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リポート・企画

外国人と共に生きる 外国人を支える 無料の健康診断 9月20日

日本に住む外国人が増える中、共に生きていくための取り組みを、今週シリーズでお伝えしています。きょうは、医療についてです。

今月(9月)、栃木県宇都宮市で、経済的な問題などで 医療機関を受診することが難しい外国人に向けた、無料の健康診断が開かれました。首都圏各地から多くの人が訪れるこの健診を取材しました。

 

栃木県宇都宮市の総合病院に、この日、無料の健康診断を受診するため60人の外国人が訪れました。栃木や群馬を中心に 年に5回ほど行われます。

病院の医師や看護師をはじめ、スタッフのほとんどがボランティア。

生活に困窮し、病院に通いにくい外国人に 健康状態を知ってもらうことを目的としていますが、日本語で症状を正しく伝えたり、医師の説明を理解できない人が大半です。

(スペイン語)「ある程度 日本語はできるが、細かいところは分かりづらい」というペルー人。

そこで、今回は、通訳のスタッフが11か国語に対応して、血液検査や血圧測定など、全部で7項目が行われます。

 

ナイジェリア人)「ハートボーン、日本語わからないけど、ここが痛い」

医師)「胸が痛い」

 

外国人が病院に通えない理由は、それぞれが抱える事情によって異なります。

ミャンマー人の男性は、難民認定を申請中ですが、正式な滞在資格がありません。そのため、働くことも、健康保険に入ることもできないのです。

長年気にしていた 体の “しこり” について、ようやく相談することができました。

「ここです」

「ああ、本当だね」

(ミャンマー語)「がんではないかと 心配したが、きょう検査を受けてホッとした」という声が聞かれました。

 

この健診を主催するNPOでは、健診にとどまらない、手厚い支援を行っています。

医師が深刻な体調と判断した場合は、NPOが受け入れてくれる病院を紹介、付き添いもします。

さらに健診当日に、さまざまな分野の支援者が集まり、生活に関わる相談に乗ったり、食料の配布まで行っています。

 

「健診の結果が出て、言いっぱなしでは、それでいい人と悪い人がいる。お金のない人はどこへ行ったらいいのかわからない」と話すのは、『NPO法人アミーゴス』の長澤正隆さん。

 

今回の健診で支援を受けた、日系ボリビア人の 関本グアダルペさんは、シングルマザーで、工場の非正規従業員として働いています。収入が少ないため、健康保険料を支払うことができず、何年も体の不調を我慢してきました。

「病院に行かない。お金もない、保険証もない」

 

問診では、首の腫れについて相談しました。

医師)「現在 健康上で何か気になっていることは?」

関本)「ここが痛いです」

医師)「ちょっと触るよ。腫れてるね」

 

精密検査を勧められた関本さん。その医療費をどうまかなうか、弁護士、ソーシャルワーカーと話し合うことにしました。

長澤)「生活保護?」

弁護士)「母子2人ですよね?生活保護申請いけそうな気もしますが」

長澤)「じゃあいきましょう、一度」

収入の状況から、生活保護を受けられる可能性があると分かり、弁護士と共に申請をすることが決まりました。

長澤さんは「私たちの手からもれたら、その次にどこへ行けばいいんだろうか。自分たちの活動を “最後のセーフティーネット” だと思っている」と話していました。

 

困窮する外国人の健康と暮らしをどう守るのか。NPOを中心とした懸命の努力が続いています。

問い合わせ先

◇困窮する外国人に向けた健康診断について
 「NPO法人 北関東医療相談会 AMIGOS(アミーゴス)」
 ※詳細はHPを参照ください。