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猫の切断死骸 さいたま市の公園・学校・畑で 誰がなぜ?

  • 2023年02月28日

さいたま市内で切断された猫の死骸が見つかる事件が相次いでいます。最初に見つかったのは2月13日から17日にかけて。約2週間後、別の猫の死骸が見つかりました。

公園のベンチに猫の足が さいたま市南区

最初に猫の死骸が見つかったのは、2月13日の朝でした。
さいたま市南区の荒川沿いにある荒川彩湖公園のベンチで猫の足が置かれているのを、散歩をしていた人が見つけました。足は2つのベンチに1本ずつ置かれ、いずれも切断された痕がありました。
警察は何者かが猫の足を切り落として、ベンチに放置した可能性があるとみています。

公園の近くに住む50代女性
「ひとりで犬の散歩をするのも怖いので、仲間と一緒に公園などに行きました。はやく捕まってほしいです」

雑木林や小学校の校庭でも

その3日後の16日、この公園の雑木林で頭や足の一部がない猫の死骸が見つかります。
さらに、その翌日17日の朝には1キロほど東にある小学校で猫の頭の一部が校庭の鉄棒にひもでつるされているのが見つかりました。
いずれも白っぽい色をしていたことなどから、同じ猫とみられています。

小学校は授業短縮 一斉下校

この小学校では17日朝、保護者に対して、児童の登校を控えるよう呼びかけるメールを一斉に送りました。
その2時間ほど後、安全を確保できることが確認されたとして、登校を再開するという内容のメールを保護者に送ったということです。
小学校ではこの日、屋外での授業を取りやめ、5時間目の授業が終わったあと、子どもたちは保護者などに付き添われ、一斉に下校しました。

児童の母親
「子どもはまだ4年生なので詳しいことは伝えずに、不審者が多いので学校が終わったら家に帰ろうねと伝えました。子どもが通う小学校でこうした事件が起こり怖いです」

保護者の男性
「子どもたちもこの辺りで遊ぶので、保護者としてはとても気持ちが悪いし怖いです。近くの公園で見つかったというのは知っていましたが、今回は自宅の近くにある子供が通う学校で起きたので、恐怖心は強まっています」

4キロ離れた場所で別の猫の体が さいたま市桜区

そして26日、今度は学校から北西に4キロあまり離れたさいたま市桜区の鴨川沿いで新たな猫の死骸が相次いで見つかりました。
このうち、市内の畑からは頭と前足がない状態で見つかりました。一部は土に埋められていました。畑を所有する男性が24日の午前中に訪れたときには、異常はなかったということです。

さらに、この日の夕方、この畑から南西に300メートルほど離れた川沿いの市道では猫の頭と前足が見つかりました。路上にうつぶせの状態で置かれていたということです。
いずれも黒と茶色のまだら模様で、同じ猫とみられています。
現場は、JR埼京線の与野本町駅から南西に2キロあまり離れた住宅地の一角です。

住民からは不安の声

川沿いの市道を利用する人たちからは不安の声が聞かれました。

近所の50代女性
「近くで猫の死骸が見つかったことはニュースで知っていましたが、ふだん散歩で通っている場所だとは知りませんでした。このような事件が起きて怖いです」

近所の80代女性
「夜になるとほとんど人通りがないところです。ほぼ毎日、散歩していますが、怖くて気持ちが悪いです」

散歩をしていた女性
「こんなことをするなんて、猫がかわいそうです。最近は怖いので、戸締まりをしっかりして、鍵をかけたか確認するようにしています」

近くの小学校では集団下校

さいたま市桜区の現場近くの小学校では、子どもたちの安全を守るため、急きょ、集団下校が行われました。
午後3時前に授業を終えた子どもたちが学年ごとに集まったあと、教員に付き添われ一斉に下校していました。この学校では今週いっぱい集団下校が行われるということです。

「青パト」で巡回を強化

さいたま市は現場周辺のパトロールを強化しています。
市内では、職員が青い回転灯をつけた「青パト」と呼ばれる車で区ごとに巡回しています。
このうち、桜区では週に3日間パトロールが行われていますが、事件を受けて、当面「青パト」を2台に増やしたうえで毎日行うことになりました。
現場近くの住宅地では「青パト」がゆっくりとしたスピードで巡回し警戒にあたっていました。

犯罪心理学の専門家 “弱い動物に攻撃性ぶつけたか”

犯罪心理学に詳しい駿河台大学心理学部の小俣謙二教授は、今回の事件について「ストレスやいらだちの発散として弱い動物に攻撃性をぶつけているのではないか」と指摘しています。
また、猫を切断する行為について、非常に強い攻撃性や生命に対する意識の薄さが伺えるとしています。

駿河台大学心理学部 小俣謙二 教授
「通常、犯罪行為や残虐な行為は隠すが、あえてそれを見せるというのは自己顕示欲があるのかもしれない。埼玉県内で高校生が動物を虐待したあとに人を傷つけた事件があったほか、神戸市の児童連続殺傷事件でも動物虐待があった。同じような事件がどれぐらい続くのかや人に危害が向かわないか非常に心配だ」

何者かが切断して放置か 関連を捜査

警察は、何者かが猫を切断して放置したとみて、動物愛護法違反の疑いで捜査するとともに、2つの事件の関連を調べています。

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