし、担当者によると、学校が休みではなく、県民の認知度も高くはないといいます。

また、愛知県では去年、11月27日を「あいち県民の日」とする条例を作りました。これをうけて、ことし5月に埼玉県の職員とテレビ会議を行って、県民の日に関するアドバイスをもらったといいます。

休みなら休む！マインドの切り替えも大切

こうした視察のなかで質問に上がったのが、「学校が休日になることについて、親世代の理解をどう得るか」という点だそうです。

愛知県でも、ことしから、11月27日の「あいち県民の日」までの1週間のうち1日を市町村や公立の学校などが独自に休日に指定できる「県民の日学校ホリデー」としましたが、名古屋市長が一時、枠組みへの参加を拒否。その理由の1つが「親への負担がかかる」というものでした。

埼玉県の担当者は、埼玉は共働きが増える以前から、県民の日が休日として知られていたことから、理解が得られる面があると話します。

企業が親をサポートできるかどうか、また親も「周りを頼っていい」というマインドへの切り替えが進むかどうか。県民の日を盛り上げていくために、大切な条件かもしれません。

埼玉県担当者「県内でも楽しんでほしい」

浸透してきた「埼玉県民の日」。
実は、県外に遊びに出る人も多いと言われています。

これについて、埼玉県の担当者は…。

コロナの5類移行後、はじめてとなる“埼玉版ブラックフライデー”。例年以上の盛り上がりが期待されます。まだまだこの熱、冷めることはなさそうです。