おはよう日本 関東甲信越

11月17日放送
“人材がいない” どうする?橋の安全

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私たちの生活に欠かせないインフラ、橋の安全についてです。
国は、4年前(2012年)の『笹子トンネル』の崩落事故を受け、橋を始めとするインフラの点検を義務づけました。しかし、思うように進んでいない自治体もあります。大きな理由は、橋を管理する人材の不足です。
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埼玉県北部に位置する 人口14,000の神川町では、今月(11月)、初めて橋の点検に乗り出しました。
この日訪れたのは、住宅地を流れる川に架けられた 長さ4メートルの橋。
裏に回って点検してみると・・・。
『トントントン ガンガンガン・・・・』
『こりゃあ ひどいな』
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コンクリートが劣化して、簡単にはがれ落ちる状態になっていました。
水漏れ個所も見つかり、予想以上の劣化に衝撃を受けました。
「全然予想していなかった。コンクリートの劣化も全然気付かなかった」と神川町の職員。
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神川町は163か所の橋を管理しています。
しかし、これまで、国の基準を満たす点検は行ってきませんでした。
専門の技術職員がいないからです。
橋を管理する建設課の職員は12人。
小さな町では、多様な業務に対応できる人材が必要なため、技術職員を採用していません。
神川町建設課の課長、深谷武史さんは「土木の技術職員がいないなか、いろんな技術的な判断をしていかないといけない。町の職員の不足、技術的な問題が大きい」といいます。
国土交通省によると、全国で町の3割、村の6割で橋の点検に携わる技術職員がいないといいます。
事態を重くみた国は、橋の管理者の育成に乗り出しました。
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この日は 埼玉県と連携し、研修会を実施。
研修会は4回開催され、44の自治体から93人が参加しました。
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研修では、見つけた “ヒビの幅の測り方” や、ハンマーで叩いて、 “音の違いで破損個所を見つける方法” を習いました。
『裏側が、この先ひびが割れているんで・・・』
参加者は、橋の管理者といっても、専門知識は無く、すべて初めての経験です。
参加者からは「思ったより点検は大変でした。自治体職員も勉強していかないと・・・」という声が聞かれました。

一方、人材不足を補うための技術開発も進められています。
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埼玉大学教授の松本泰尚さんが注目しているのは、橋の微細な振動の変化です。
亀裂がある橋は、振動が早く弱まることに気が付きました。
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「(亀裂のある橋は)揺れる時に、亀裂が開いたり閉じたりして、摩擦が起き、エネルギーが消費され、振動のエネルギーが早くなくなることにつながったのではないか」
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松本さんは、橋にセンサーを取り付けてデータを抽出し、専門の技術職員がいない自治体でも、橋の状態が判断できる仕組みを作ろうとしています。
橋梁(きょうりょう)工学の専門家は、人材育成と共に、点検技術の向上が必要だと指摘します。
横浜国立大学 高等研究院の上席特別教授、藤野陽三さんは「人手を減らしていくことが、日本のおかれた人口減の状況では非常に大事。埼玉大学でやっている技術もその1つで、われわれは期待して見ている」と話していました。
橋の老朽化が進む中、安全をどう守るのか。点検を支える技術開発が急がれています。
埼玉大学は、橋の振動の調査を今後1年にわたって続け、診断技術の実用化を目指したいとしています。

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問い合わせ先

◇家の近くの橋が心配な場合
 橋は、国、都道府県、市町村と 管理する自治体が分かれています。
 まずは、地元自治体などに連絡をとり、その橋の管理者を確認の上
 その管理者に問い合わせてください。

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