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東京・青梅市から新酒の話題です。

奥多摩の御岳渓谷沿いに江戸時代からある、創業300年以上の酒蔵です。
奥多摩の湧き水で酒を造っています。

しぼりあがったばかりのお酒を詰めた瓶が次々と出てきています。
各地で大雪が続いていますが、2月4日は立春。新たな春を迎えるめでたい日の朝にしぼりあがったばかりのお酒を、その日のうちに販売するという、その名も「立春朝搾り」というイベント。全国38の酒蔵で一斉に行なわれます。そのうちの1軒、東京・青梅市にある酒蔵です。
朝8時には出荷が始まりまるので、準備も大詰め。あわただしくなってきています。

こちらは、酒造り暦30年、杜氏の田中充郎さんです。寝ずにしぼり作業を続けてきました。
「ふつうお酒はいい状態になったら出荷できますが、このお酒は2月4日にしぼるというのが決まっているので(調整が難しく)杜氏泣かせです。」と田中さんは話します。

こちらは発酵室の中の様子です。お米とこうじと水を発酵させて、できたもろみです。ちょうど発酵の状態がよくなると、これを酒と酒かすに分けるしぼりの作業に入ります。
しぼられ、出てきた酒を普通は、その後ろ過し、火入れして瓶詰めされますが、成分分析を経て、手を加えずこのままが瓶詰めされているのが、このお酒です。

一口、飲ませていただくと、かおりがよく、炭酸感がある、優しい味です。
「今年は出来がいい。」と杜氏の田中さんは話します。

このイベント、14年前、日本酒の売り上げが年々下がる中、日本酒に興味を持ってもらおうと栃木の1軒の酒蔵が出荷したのが始まりです。今年は、全国38の酒蔵で合わせて19万本の出荷を見込むほどです。宮城や福島の酒蔵も、震災で壊れた機械を直すなどして、去年より多い、およそ1万5000本を出荷する予定です。このイベントが酒蔵の励みになっているそうです。

「出荷本数は年々増えて、今年は1万1500本。お祭りですから、勢いがあった方がいい。」とイベントに参加して11年目、酒蔵の社長、小澤順一郎さんは話します。

このしぼりたてのお酒をとにかく早く届けようと奮闘しているのは、酒蔵の皆さんだけではありません。地域の酒屋さんも駆けつけています。
このイベントは、酒屋さん自らが蔵に足を運び、出荷作業を手伝い、注文分の酒を蔵から運び出してお客さんに届ける仕組みになっていて、他にはない取り組みです。
この日は、東京・神奈川・千葉・埼玉の63軒の酒屋さんから110人が6時半に集まりました。
最後のラベル貼り、ダンボール詰めの作業をしています。
「午前3時半に出てきました。この日に合わせて体調を整えています。毎年楽しみにしています。」と鎌倉の酒屋さんは話します。
「各地からこれだけの酒屋さんが集まることはまずないので、一体感を感じます。春一番の幸せを一刻も早くお客さんに届けたいです。」と地元、青梅市で酒屋を営む橋浩さんは話します。

午前8時になりますといよいよ出荷です。
近くの御岳神社の神主さんもスタンバイしています。お祓いをして、清めの酒となります。
造り手と運び手の心意気が感じられる立春朝搾り、38の酒蔵から全国900のお店で新酒がふるまわれます。