ページの本文へ

  1. 首都圏ナビ
  2. 埼玉WEB特集
  3. 花ちょうず 色とりどりに ~埼玉 行田市~

花ちょうず 色とりどりに ~埼玉 行田市~

  • 2022年12月08日
花手水

水を張った鉢に色とりどりの花を浮かべる“花手水(ちょうず)”。大きなピンクのダリアのまわりに黄色いポンポン菊が浮かんでいます。
埼玉県北部の行田市では、こうした花手水を90か所以上で見ることができます。なかには地域の人の“特別な思い”がこもったものも。訪れた人をいやす花手水の魅力を堪能しました。
(さいたま放送局キャスター 保坂友美子/首都圏局ディレクター 申奎鎬)

行田を彩る“花手水”

行田市で花手水が始まったのは2年前。毎月2週間、市内の飲食店の軒先やお土産屋さんの前など、いたるところで見ることができます。

商店の軒先にある花手水と保坂キャスター
花手水発祥の行田八幡神社

まちで最初に花手水をつくったのは、およそ千年の歴史を持つという行田八幡神社です。新型コロナの感染が広がった2020年4月、禰宜(ねぎ)の松岡宏聡さんが神社にあった手水に花を彩りました。

世の中も少し暗いどんよりした雰囲気が漂っていたので、参拝に来られる方に少しでも和んでいただきたいと思いました。
(行田八幡神社 禰宜(ねぎ)松岡宏聡さん)

花手水はSNSを通じて若い人たちにも広がり、新しい観光スポットになっていきました。

心だけでなくおなかを満たす花手水!?

とびきり変わった花手水があるというパン屋を訪ねました。

店主の今村順子さんが見せてくれたのは試行錯誤を続けているというパンでつくった花手水です。水に見立てたゼリーにナデシコやビオラなど食べられる花が添えられています。

心だけでなく、おなかも満たされた一品でした。
 

花手水パン

花に込められた大切な人への思い

市の郊外にある前玉神社の花手水を飾るのは、近所の人たちが育てた花です。

保坂キャスター(左)と田島直子さん(右)

花手水を担当する田島直子さんは、近所できれいな花を見つけては家の人に声をかけて、花を分けてもらっています。

花を譲り受ける田島さん

この日、訪ねたのは畑での花づくりが趣味だという飯島範子さんです。分けてもらったのは赤い千日紅や黄色のマリーゴールド。亡くなった母親が大好きな花だったそうです。この秋、初めて上手に咲かすことができ、母のことをいろいろと思い出したと言います。

(母は)道端に咲く野の花や木の名前をよく知っていて、季節ごとにいろいろな花の名前を教えてくれていました。
(飯島範子さん)

千日紅とマリーゴールド

田島さんは花を分けてくれた人たちの思いを感じながら、花を飾っていきます。

花手水を作り始める

飯島さんの千日紅とマリーゴールドは、手水舎を引き立てるように飾られ、前玉神社の花手水が完成しました。

取材後記

行田市では、花にさまざまな思いを込めている人たちに出会うことができました。花に故人をしのぶ気持ちを込めた人、町が栄えるようにと願いを込めた人。花手水を見ていると、不思議と心をいやしてくれる花の魅力が少し分かったような気がしました。

行田市の花手水は、毎月1日から14日(11月と1月は15日から末日まで)に楽しむことができます。月に1度、「希望の光」という花手水をライトアップするイベントを開催しています。
(さいたま放送局キャスター 保坂友美子)

ページトップに戻る