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大栄翔 大相撲春場所で優勝争い 出身地・埼玉県朝霞市で応援

  • 2023年03月28日

大相撲春場所で最後まで優勝争いを繰り広げた埼玉県朝霞市出身の小結・大栄翔。優勝決定戦までもつれ込んだものの、惜しくも2回目の優勝には届きませんでした。地元からは熱い声援が送られました。

春場所で2回目の優勝に王手

大栄翔は朝霞市出身で29歳。2場所ぶりに小結に復帰し、横綱や大関が不在となる今場所、三役としての責任感を胸に臨みました。
初日から6連勝と得意の突き押しで攻める相撲で白星を重ね、2場所連続のふた桁勝利をあげました。
そして、2敗で優勝争いの単独トップに立ち千秋楽を迎えます。2年前の初場所以来、2回目の優勝が目前となりました。

千秋楽は星の差1つの霧馬山と直接対決

千秋楽は、3敗で追う新関脇の霧馬山との結びの一番。勝てば優勝が決まる直接対決でした。
過去の対戦成績の霧馬山が7勝6敗と勝ち越していますが、この2場所は大栄翔が勝っています。

大栄翔は立ち会いから突き押しで攻め込みましたが、土俵際で突き落としで敗れます。霧馬山と12勝3敗で並び、優勝決定戦が行われることになりました。

その優勝決定戦、物言いがつきましたが協議の結果、軍配通りに霧馬山が勝って初優勝。
大栄翔は最後まで突き押しを貫きましたが、連敗を喫し、2回目の優勝まであと一歩、届きませんでした。

地元・朝霞市では200人が応援

大栄翔の出身地、埼玉県朝霞市では、母校の市立朝霞第四小学校で応援会が開かれました。
母親の高西恵美子さんや中学時代の恩師、同級生などおよそ200人が集まり、大栄翔が好きなヒマワリにちなんで、黄色のバルーンを手にして声援を送りました。

そして優勝決定戦で敗れると歓声が悲鳴に変わり、集まった人たちは残念そうな様子でした。

高西さんが「こんなに多くの方に応援に来ていただいて、ありがとうございます。幸せな息子です」とあいさつをすると、大きな拍手や声援が送られました。

母親の高西恵美子さん
「勝ってほしいとは思いましたが、気持ちが高ぶってしまって、ここまできたら最後までけがなく、取りきってほしいなと思って見ていました。負けてしまいましたが、今出せる精いっぱいのものは出してくれたと思っています。大勢の方に応援してもらったので申し訳ない気持ちもありますが、やりきってくれたなという気持ちの方が大きいかもしれません。緊張もあって、本番に思いどおりの相撲がとれなくても、15日間無事に取りきってくれたことの方が親としてはうれしいです。本人が1番悔しいと思うので、これからも稽古に精進してくれると思います。誰かに勧められたからというわけでなく、自分の意志で選んで入った世界なので、やりきってほしいと思います」

「大栄翔を励ます会」会長の栗原友介さん
「残念でしたが、最後まで楽しませてもらったし、必ず次があると思ってます。大栄翔は地元にとって大きな希望であり、ヒーローです。こんなヒーローが出てきてくれて、ありがたく思っていますので、これからも応援していきます」

中学時代の担任 五十嵐道和さん
「中学時代は、いつも友達に囲まれていて、掃除など、人の嫌がることを率先してやってくれる生徒でした。負けてしまいましたが、こんなに多くの人を感動させたり、勇気づけたりする力士に成長してくれてうれしく思います。次も期待しているので、今回の相撲をバネに、また頑張ってほしいと思います」

技能賞受賞 八角理事長“立派に12番勝っている”

大栄翔は優勝を逃したものの、初優勝の霧馬山とともに技能賞に選ばれました。
大栄翔は14日目を終えた時点で12勝2敗の成績で単独トップに立ち、持ち味である突き押し相撲が評価され、初優勝したおととしの初場所以来、2回目の受賞となりました。

日本相撲協会の八角理事長は、大栄翔について「立派に12番勝っているわけだから、来場所頑張ってほしい」と期待を込めていました。
今場所は昭和以降で初めてとなる横綱と大関が不在の場所となりましたが「横綱・大関はいないが、最後の一番まで優勝がわからないということは、三役が頑張ってくれたということだ」と話しました。

“もっと突き押しの技術極めたい”

逆転優勝を許した大栄翔は「悔しい。気合を入れていったが、土俵際の甘さが自分の弱いところだ」と振り返っていました。
そして、来場所に向けては「今場所はいい相撲が多かったので、来場所もいい相撲を15日間通して取れるように頑張りたい。悔しい気持ちを忘れずに稽古したい」と前向きに話していました。
また、2回目となった技能賞の受賞については「押し相撲で技能賞はなかなか取れないと思うが、評価を頂いて、本当に自信になるし、もっともっと突き押しの技術を極めていきたい」と話していました。

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