埼玉県伊奈町にアーティストが制作や展示を行うことができるシェアアトリエ「ONVO STUDIO INAMACHI(オンヴォスタジオ 伊奈町)」がオープンしました。施設のディレクションを担当したギャラリストの小林 優佳さんに岩崎 愛キャスターが伺いました。
このシェアアトリエ、おととし3月にオープンしたとのことですけれども、開設されたきっかけを教えてください。
空きスペースの利活用とアーティストの支援を目的に、さいたま市の不動産会社が倉庫のワンフロアをリノベーションしました。
小林さんはディレクターとして携わっているとのことですけれども、具体的にどんなことしてらっしゃるんですか。
私はアーティストと仕事をしているので、アーティストが制作しやすいアトリエになるように、アーティスト側の意見をお伝えするようにしました。
この施設をつくるうえで、一番力を注いだポイントはどんなところでしょうか。
ひとりずつのブースのサイズやコンセントの位置など、アーティストが使いやすいアトリエになるよう工夫しました。あとは細かいことなのですが、筆を洗ったりするのでシンクをふたつ付けるなどして、機能性を重視したと意匠設計チームから聞いています。
どんなアーティストがシェアアトリエを利用しているんですか。
20代から40代の美大出身の油絵とか日本画を制作しているアーティストです。伊奈町の方というよりも、県内ではあるんですけど、1時間かけて通ってるような方もいます。大作を制作する方はなかなか自宅にアトリエを持つことが難しいので、伊奈町まで通って大きな作品を制作してますね。
アーティストからの反応はいかがですか。
静かで制作しやすいですとか、あとはやはり、シェアアトリエなのでほかのアーティストからの刺激があったり、不動産会社が運営していますので、異業種との出会いがあったりすることも魅力だと言っていただいてます。
改めてこの施設を通して、小林さんが望む姿とはどんなものでしょうか。
大きくふたつ掲げています。不動産会社が運営していますので、アートと不動産をつなげることでアーティストに仕事をつくることまでを含めて、アトリエとしてだけではなく、よりよい制作環境を提供するということ。そして、スタジオ単体の動きではなく、アートで地域と繋がるコミュニティの場として、伊奈町の皆さんに親しんでいただける新たな文化スポットを目指しています。
横のつながりができて、そして、さまざまな世代の方が集う場所になるといいですよね。
アートは老若男女問わず楽しめるツールの1つにもなり得るので、伊奈町で皆さんに親しんでいただけるようになるといいなと思ってます。
小林さんは、コロナが収まれば、地元の人たちを招いてアーティストとの交流会やワークショップなど開きたいとも話していました。また、不動産会社が運営しているので、伊奈町に移住して作品を制作したいアーティストには住居も紹介しているということです。