小鹿野町にある県立小鹿野高校では、授業の一環としてまちづくりの企画・立案に取り組んでいます。高校生ならではのユニークな視点が地域の人たちをどう動かしているのか、本田章教頭に泉浩司アナウンサーが伺いました。
高校生がまちづくりに関わるということですが、きっかけはなんだったんでしょうか。
おととし、本校が県のコミュニティ・スクールに指定されたことと、小鹿野町と本校との間で包括連携協定を結んだことをきっかけに、地域とともにある学校づくりをもっと進めていこうということになり、「総合的な探究の時間」で授業として取り組むことになりました。3年生ですと、毎週金曜日の5時間目と6時間目の授業で行っています。
去年はこの取り組み、株式会社小鹿野高校というネーミングだったそうですね。
会社のように、生徒全員が社員となって、「ハッピー田舎化大作戦部」、「グルメ部」、「ビジネス部」、「イベント部」という4つの部に所属しました。今年度も、町が抱えるさまざまな課題を4つの分野で生徒自身が調査して発見し、高校生の視点で町の活性化や魅力を高める取り組みを考えて、企画書を作成するというものになります。
どんな企画があがっていますか。
例えば、高校の近くにある廃校を使ったお化け屋敷とか、サバゲー(サバイバルゲーム)で町を盛り上げようとか、あるいは、町の人を集めて大運動会を開催するといった企画があがっています。
若者らしいユニークな発想ですね。 地域の皆さんの反応はいかがですか。
やはり、町に唯一ある高校ですので、町からの期待はとても大きいです。この間、町の旅館や和菓子屋などの事業所を営んでいる方や役場の職員が学校を訪れて、生徒の企画書について意見交換を行ったのですけれども、いろいろ温かい言葉をいただいて、生徒の励みになりました。
例えば、“私たちが考えつかなかった発想があった”とか、“高校生に負けないように私たち商店街も頑張っていきます”とか、“おばあちゃんでもまたちょっと頑張ってみようかなって思わせてくれる有意義な時間でした”とか、そういった反応がありました。
今後、どう発展させていきたいですか。
そうですね。今は企画書を練り上げることが1つのゴールになっているのですけれども、やはり、生徒の企画が地域に少しでも生かされて、具体的な形になるように発展させていきたいと考えています。
小鹿野高校の皆さんが地域に飛び出して、人の輪がどんどん広がっていくといいなと思いますよね。
そうですね。生徒の取り組みが、町民の方から、さらにほかの町民の方へと口コミで伝わっている様子が見受けられまして、町への広がりというのも感じているところです。
小鹿野高校の授業には、役場や地域おこし協力隊が、地域とのコーディネーター役として協力しているそうです。昨年度、一昨年度と2年連続で、県の教育委員会と経営者協会が主催するキャリア教育実践アワードで、最優秀賞を受賞しました。高校生の若い力が町をどう元気づけていくのか、これからの活躍に期待したいと思います。