左の人物は新井康之町長、右の人物も新井康之町長。同じ埼玉県内の2つの町の町長は同姓同名です。これをきっかけに“同盟”関係を結んで町どうしの交流を深めていくことになりました。
6月21日、越生町役場の新井康之町長(77)の元に、宮代町の新井康之町長(65)が訪れました。全国的にも珍しいという同姓同名の町長。覚書を交わしてお互いの町と町の交流を深めていくことになりました。
先に町長に就任したのは宮代町の新井さんです。5年前の2017年10月の町長選挙で初当選しました。
越生町の新井さんは当時、町議会議員で、周りからこう言われたそうです。
いつから宮代町長になったんだ
これに刺激を受けたという越生町の新井さん。去年2月の町長選挙で初当選して、2人の新井康之町長が誕生しました。
越生町の新井さんは当選後まもなく宮代町を訪れ、宮代町の新井さんと初対面を果たしました。
11月には宮代町の新井さんが越生町を訪れ、「2つの町で交流を深めていこう」と機運が高まったといいます。
埼玉県西部に位置する越生町と、東部に位置する宮代町。車で1時間半ほどの距離にあります。
そんな2つの町には、町長の名前以外にも共通点があるといいます。
路線は違いますが東武鉄道が通っていること。
都心からの距離はおよそ40キロ前後で、東京・池袋までの電車での移動時間はどちらも1時間前後だといいます。
こんなつながりもありました。関東有数の梅林として知られる越生梅林で毎年開かれる「梅まつり」ではミニSLが人気ですが、このミニSLを作ったのは宮代町にある日本工業大学です。
町長どうしの同姓同名が縁で始まった2つの町の交流。覚書を交わしたあと、それぞれの特産品を交換しました。
越生町から宮代町に贈られたのは、いま収穫シーズンを迎えている梅の実や梅ジュース。
宮代町からはぶどうの巨峰を使ったワインやようかんが越生町に贈られました。
今後は地域の特性を生かしながら、産業や教育、観光、防災などさまざまな分野で交流を進め、互いの町の活性化につなげていくことにしています。
越生町の新井康之町長
「宮代町には越生町にはないところがたくさんあります。すでに『宮代町に行きたい』という町民もいるので、観光の振興や住民の交流などに取り組み、両町の発展のために尽くしたい」
宮代町の新井康之町長
「越生町で同じ名前の町長が就任した時は、本当にこんなことがあるのかと驚きました。車で1時間半ほどの距離でも、地形は全く違うので、町民どうしの交流、防災などお互いの町にとってプラスになるように、この縁を大切にしていきたい」