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規格外野菜を守りたい 獨協大学(草加市)

  • 2021年11月10日

獨協大学経済学部の高安健一ゼミの学生が、野菜の生産者とキャンパスがある草加市の飲食店をつないで、規格外となった野菜を活用した料理を提供するプロジェクトを進めています。身近なところから少しでも食品ロスを削減しようという学生たちの試みについて、リーダーの君塚愛友さんに岩崎愛キャスターが伺いました。

君塚さんは、まだまだおいしくて食べられるのに、曲がったり傷がついたりして、出荷できなかった規格外の野菜に注目されたとのことですけれども、これはどうしてなんですか。

まず、食品ロスの問題に着目しようということで、これがどこで起きているのか探しているときに、ニュースなどで、コロナ禍で野菜が卸せなくて野菜が廃棄されているという現状を知ったことだったり、農家からでる規格外野菜の量が多いことを地元で取材したりしたことから、規格外野菜に注目することにしました。 

現地で取材されたんですね。 

自分たちが想像していた以上に、規格外の野菜って出ているんだということを目の当たりにして、すごく驚きました。 草加市だと自宅で小規模農家をやっている方が多くて、ここからはあまり出ていなかったんですけれども、例えば、草加市の名産である小松菜などに特化した規模の大きい農家からの規格外野菜は、かなり多かったです。

君塚さんは、野菜生産者と草加市の飲食店をつなぐ取り組みをされています。具体的にどんな内容なんでしょうか。

飲食店に規格外野菜を提供するメニューをつくっていただくことで、消費者の方たちに規格外野菜でもおいしいということを知っていただく取り組みをしています。 実際に使う野菜を農家から私たち学生の自宅へ届けてもらい、そこから自分たちの足で飲食店に配達しました。

お店も自分たちで探されたとのことですけれども、どういう基準で探したんですか。 

まず、SNSを活用していて、私たちのターゲット層である大学生や若い世代の主婦の人たちが訪れやすい場所を選んでいきました。また、インスタグラムで「草加 カフェ」とか「草加 ランチ」で調べて、検索にひっかかった店舗に絞っていきました。

今は5店舗で規格外野菜を使ったメニューが提供されているんですよね。どんなメニューなんですか。 

今回は、小ぶりなかぼちゃとちょっと緑の部分が長くなってしまった長ネギを使用したんですけれど、アレンジは各店舗のオーナーにお任せしました。かぼちゃと長ねぎを使ったパスタやシフォンケーキ、かぼちゃのスープなどが提供されています。

実際に私も食べに行ったんですけれど、特に長ねぎって、ふだんあまり緑の部分は食べなかったんですね。でも、実際に食べてみて予想以上にすごくシャキシャキしていて、甘くておいしかったです。 見た目も、飲食店の方にとてもおしゃれにしていただいて、いわゆるインスタ映えがするメニューにアレンジしていただきました。

規格外の野菜をつかったグラタン

反応はいかがでしたか。

現在、アンケートを行っていて、さまざまな感想をいただいているんですけれど、大半の方からはおいしかったと言っていただけています。 さらに、”実際に食べてみて、見た目で判断してはいけないと気づいた”という意見もあったりして、私たちの活動の真意が伝わっていて、とてもうれしく思いました。

メニューを提供しているお店をまとめたパンフレットも制作されましたよね。このパンフレットはどこで手にすることができるんですか。

草加市内のJAの支店と食品ロス削減に積極的に取り組んでいる生鮮スーパー、あとは、コラボしている各飲食店と獨協大学の構内で手に入れることができます。 

キャスターからひと言

君塚さんたちは、プロジェクトの名前を「多様性野菜レスキュー隊」と名付けています。同じ畑でとれて美味しさもほとんど変わらないのに、傷がついたり曲がったりしただけで、規格外とされてしまう野菜を“多様性野菜”と呼ぶのは、すごくいいアイデアだと感じました。

日本の食品ロスは年間でおよそ600万トン、一人あたり毎日お茶碗1杯分のご飯を捨てているのと同じくらいの量だそうです。「多様性野菜レスキュー隊」の取り組みがこれからもどんどん広がることを期待したいと思います。

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