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ホテルでプチ遊園地 埼玉県幸手市

  • 2021年12月15日

コロナ禍で苦境にあえぐホテル業界。埼玉県幸手市のビジネスホテルでは、家族連れに喜んでもらおうと、宴会場に手作りの遊園地をつくりました。ホテルグリーンコアの荻野真吾さんに岩崎愛キャスターが伺いました。

コロナ禍で埼玉県では緊急事態宣言が3回でました。ホテルではどのような影響がありましたか。

そうですね。正直、本当に苦しいです。延長に次ぐ延長で、こんなに長引くものなのかと、やはり落ち込みました。売り上げも以前の半分以下になって、休館せざるを得ない状況になりました。 

ホテル業界も、もうコロナ以前の状態には戻れないと思っています。いずれ元の状態に戻るだろうと思っている以上、今までの考え方が捨てられないので、新たな需要を獲得するためには、思考のリセットが必要かなと思っています。

この苦境を乗り越えるために発想を転換したとのことですけれども、詳しく教えてください。

こういう状況になって、スタッフ全員が生き生きと働くことができることが、より重要になると考えました。ですので、失敗してもいいから、とにかくみんなが好きなことに取り組んでみようと思いました。最初は、それぞれが持つ関心は違うのかなと思っていたのですけれど、あるとき、スタッフ共通の“好き”があることに気が付いたんです。

それは、なんですか。

私たちはビジネスホテルなのですけれども、ファミリーホテルを目指していまして、これまでたくさんの家族連れに来ていただいていて、メンバーみんなが、子どもたちの笑顔を見るのがすごく好きで、いつも元気をもらっていたんです。

ところが、コロナ禍になって、家族連れのお客さまがほとんどいなくなってしまって、子どもたちに会いたいなという思いがみんなの口から出てきたんです。 

で、“これだな”と思って、子どもたちに喜んでもらうためになにかできることはないか、みんなでとことん考えようということになりました。ホテルには予約がほぼ入ってない宴会場がありました。なにも使わないよりはということで、子どもたちが楽しめるように、メンバー全員の思いを込めた手作り感満載の遊園地をつくる“こどもが主役! プチアトラクション”というイベントが生まれました。

どんなアトラクションがあるんですか。

遊園地のジェットコースターから見える風景を無料で楽しむことができる動画がユーチューブにアップされていたので、こうしたコンテンツを活用して、ホテルでジェットコースターの疑似体験ができるセットをつくったり、ゴム鉄砲を使ったシューティングゲームをつくったりしました。あとは卓球ですね。卓球台も手作りしました。DIYが得意なスタッフがいたので。日に日にアトラクションが増えています。

こうした手作りのアトラクションをホテルのブログで紹介したところ、ブログを見た方が、クレイジーカートという今、子どもに人気の電動カートを“よかったら使ってください”と言ってくださったので、クレイジーカートで遊ぶこともできます。

子どもたちの反応はいかがですか。

一度、泊りにきて遊んでいただいた家族連れが、“子どもにせがまれたので、また来ました”と言って、再び泊まってくださったこともありました。子どもたちが楽しそうに遊んでいる姿を見ると、私たちもうれしいですね。

こうした取り組みを実践したことで、売り上げは回復しているのでしょうか。

コロナ前の水準にはまだ全然、戻っていません。ただ本当に少しずつ、先ほどのような家族連れとか、なかには同じ月に3回以上泊まりに来ていただいた家族もいますので、本当に少しずつですが戻ってはきています。宿泊者だけではなくて、地元の方も利用いただけるので、本当に少しずつですが成果につながっていると思っております。

最後に荻野さんが今後、目指すことを教えていただいてもいいですか。

コロナ禍になって、これからは応援したくなる企業だけが生き残っていくということを聞いています。やはり、私たちも、地元の皆さんにとってホテルをもっと身近に感じてもらって、本当に地元の方からこのホテルがあってよかったなと思っていただけるようなホテルを目指していきたいと思っています。

キャスターからひと言

埼玉県は、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている観光業界を応援するため、県内で宿泊した県民一人に3000円分のクーポンを贈る「とくとく埼玉!観光応援キャンペーン」を実施しています。みなさんも、感染対策を取りながら、近場の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

記事の内容はさいたま放送局のFM番組「ひるどき!さいたま~ず」で放送しました。(12/2)

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