学生が地域と子どもをつなぐ「小さな畑プロジェクト」 越谷市

埼玉県越谷市のボランティア団体「くらうど」では、大学生が地域に“畑”を持ち込むことで、子どもたちや地域の人たちと一緒に新しいコミュニティーをつくる取り組みを進めています。代表で文教大学大学院2年生の計良真生さんに、保坂友美子キャスターが伺いました。

「くらうど」では、どんな活動をしていますか。

学生が地域で子どもたちと関わることで、学生の視野を広げるお手伝いをしながら、子どもたちの居場所づくりをしています。また、こうした活動が、子育て世代の支援にもつながるんじゃないかとも考えていて、学生、子ども、子育て世代で1つのトライアングルをつくって、地域を盛り上げていこうという活動をしています。

どのくらいのメンバーがいるんですか。

主に活動しているのが4人で、イベントを手伝ってくれるメンバーが60人くらいいます。 ただ、アルバイトやプライベートの予定もありますので、イベントには毎回10人くらいが参加してくれています。

学生が中心なんですが、卒業後も関わってくれるメンバーもいます。

活動の1つに「大学生と小さな畑プロジェクト」というものがあるそうですが、どんなことをやっているんですか。

「住宅街に畑があったら」というコンセプトで、農作業を通じて、子ども、地域の大人、学生による新しいコミュニティーづくりを目指しています。畑といっても、60センチ四方の木枠のプランターを使っています。

どんなプランターなんですか。

プランターの中に農作物が水をくみ上げることができる仕組みをつくって、畑と同じような環境を再現しています。水やりの頻度もそれほど多くなくてすむので、手軽に農作業が体験できるようになっています。

プランターには車輪がついているので移動することもできます。軽トラックなどでプランターを住宅街に運んで、子どもたちや地域の人たちに農作業を体験してもらっています。

どのくらいの方が参加しているんですか。

4月から活動を始めたんですが、延べ100人は超えていると思います。子どもたちも普段、土に触れる機会が少ないようなので、畑に行くのではなく、住宅街に畑が来るということで、たくさんの方に参加していただいています。

どんなことから始めたんですか。

プランターの木枠を組み立てるところから子どもたちと始めました。また、土を入れる作業をしたんですが、ただ土を入れるだけではなくて、泥団子づくりなども一緒に楽しみました。その後、タネを植えて、水やりなどを続けて、この前、1回目の収穫が終わったところです。

楽しそうですね。

最近は学生も土に触れる機会が少ないので、一緒になって楽しむことができました。また、地域のおじいちゃんやおばあちゃんは農作業や外での遊び方にすごく詳しいので、泥団子づくりなどでは、いろいろ教えてもらうことができました。

学生と農業が地域に加わるだけで、コミュニティーが活性化していく様子を見ることができたので、やってよかったなと思っています。

どんな野菜を育てたんですか。

今回はジャガイモとトマト、キュウリ、カブなどを育てました。「くらうど」としては、農業は初体験で素人だったんですが、地域の人たちがすごく協力してくれて、農作物の成長を支える支柱を一緒に買いに行ってくれたりもしました。

無事に収穫できましたか。

ジャガイモは収穫できたんですが、トマトやキュウリはカラスの被害にあってしまいました。もう少し成長したら収穫しようかなと思ったときに、カラスに食べられてしまったんです。

でも、育てる経験はできましたし、量は少なかったんですが収穫もできたので、これから冬に向けての栽培に活かしていきたいと思っています。

子どもたちの表情はいかがでしたか。

すごくキラキラした表情をしていましたね。収穫や水やりを一緒にやったときの子どもたちの笑顔を見て、頑張ってよかったなと思いました。

一緒にプランターの木枠に絵を描いたり、成長の過程を見守ったりしてきたので、積極的に関わってくれる子どもたちが多かったです。

小さな畑プロジェクトの今後の目標は何ですか。

大学生と地域の人たち、そして、子どもたちが一緒になってコミュニティーを盛り上げていきたいという思いがあるので、農業を通じていろいろな人たちの出会いの場をこれからも継続してつくっていけたらなと思っています。