女子栄養大学と鶴ヶ島市などが協力して、地元産いちご100%のシロップ「鶴苺」を使ったメニューのアイデアコンテストが開催されました。学生が応募した46のメニューのうち、17のメニューが市内の飲食店などで提供されています。
メニューを考案した栄養学部食文化栄養学科4年生の松野仁美さんと堀部こころさんに保坂友美子キャスターが伺いました。
「鶴苺」のシロップの特徴はどんなところですか。
いちごの自然な甘みと色とほんのり香るゆずの香りが特徴です。
松野さんが考案した「鶴苺水まんじゅう」はどんな食材を使っているんですか。
水まんじゅう用の粉と鶴苺のシロップと砂糖を使っています。透明感があってプルプルした見た目とモチモチした食感が特徴になっています。
メニューの開発で苦労した点はどこでしょうか。
もともとシロップに甘みがあるので、砂糖の量をどの程度にするのか迷いました。あまり入れすぎると人工的な甘みになってしまうので、1週間ほどかけて何度も試しました。甘さは少し控えめにしたので、自然な甘みを感じることができると思います。
どんなきっかけで作ろうと思ったんですか。
以前、奈良県の吉野山に行ったとき、名産のくず餅がたくさん売られているのを見て、鶴苺のシロップと合わせたらおいしいんじゃないかと思いつきました。
先月から地元の和菓子店やそば屋で提供されているということですが、お店の人とも相談して改良していったそうですね。
最初、くず餅の上に粒あんを載せていたんですが、水まんじゅうの中にミルクあんを包む形にブラッシュアップしました。
実際にどんな味に変わりましたか。
もちの部分は少し酸味もあるんですが、ミルクあんとあわせることで、甘酸っぱい、いちごミルクのような味わいが楽しめます。
実際に店に並んでいるのを見てどんな気持ちでしたか。
自分が考案したメニューを多くの人に食べていただけるというのは、とてもうれしかったですし、苦労はしたけれども、頑張ってよかったなと思いました。
松野さんの将来の夢はなんですか。
将来は自分の飲食店を持つことが夢なんですが、コロナ禍で孤独になってしまう人が増えたと思うので、たくさんの人が集まることができる居場所になるカフェをつくれたらいいなと考えています。
夢を実現するために今、どんなことをしているんですか。
子ども食堂のボランティアに参加して、居場所になるとはどういうことなのかということを学んでいます。
堀部さんが考案したのはどんなメニューですか。
「鶴苺の彩りローストビーフ」です。色とりどりの野菜を薄切りにしたローストビーフで巻いて、鶴苺のシロップとバルサミコ酢を煮詰めたソースをかけて食べるローストビーフのサラダです。
メニューのポイントはなんですか。
やはりソースです。鶴苺のシロップにはゆずが少し入っているので、いちごの甘さとバルサミコ酢の酸っぱさとゆずの香りが混ざり合って、複雑な香りが(口の中に)広がるのがポイントだと思っています。
先月まで地元のイタリア料理店で提供されていたということですが、シェフと相談して、どんな点がブラッシュアップされましたか。
野菜の種類が増えたことと、盛り付けの方法が変わりました。もともとパプリカとベビーリーフとディルを使っていたんですが、クレソンやみょうが、紫キャベツなど食感だけでなく香りも楽しめる野菜を提案してもらって、メニューに追加しました。
メニューのアイデアはどのように生まれたんですか。
いちごと相性のいい食材を調べていくなかで、イタリアではいちごにバルサミコ酢と砂糖をかけて食べることがあるということを知りました。バルサミコ酢はブドウのお酢なので味の印象は赤ワインに似ていて、お肉との相性がいいのではないのかと思って、ローストビーフと合わせようと考えました。
ソースのバランスを考えるのは大変じゃなかったですか。
鶴苺のシロップとバルサミコ酢の配合のバランスを決めるのが大変でした。煮詰めすぎてしまうと、ソースが冷めていくなかで固まってしまったり、逆にあまり煮詰めないといちごとバルサミコ酢の味がうまく混ざり合わなかったりしたので、6回くらい試作しました。
実際にお店に提供されたメニューを食べてみていかがでしたか。
味はもちろんおいしかったんですが、見た目も華やかで、料理のお皿の空いたスペースにソースで私の名前をローマ字で書いてくださっていて、それがとてもうれしかったです。
将来の夢はなんですか。
フードコーディネーターになるのが夢です。食で人を魅了する仕事だと思うので、 見ている人が、おいしそうとか、食べてみたいとか、作ってみたいと思っていただけるような料理を作りたいと考えています。自分が作った料理を本にして広めていけたらいいなと思っています。
「鶴苺水まんじゅう」と「鶴苺の彩りローストビーフ」、どちらも見た目もきれいで、おいしそうですよね。インタビューでは、2人の大学生活についても話を聞きました。コロナ禍でも、サークル活動やゼミなどの勉強にも熱心に取り組んでいて、将来の夢に向かって、充実した時間を過ごしているなと感じました。