究極の“ほうじ茶ラテ” 作り方を茶問屋・宮野圭司さんが指南

  • 2022年10月14日

温かいものがおいしく感じる季節です。最近、カフェなどでも人気が高い“ほうじ茶ラテ”。自分でばい煎してほうじ茶を作ると、香りも味もランクアップ!緑茶の茶葉を煎る(いる)ところから、たった15分でできます。「究極のほうじ茶ラテ」、秋の夜長にいかがですか?

お茶づくりのスペシャリスト 宮野圭司さんに聞く!

教えてくれたのは、お茶の産地、埼玉県狭山市の茶問屋5代目、宮野圭司さん。日本茶の楽しみ方を広める活動に取り組んでいます。
「煎りたてに勝るものはない!ぜひ自宅でばい煎して味わってほしい」と、宮野さん。寒くなると、ほうじ茶の需要が高まるといいます。

緑茶からばい煎しよう! まずは 茶葉選びから

使う茶葉は、自宅にあるような普通の緑茶でOK! 茎茶を使うのもおすすめです。

宮野さん

一般的に、安いお茶だと葉が大きいので、焦げにくく、きれいなほうじ茶になりやすいです。反対に、高いお茶だと茶葉が細いことが多く、ばい煎しにくいんです。

“超深煎りばい煎”で究極の“ほうじ茶ラテ”を!

上村
リポーター

どのくらいばい煎すると、究極のほうじ茶ラテが作れるんですか?

 

ずばり!“超深煎り”です。焦げる寸前まで煎ると、芳じゅんな味と香りのほうじ茶ラテが作れるんですよ。フライパンを使ってばい煎する方法を伝授します!

ほうじ茶ラテにぴったり!“超深煎りほうじ茶”、これを目指してばい煎していきます。

フライパンでばい煎!? その方法とは…

【自宅でばい煎 “超深煎りほうじ茶”】
<材料>

緑茶 25g

<用意するもの>
フライパン
ざるなどのふるい
皿またはバット(耐熱用)2枚

<作り方>
(1)緑茶をふるいにかけ、“大きい葉”と“細かい葉”に分けたら、“大きい葉”の茶葉をフライパンに入れる。
(2)フライパンを中火で熱したら、フライパンを動かさずじっと見守る。
(3)数十秒後、熱で茶葉が少し動いてくる。これを合図に、フライパンを揺すりながら煎り始める。
(4)火にかけてからおよそ3分後。香りがたって茶葉が薄茶色になってきたら“浅煎りほうじ茶”の段階。
(5)フライパンの中の(4)に、(1)の細かい茶葉を加える。
(6)フライパンを振りながら、さらに2分ほどばい煎。香ばしい香りがたち、フライパンの中で茎が目立ってきたら、“中煎りほうじ茶”の段階。
(7)さらに2分ほどばい煎を進め、焦げた香りを感じ始めたら、そこから10秒間ばい煎して火を止める。
(8)ばい煎を止めるために、皿やバット2枚を使って茶葉を移し変えながら一気に冷まして、 “超深煎りほうじ茶”のでき上がり。ここまで、およそ7分です。

※時間は目安ですので、お茶をよく見ながら煎ってください。
※遠火でフライパンを振りながらばい煎しますが、たまにフライパンをコンロに置いて、フライパンが熱い状態を保って下さい。

 

超深煎りの茶葉を、味見してみます。
こんなに、おいしいの?!全く苦くなくて本当にびっくりです。

 

失敗すると苦くなるんですよ。ちょうどよくばい煎できましたね。
もし、ばい煎し過ぎて苦くなっても、出汁パックに入れてお風呂に入れたり、靴の湿気取りにしたりすることもできますよ。

究極の“ほうじ茶ラテ”! そのいれ方のコツ

 

“超深煎りほうじ茶”ができたら、エスプレッソのように、濃く抽出していきます。
牛乳に負けない芳じゅんな香りと味の“ほうじ茶ラテ”に仕上げていきますよ。

【ほうじ茶ラテ】
<材料>
(1人分 およそ200ml分)
ほうじ茶 6g
熱湯 60ml
牛乳 140ml

<作り方>
(​​​​​​1)ほうじ茶の茶葉を、スプーンなどで軽く砕き、抽出しやすくする。
(2)急須に茶葉を入れたら、熱湯を一気に注ぎ、5分間おく。
(​​​​​​3)熱した牛乳をカップに注ぐ。
(4)5分経ったら、急須を揺らして抽出をさらに促し、(​​​​​​3)のカップにほうじ茶を注いだら完成。

 

おいしいですね。まろやかで優しい味。ほうじ茶の香りが、すごくよくたっています。

ラテだけではない! 浅煎り&中煎りの楽しみ方

左から 「浅煎り」「中煎り」「超深煎り」

浅煎り、中煎りでも、味わいの異なるほうじ茶が楽しめます。
●浅煎り:甘みが強く、青々としてさわやかな香り
●中煎り:一般的に売られているほうじ茶。香りと味のバランスがよい。

 

浅煎り、中煎り、それぞれの段階でフライパンから取り出せば、異なる味わいのほうじ茶が楽しめます。
料理に使えば、いつもと違う味わいになります!

 

え?料理にまで??

“浅煎りほうじ茶”を使ってお茶漬けに。お茶の甘みに香ばしさが感じられます。

 “中煎りほうじ茶”を使って、豚しゃぶを。肉の脂が落ち、野菜には、ほうじ茶のほのかな香りが染みます。

 

ほうじ茶を自分でばい煎してお友だちやご家族にふるまって、楽しい時間を過ごしていただければと思います。ほうじ茶の香りに包まれて、癒やされてくださいね。

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