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リポート・企画

高齢者の孤立防止へ 学生が訪問 10月18日

高齢化が進むなか、大きな課題となっているのが “お年寄りの孤立” です。栃木県では、孤立したお年寄りをボランティアの学生が訪問し、問題を解決しようという取り組みが始まり 成果をあげています。

 

栃木県北部に位置する人口約7万人の大田原市には、およそ2万人の高齢者が暮らしています。

 

市内に住む 樺澤冨士子さん(81)は、最近体の不調を抱え、身の回りのことにも不自由するようになりました。

そこで利用し始めたのが、若者が困り事を解決してくれる生活支援のサービスです。

 

依頼したのは 夏に使った家電製品の掃除。台にのぼっての作業や、機械の分解に不安があり、頼みました。

この日は3人の若者が作業に訪れました。

「樺澤さんが登っても なかなか届かないですもんね」

1回の利用料は30分500円から。樺澤さんが利用するのは、今回で21回目になります。

 

樺澤さんが依頼を重ねているのは、若者たちが作業のあと、話し相手になってくれるからです。

この日盛り上がったのは、樺澤さんの趣味の『ちぎり絵』のはなし。

家族でも、ご近所づきあいでもない、ちょうどいい距離感で接することができるといいます。

「楽しいね。自分も若くなっちゃったみたいな気がしてさ」と樺澤さん。

 

この取り組みを始めたのは、濱野将行さん27歳。

作業療法士として高齢者のリハビリ施設で働いていたことから、高齢者の孤立について知り、去年(2017年)、非営利法人を設立しました。

「人生の最期を孤立して終わる、それが多発化している現実を変えたい。起業して、仕組みを変えたいと思いました」

 

特に力を入れてきたのが、高齢者が気軽に話しあえる相手を確保することです。

そこで考えたのが、地元の学生ボランティアをスタッフに加えることでした。時間に余裕があり、高齢者と気軽に付き合える柔軟性があると考えたからです。

これまで100人以上の学生ボランティアが集まりました。中には、新たな居場所を見出した若者もいます。

 

小堀翔汰さん高校2年生です。

吃音(きつおん)の症状があり、人付き合いに悩むこともありました。しかし、お年寄りと関わることで、自信が付くようになったといいます。

この日まかされたのは 家具の組み立て。心がけているのは、お年寄りの話に耳を傾けること。

「ほんのちょっとなんだけど、それができねえんだ・・・」

話を聞くことで、自分も役に立てると気づいたのです。こうしたお年寄りとの会話を通して、小堀さんは気負わずに人と関われるようになったそうです。

 

「家族みたいに関わってくれる人が多い。本当の自分をさらけ出せる」と話していました。

困り事を解決するというサービスが、地域に高齢者と学生の交流を生み、笑顔をひろげています。

 

この団体では、学生とお年寄り 双方の性格やニーズを面談で確認し、交流をしやすくする『マッチング』をしているということです。

問い合わせ先

◇学生の訪問ボランティアについて
 「一般社団法人 えんがお」(代表:濱野将行さん)
 栃木県大田原市山の手2-14-2
 電話:080-1242-9460