トップページ > おはよう日本「首都圏」 > リポート > これまでに放送した内容 ![]()
土曜すてき旅。今回は栃木県那珂川町です。栃木県東部にある那珂川町では、今、海でとれる高級な魚、トラフグが名物になっていて、人気を集めています。
山に囲まれた栃木県那珂川町です。
町の自慢は温泉。江戸時代から湯治客が訪れる歴史があります。

名物は、海の高級魚、トラフグです。トラフグののぼりや看板。町内には、トラフグが食べられる店が16軒あります。
観光客も、トラフグを目当てに町を訪れるほどの人気です。

このトラフグ、どこでとれたかというと、廃校となった小学校です。
野口勝明さん。ここでトラフグを養殖しています。
あわせて17の水槽で、およそ3万匹が育てられています。
トラフグが泳ぐこの水、実は、温泉です。町で湧く温泉は、塩分を含んでいます。濃度は海水より低いですが、トラフグが十分成長できます。野口さんの本業は、水質調査会社の社長です。各地の温泉の水質を調べる中で、町の温泉が海水に近いことを見つけました。

山あいで生まれ育った野口さんにとって海は憧れ。思いついたのが、海の魚の養殖でした。
「小学校のころ、海がないので、臨海学校を楽しみにしていました。海の魚がおいしいというのもあって、やるならトラフグということで始まりました。」と野口さんは話します。

こうして4年前、日本で初めて温泉での養殖にのりだしました。しかし、「味が薄い」「水っぽい」と評価はさんざん。そこで、専門家に話を聞くなど2年間の試行錯誤の末に編み出した秘策が、3%の人工海水です。
出荷の12時間前、海水と同じ塩分濃度の塩水につけます。
すると、余分な水分が抜けて身がしまり、うまみが増すことがわかったのです。
今、野口さんはトラフグを町おこしにつなげようと考えています。
トラフグを使った新商品の開発に地元の人と取り組んでいます。

例えば、こちらはケーキです。
黒っぽいものが、ゆでで刻んだトラフグの皮です。臭みもなくプルっとした食感です。

この冬、老舗酒蔵で誕生したのは、トラフグのヒレ酒セット。
あぶったトラフグのヒレに熱かんを注ぎ、3分ほど蒸らせば完成です。
開発中の新メニューがあると聞き、町のレストランを訪ねました。菊池和之さんです。
試作しているのは、トラフグのムニエル。生ハムと小松菜で巻いて、こんがりと焼きます。

トラフグ人気で、若者たちが働く場も生まれています。
これまで地元の高校から4人が、トラフグを養殖する野口さんの会社に就職しました。
水産科の3年生、葛西優希さん。この春、入社することになっています。
就職を希望していた葛西さん。トラフグ養殖の求人を知り、地元で好きな魚の仕事に就くことができました。
「自然の多いところで魚と触れあえて嬉しい。」と葛西さんは話します。

1月末。トラフグの養殖場を、葛西さんたち内定者が訪ねました。
餌やりに挑戦する葛西さん、初めて間近でトラフグを見ました。
「すごくかわいかったです。全力でがんばっていきたいです。」と葛西さんは話します。
「何とか町を盛り上げて活性化したいです。自分の考えを継いでくれる若い世代が出てくれれば、一緒に考えながらやっていきたいです。」と野口さんは話します。
温泉でトラフグ。山里のあたらしい名物に町のみなさんの夢は膨らみます。
野口さんたちは、トラフグと町の特産品のコラボも進めています。
那珂川町はユズの生産も盛んなことから、「トラフグゆずゼリー」を開発したいということです。
