おはよう日本 関東甲信越

1月11日放送
“手ごろ” なもやし 生産現場に異変

手ごろな価格で重宝されてきた食材『もやし』。しかし いま、生産コストの高騰が深刻化しています。『もやし』の生産現場で何が起きているのか、取材しました。
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埼玉県にある もやし製造会社。
首都圏のスーパーや飲食店、学校給食用にもやしを出荷しています。
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もやしの原料の8割以上を占めるのが “緑豆” 。
水をかけながら、およそ8日間かけて発芽させます。
この緑豆、実は、日本は栽培に向いていないため、そのほとんどが中国から輸入されています。
しかし 今、ある異変が起きています。
緑豆の価格が高騰したのです。
原因は、産地である中国の天候不順。
緑豆は乾燥を好む作物ですが、去年(2016年)は季節外れの長雨が続き、品質のいい豆が激減したのです。
もやし製造会社の町田甲徳さんは「高い豆を使って、今の状態で経営が成り立つか不安」だといいます。

高値の理由は天候不順だけではありませんでした。
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中国産の緑豆の輸入を手掛ける商社の大隈心さんに話を聞くと・・・

「これは中国が提示してきた値段(1トンあたり)。2008年産、このときは975ドル。そして2015年産は、1,910ドル。毎年上がったり下がったりしながら、大体平均の価格は上昇している」
緑豆の価格は、この15年ほどで3倍近く値上がりしていました。
去年は、そこに天候不順と円安が重なり、これまでになく高騰したのです。
大隈さんは「中国自体がかなり発展した影響で、すべての物の値段が上がっている。農村自体も発展し、物価も上昇している以上、今の高値のレベル、あるいはもう少し高くなってしまう可能性が十分にある」と話していました。
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しかし、売り場をのぞくと・・・
ほかの野菜の価格が高騰していても、もやしの値段は安いままです。
もやしの価格の推移を見ると、値上がりするどころか、この15年で2割以上も安くなっていました。

もやし生産者は、農協などを通さず 個別に小売店と取り引きしているため、価格交渉力が弱いのだといいます。
工業組合もやし生産者協会の理事長、林正二さんは「スーパーが安売りの目玉として、もやしを位置づけている関係で、その安い値段で売るためには、仕入れ値も安く仕入れなければいけない。そういうことを もやし生産者に依頼してくる。採算的に合わない状況がずっと続いている」といいます。
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こうしたことから、もやし生産者は厳しいコスト削減を迫られています。
埼玉県のもやし製造会社では、これまで4色で印刷していたパッケージを2色に減らしたり、電気代の節約を徹底したりして、なんとか乗り越えてきました。
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それでも、2016年産の緑豆を使えば、採算が合わなくなりかねない。

そこで、今年(2017年)は商社が在庫として持っていた 1年古い2015年産の豆を仕入れることで、なんとか乗り切ろうとしていますが、その在庫もいつまでもつかは分からないといいます。
もやし製造会社の町田さんは「いろいろ取り組んではきたが、原料の値段がどんどんそれを上回るような形で高騰している。緑豆が高い状態で、値上げもなしでいくと、かなり厳しい状態になる」と話していました。
家計にやさしい食材とされてきた『もやし』。
しかし、生産者たちは、 “変わらぬ安さ” と “変わりゆく世界経済” のはざまで苦悩しています。

もやし生産者の団体では、中国に代わる緑豆の産地を探してきましたが、品質が安定している産地はなかなか見つからないということです。
今後は商社と協力して、新たな産地をつくる取り組みを始めたいとしています。

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