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AEDを迷わず使って 鉄道博物館で夏休みの親子に講習会

  • 2022年08月16日

いざという時にAEDを使うことができますか?AEDを一般の人が使えるようになってから18年になりますが、使用率は依然低いままです。
もっと多くの人にAEDを使ってもらおうと、専門の医師などで作る日本心臓財団が提唱した8月10日の「健康ハートの日」に合わせ、鉄道博物館でAEDの使い方などを広める講習会が開かれました。

夏休みの鉄道博物館で学ぶAED

講習会が開かれた場所は、夏休みの家族連れでにぎわうさいたま市大宮区の鉄道博物館です。
AEDの重要性を幼いうちから知ってほしいと、医師などでつくる「さいたまPUSH」というNPO法人が開きました。

講習会には23人の親子が参加し、AEDの使い方や、心臓マッサージのやり方などを心臓にみたてたクッションを使って行いました。
野球の試合で倒れた場合など2つの場面を想定して、倒れた人への呼びかけなどを学びました。

AEDが使われていれば…

この団体で特別な思いを持って活動している人がいます。さいたま市の桐田寿子さんです。

桐田さんの長女の明日香さんは小学6年生だった11年前、学校の校庭で駅伝の練習中に心臓発作を起こして倒れ、翌日、亡くなりました。当時、学校の保健室にAEDはありましたが、現場の教師たちは必要性が判断できず、使われなかったということです。
その後、桐田さんは同じようなことが起きないように、全国で自身の経験を話して、AEDを積極的に使ってほしいと訴えています。

桐田寿子さん
「積極的にAEDを使用してほしいです。AEDは飾るものではなく、使うものです。倒れた明日香が私にとって何よりも大切な人だったように、目の前で倒れた人は、誰かにとっても大切な人です。講習会を受けてAEDについて知る、場所を確かめる、誰かに伝える、それだけで救える命がきっとあります」

もし意識を失った人がいた場合は

この日は、実際にAEDを使って操作をする体験も行われました。参加した人はAEDの指示にしたがって人形にパッドを貼り、電気ショックを流すボタンを押しました。

▽まず倒れた人を見つけたとき、最初に声をかけて意識があるか確認します。

119番とAEDをお願いします!

▽意識がなければ、すぐに119番通報を行い、AEDを持ってきます。

▽AEDを起動させたら、音声の指示に従ってパッドを右の胸と左の脇腹に貼り付けます。

▽AEDが心臓の状態を診断し、電気ショックが必要かどうかを判断し、音声で指示してくれるので、倒れている人から離れます。

▽AEDからの指示があれば電気ショックのボタンを押します。

▽電気ショックが必要ないとAEDに判断されれば、心臓マッサージを行ってください。
▽電気ショックをしたあとも、救急車が来るまでの間、心臓マッサージを続けます。

▽心臓マッサージは胸の中央に両手を置き、ひじを曲げないようにして胸が5センチほど沈むように圧迫します。

▽それを30回連続で行い、2回人工呼吸することを繰り返し行いますが、目安として1分間におよそ100回、心臓マッサージを行うことが望ましいということです。

▽また、子どもに心臓マッサージをする場合は片手で行い、赤ちゃんの場合は指2本で行います。

少しでも早く 迷わずAEDを

AEDの電気ショックととも大事なのが心臓マッサージで、こうした処置が1分遅れるごとに助かる確率はおよそ10%ずつ下がると言われています。
倒れている人がいたら少しでも早く心肺蘇生を始め、救急車の到着まで続けることで、助かる可能性を高めることができます。

実際に胸骨圧迫(心臓マッサージ)をするときに、力をどのように力を入れた方が良いか、やってみないと難しいと思いました。桐田さんの話を聞いて、自分にできることをしていきたいと思いました。

参加してよかったと思いました。経験を生かして、自分の身近にいる人を助けられればいいなと思いました。

桐田寿子さん
「もし人が倒れたときに、判断に迷ったらAEDを使ってほしいです。いま自分ができることを行動に移して、人が倒れた時に大丈夫ですかと声をかけられるような世の中につながってほしいなと思います」

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