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災害で電気がとまったら 埼玉県ときがわ町で全町一斉停電訓練

  • 2022年9月7日

9月4日午後6時半、ときがわ町で多くの建物の明かりが一斉に消えました。災害時の停電を想定し全世帯を対象に行われた訓練。町民はどう行動したのか、取材しました。

(さいたま局 秩父支局/目﨑和正)

家の電気が消える

「訓練、訓練。大地震発生により停電が発生しました。ご家庭内で停電訓練を開始してください」

日が沈み、あたりがすっかり暗くなった午後6時半、町内の防災行政無線から訓練開始を告げるアナウンスが流れました。
町の中心部から車で10分ほどのところに家族と5人で暮らす武田広充さんは、家のブレーカーを落としました。その瞬間、2階建ての家の明かりが消えました。

過去の教訓を訓練に

町内の全世帯が対象のこの訓練は、渡辺一美町長の発案で去年から始まりました。停電に焦点をあてたのは、過去の出来事が影響しているといいます。

「風の影響で、山間部で停電が3、4日間続いた事があるんです。その時に地域の人たちは、洗濯ができなくなったほか、冷蔵庫で冷凍していたものがみんな溶けてしまったり、調理もできなかったりと、すごく生活に困ったんです。停電が起こると生活に支障を来すので、備えが大事だということで、全町民に短い時間でも停電を経験してもらう必要があると考えたわけです」

まずは明かりを確保

訓練に参加した武田さん一家。
まず、武田さんが1階のダイニングで電池式のランタンを点灯しました。テーブルの周りが照らし出されます。まもなく、一緒に暮らしている妻と2人の息子、祖母が集まってきました。息子たちは、懐中電灯などを持参してきました。

明かりが確保されると、武田さんは、長男に町のハザードマップを持ってくるよう指示しました。災害時にどのような危険があるかを、家族で共有するためです。

車が電源に

次に、一家がとりかかったのが食事の準備です。武田さんと息子たちは、玄関の外に出ます。向かったのは自宅の敷地に止めてある車です。ハッチを開けると、車のコンセントにプラグを差し込み、コードを家の中までのばしました。

災害時に役に立つかもしれないと、コンセント付きの車を買ったということで、使うのは今回が初めてだそうです。

一方、家の中では武田さんの妻がポットに水を注いだあと、車からとった電源で湯を沸かし始めました。

非常食を体験

武田さんの家庭では、災害に備えて、階段の下に食料品などを備蓄しています。この日は、お湯を使って非常食のごはんを作ることにしました。熱々のお湯をパックに注ぎ、封をします。

災害用のごはんは、保存がきく分、できあがりまで時間がかかります。その時間を利用して、次男が祖母の手を引いてトイレまでの動線を確認しました。住み慣れた家でも、電気がつかない非常時では使い勝手が違ってくるからです。

次男はふだんから祖母に気を配ってくれると言います。

お湯を入れてからおよそ15分。非常用のごはんができました。味は白米と五目ごはん、ドライカレーの3種類です。

食事が済むと、ハザードマップを広げて非常時の持ち出し器具の確認など、災害時の対応を家族で話し合い、午後7時10分、町が予定したよりも10分延長して武田家の訓練は終了しました。

長男 晴哉さん
「車から電気をとったのは初めてです。思いの他早くお湯が沸いて便利だなと思いました」

武田広充さん
「東日本大震災の時は、勤務先の都内で被災して家にたどり着くまで大変だったので、家族がバラバラなときに災害が起きたことも想定し、連絡が取れるようにしておきたいですね」

停電訓練これからも

町によりますと、町内では、地震のほか、水害や土砂災害、林野火災が想定されるということです。いずれも停電を伴うおそれがあります。町は、災害で生活に欠かせない電気が使えなくなったときに備え、停電訓練を続けていくとしています。

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