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子どもが亡くなる病気で最も多い「小児がん」。
命を取りとめても、抗がん剤や放射線による治療によって、さまざまな後遺症などに悩まされ周囲から孤立してしまう人が少なくありません。
そんながんを経験した若者たちが今、互いに支え合ってがんと向き合いながら生きています。

東京都内の飲食店で開かれたイベントです。
参加しているのは、全員が幼い頃や若い世代で「がん」を経験した若年性がん患者の会「スタンドアップ」のメンバーです。
身体の調子や治療のこと、さらには日々の生活の悩みなど何でも話し合える仲間たちです。

メンバーの一人、20歳の水橋朱音さんです。小児がんを克服し、今はアルバイトをしています。
水橋さんは中学3年生だった14歳の時に突然、のどのがんと診断されました。
部活動のテニスに熱中していた頃のことでした。
抗がん剤や放射線による治療を半年間受けましたが、命を救うための厳しい治療は、成長期の体に大きなダメージを与えました。
がんは消えたものの、重い後遺症を引き起こしました。
治療の直後から腎臓の機能が低下。慢性腎不全に陥り、今も毎日5時間かけて体内の毒素を排出するための透析を続けています。

水橋さんは小児がんを克服した体験から、看護師になりたいと考えていました。
しかし後遺症による体の負担を考えると現実には、なかなか前へ踏み出せなかったといいます。

そんな時に出会ったのが、「スタンドアップ」。
病院で手に取ったフリーペーパーには、同世代のがん経験者たちの笑顔がありました。
特に水橋さんの心を動かしたのが「がん患者には夢がある」という言葉でした。

「世の中で病気でがんだったことを公表すると若いのに大変だったね、かわいそうと言われることもあった。ただ自分でかわいそうと思ったことはなかった。むしろ病気になったから色々なことに挑戦したいとか、夢をもちたいと思った。(世間の考え方が)変わってほしいと思っていたから、がん患者には夢があるという言葉にインパクトがあった。」と水橋さんは話します。

「スタンドアップ」に入った水橋さん。
月に1回開かれる会合で、仲間たちと日々の悩みについて率直に語り合っています。
水橋さんはこの春、母親の腎臓を移植する手術を受けることになっています。
移植によって腎臓の機能を回復させれば、看護師になるという夢をかなえられると思っています。

「みんな言葉には出さないだけで つらい思いもいっぱいしていると思うのに、メンバーの人は前向きな人が多い。そういうの見ていて何でもチャレンジするようになりました。」と水橋さんは話しています。
「スタンドアップ」のメンバーは同じように病気で悩んでいる人たちに自分たちの活動を知ってもらいたいと全国の病院にフリーペーパーを置いているということです。